谷 好通コラム

2004年08月06日(金曜日)

999話?波乱の練習初日

8月5日、やっと十勝の地で練習開始である。
7月に予備練習をしたが、
今度は24時間レースを一緒に走るすべてのライバルと一緒に練習だ。
強烈なダッシュ力を持つポルシェGