谷 好通コラム

2004年09月29日(水曜日)

1029.心底怖いと思う事

今年8個目の台風、21号が日本に上陸しようとしている。

 

先程、スーパー耐久の我がチームマネージャーからメールが入った。
「こんにちは 今から 仙台に向けて出発します。
夜中12時の大分発のフェリーにのります。
台風なので心配です。 無事に着くといいんですが…
とても心配です(;-;)日曜日お待ちしています。」

 

仙台SUGO戦に向けて、大分から今日の深夜フェリーに乗るらしい。
たぶんフェリーは大揺れになるのだろう。
大きく揺れる船は、急速なエレベーターの連続上下のようで、
大変気分が悪くなる。
乗り物酔いにはめっぽう強い私でも、
大昔、台風が近づいている時に乗ったフェリーでは、しっかりと酔ってしまったことがある。
マネージャーの不安そうな顔を思い浮かべると、気の毒で仕方ない。

 

こんなにたくさんの台風が日本に上陸するのは、
気象に異変が起こっていると思わざるを得ない。

 

地球が大きく狂い始めている。

 

?の要素
石油をはじめとする化石燃料。
何億年もの気が遠くなるほどの長い時間をかけて、
地球が溜め込んだ化石燃料を、
人間はその百万分の一ほどの恐ろしく短い時間で“燃やし”、
つまり化石燃料の中に固定されていた炭素に酸素を化合させ、つまり燃やし、
安定した気体である二酸化炭素を、爆発的に大気中に増加させている。

 

?の要素
地球は、その内部からの熱と、
太陽からの光という膨大なエネルギーで、常に温められている。
その熱は、宇宙に向かって放射冷却され、
暖められる熱と、放射される熱の
そのバランスで今の気候が成り立っている。

 

?の要素
しかし、二酸化炭素は放射冷却を妨げる働きがあり、
?の要素で、急激に増加する二酸化炭素は、
地球の宇宙に対する放射冷却をどんどん少なくしている。
地球を冷やす要素は落ちる一方である。
これを温室効果と言っている。

 

?の要素
一方、太陽から与えられる光エネルギーと、
地球内部からのエネルギーは、以前と変わらないし、
それに増して酸素と炭素の燃焼エネルギーが加わり、
地球を熱くする要素は上がる一方である。

 

?の要素
?の要素と?の要素で、地球上の気温のバランスは、
大きく上がる方向にバランスが崩れている。
これを地球の温暖化現象と言っている。

 

?の要素
?の要素によって、地球上の温度が上がってくると、
シベリアなどの大量の凍土が解けはじめてきていて、
凍土の中に閉じ込められていたエチレンとかプロパンなどのガスが放出されている。
これらの有機ガスは、
二酸化炭素の持つ温室効果の何百倍かの温室効果を持っている。
地球の温暖化現象を加速させている大きな要素の一つだ。

 

また、その一方

 

?の要素
人類の文明は進み、特に医療の発達と普及が、人類の平均寿命を飛躍的に延ばした。
平均寿命が延びると、人口は増える。
繁殖年齢の倍程度であった平均寿命であったものが、

 

繁殖年齢の三倍程度の平均寿命になると、
平均繁殖年齢と同じ長さの期間で、人口は2倍になる。
その平均繁殖年齢が例えば20年だとすると、
20年で人口は2倍になり、40年で4倍になる。60年では8倍の人口となる。
倍々ゲームで増えていく人類の数。

 

?の要素
?の要素で増えた人類は、みんな食べるので、食料の需要が増える。
食料の基本は穀物である。
穀物は畑・田で耕作される。
畑、田を増やすことになる。
増やされた畑・他の代わりに確実に森林が減る。

 

?の要素
?の要素で増え続ける人類は、消費者であり、
消費するものが増え、売るものが増え、作る者が増える。
消費者のいる所には必ず経済の発展がある。
経済が発展すると、人々が豊かになる。
人々は豊かになると、穀物だけでなく“肉”を食べる量が増える。

 

?の要素
肉は、家畜から取るものであり、
家畜は穀物飼料で育てられる。
1kgの肉を取る為に、3kg?の穀物が必要であると言われる。
人が豊かになると、人の数が増える以上に穀物の需要が増える。
穀物の需要が増えると、森林はまた減っていく。

 

?の要素
?と?と?の要素によって、森林が加速的に減っていく。

 

?の要素
植物は、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すという呼吸もするが、
それ以上に、二酸化炭素を吸って酸素を吐き出す「光合成」によって、
地球上の二酸化炭素を酸素に変える働きを持っている。
植物の密生地である森林は、二酸化炭素を消費し、酸素を生み出す工場とも言える。

 

?の要素
海の珊瑚礁は炭酸カルシュウムのかたまり。
珊瑚礁は、珊瑚虫が海の中に溶け込んでいる二酸化炭素を
炭酸カルシュウムの形で固定して作るもの。
言ってみれば、珊瑚礁は二酸化炭素の消費工場のようなもの。
その珊瑚礁が海岸線の開発によって急速に減っている。

 

?の要素
その森林が減る?の要素と、?の珊瑚礁の激減によって、
地球は、二酸化炭素を消費する能力が急速に落ちている。
その結果、二酸化炭素が増える体質が急速に進んでいる。

 

またその一方

 

?の要素
フロンガスは、二酸化炭素の万倍もの温室効果を持っているという。
フロンガスは、冷媒としてクーラーの中に大量に使われている。
(コンピューターの集積回路などの製造時に洗浄剤としても使われている。)
人類が涼を求めて使うクーラーに、
恐るべき温室効果を持つフロンが使われているのは皮肉な話である。

 

○急増する我が人類の数は、二酸化炭素を排出する量を劇的に増やしている。
○森林・珊瑚礁の激減で、地球が二酸化炭素を消費する能力は急速に落ちている。
○二酸化炭素以上の温室効果を持つ有機ガスとフロンまでが劇的に増加している。
○地球の温暖化によって、2100年には、平均温度が5゜C上がるという。
○2200年には何度上がるのか? ・・・・・・・・・・・・・・・
○2300年は・・、人類は、地球は果たして生きているのだろうか。

 

52歳の私は、2100年には絶対に生きていない。
2050年でも、私は99%生きていないだろう。
死ぬとするなら、2030年ごろか?
そのころなら、まだ地球は破滅的なことにはなっていないだろう。

 

だから、いいのか。
自分が生きている間は、まだ平和であるから
別にいいのか?

 

我が愛する子達、孫たち、まだ見ぬひ孫の世代、そのまた子孫たち
自分の子孫だけではない。
我が人類の子孫のために、
我が地球を、私たちの世代が、
取り返しの着かない破滅のレールに乗せてもいいのか。

 

そんな権利が私たちにあるのだろうか。

 

背筋が寒くなる想いがする。

 

 

チームのみんなは、
そろそろ大分からフェリーに乗るころである。

 

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2024年4月
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.