谷 好通コラム

2004年09月01日(水曜日)

1010.成功報酬の考え方

“ゴルゴ13”が依頼者と話している。

 

ゴルゴ13
「話はわかった。早速、暗殺(しごと)にかかろう。
まず、スイスの○△銀行の俺の口座に、50万ドル振り込んでくれ。
残りの50万ドルは、仕事が終わったからでいい。」

 

依頼者
「お~、引き受けていただけるか。ありがとうございます。
50万ドルは、すぐに指定の口座に振り込みます。」

 

昔、読んだ漫画の中の1シーンだ。
(私も昔は漫画をよく読んだ。)

 

この場合、
まず、最初に振り込む50万ドルが着手金であり、
仕事(暗殺)が終わってからの50万ドルが成功報酬である。

 

弁護士も同じような請求の仕方をする。
事件の弁護にかかる前に着手金を払って、
裁判の判決によって、依頼人に有利な判決が出た場合、
その成功の度合いによっても、成功報酬が払われる。
たとえば、損害賠償の裁判の場合、
勝ち得た賠償金の10%とか20%を成功報酬として得る、という具合だ。

 

アイ・タック技研?も似たような考え方を持っている。
(もちろん、暗殺はお受けしていないが。)

 

KeePreを導入していただく時には、
ある程度の初期導入パッケージをお買い上げいただくが、
金額的には、随分軽いものになっている。
万が一、導入に失敗してキーパーをやめてしまった場合でも、
必ず、短期間で全品使い切れてしまうぐらいの量で、導入リスクは最小限。
言ってみればこれが着手金に当たる。

 

そして、実際の導入の際には、必ずインストラクターによる“導入講習”が行われる。
ほぼ一日かけて、新規店のスタッフ全員に受けてもらい、
一人一人がキーパーを、
きちんとマニュアル通りに掛けられるように訓練する。

 

キーパーはそのケミカルとしての優秀性だけでなく、
施工技術をきちんと習得して、初めて、キーパー本来の良さを引き出すことになる。
キーパーとその技術は、「一体」であって、
そのどちらが欠けても本来のキーパーは作り得ない。

 

だから、教えるほうも一生懸命である。
この導入講習でしっかりと教えて、
きちんとキーパーを掛けられる様になってもらわないと、
中途半端なキーパーを世の中に出してしまうことになるのだ。

 

また、キーパーは車のボディを綺麗にするもの。
ボディが綺麗になっても、ガラスとか、ホィールとかが、そのまま汚れていては、
“車が綺麗になった”ことにならないので、
ボディ以外の部分を綺麗にする周辺商品の使い方などもきっちり教える。

 

次に塗装の知識の学習。
塗装とはどういうものであって、
何をすると、塗装が劣化して車が古く見えるようになってしまうのか。
車をきれいにするという事とは、どういうことなのか。
キーパーが塗装の上でどういう役目をするのか。
などなどなど
塗装と綺麗さとキーパーの関係を、理論的に理解してもらう。

 

単に作業が出来るようになるだけでなく、
人間は頭脳を持っているわけなので、
「何故?」という部分をしっかりと頭に入れておくことによって、
作業の質の低下を防止し、
理解することによって、キーパーという商品に自信を持ってもらって、
販売と作業に対するモチベーションにつなげることが出来る。

 

お客様の質問に答えるのにも、
基礎の部分を理解しているのと、そうでないのでは、
答えも違ってくるだろうし、お客様からの信頼にも大きく影響する。

 

それから最後に、
お客様への洗車、キーパーなどの受注の仕方を教える。
やはりこれは、メニューボードの使い方がポイントになってくる。
みんなで一緒にメニューボードを作ったり、
受注につながる接客をやってみたり、
現在の店のオペレーションと、接客との整合性を一緒に探る。

 

そして、時にはキックオフミーティングなどにも参加して、
一緒に士気を上げる。

 

導入講習は、キーパーの基礎であり、原点である。
だから、私達のスタッフは、導入講習が主体として勤められるようになった時
初めてインストラクターとして一人前と認められるのだ。

 

かなり労力をかけて導入講習が行われ、
キーパーの施工店としてスタートする。
それからも新しいスタッフが入った時、
毎月開かれるワンデースクールに来てもらったり、
インストラクターが訪問したり、サポートが続く。

 

これが代行店さんを通じてキーパーが納入されている場合は、
代行店さんが行う場合もある。

 

 

ほとんど1日の終日をかけた導入講習は、
最初のキーパー導入セットから得られる利益では賄えるものではない。

 

しかし、
ここをしっかりやっておくことによって、
キーパーがその店舗において活用され、
つまり、より多くのお客様に対してキーパーが施工されて、
結果として、その店舗に利益をもたらす。
と同時に、キーパーのケミカルなどがより多く消費されて、私達のビジネスにおいても
利益が出ることになる。

 

1.キーパーの施工技術を導入店舗にしっかりと身につけてもらう。
と同時に、正しいキーパーの紹介の仕方を、正しい知識と共に身につけて貰う。

 

2.キーパーがより多くお客様に紹介され、正しく施工される。

 

3.正しく施工されたキーパーは、車をすごくきれいにし、“お客様が喜ぶ。”
そして、リピーターになってくれる。
その店舗でのより“多くのキーパーが施工される。”

 

4.“店舗はより多くの収益”を得ることになる。

 

5.より多くのキーパーに関わる製品が消費され、“メーカーとしての利益”も出る。

 

:・’゜☆。.::・’゜★゜’・:*:.。.:*:・’゜:*:・’゜☆。.:*:・’゜★
お客様が喜び、施工店は収益が上がり、
つまり「成功」することによって、
キーパーがたくさん使われて、私達の利益にもなる。
つまり「報酬」をもらうことになる。

 

これぞ「成功報酬」

 

アイ・タック技研は、実は成功報酬で飯を食っているのだ。
まるでゴルゴ13のようではないか。

 

いや、ゴルゴ13の場合は、必ず暗殺される人がいて、
その人は不幸に陥るわけだが、
キーパーの成功報酬方式では、不幸になる人はいない。
お客様は車がきれいになって喜ぶし、
施工店は収益が上がって喜ぶし、
メーカーである私たちも報酬をもらえて喜ぶ。
みんなが喜ぶ方式であり、考え得る最もいい方法だと思っている。

 

しかし、
この考え方、やり方というものは、
実際にはひどく面倒くさい。
一軒一軒に対して、キーパーの技術を時間を掛けて教えていく訳で、
気が遠くなるような時間と手間がかかっている。

 

キーパーが誕生してから11年経ち、
11年間、毎日毎日教えて、あるいはワンデースクールに来てもらって、
コツコツと積み上げて、
やっと今、月間20万台以上、多い時には30万台以上のキーパーが、
全国の施工店で施工されるようになっている。

 

 

逆に、
もっと手っ取り早く、ケミカルを放り込むように売ってしまえば、
短時間に数多くの商売が出来たかもしれない。
しかし、いい加減な施工でお客様の車がきれいにならず、
結果的に施工店が成功しなければ、
その商品は使い続けられることはないだろう。

 

一軒一軒に丁寧に技術を教えていくのは、
時間がかかって能率的な納品は出来ないかもしれないが、
長い間使い続けてもらえることになって、
長い時間をかけて「積み上げ」が出来て、結局最も多くの報酬をいただける。

 

回り道が、成功への最短距離であったということである。

 

成功報酬方式とは、まどろっこしいようでも、
最も大きな成功を得るための早道である。
そう思っている。

 

 

快洗隊の建設も、一軒一軒、実に手間をかけて、
じっくりと作っていく。
建設デザインのKさん。
設計図だけでなく、いつも自分で店舗の模型を作ってきてくれる。
それが一番解りやすいから、という理由だ。
ありがたいことである。
半日で作ったというこの模型、それにしても、器用である。

 

※今年11月オープン予定!の名古屋市緑区「鹿山店(仮称)」

 

 

模型の向こうにピンボケで写っているのがKさんである。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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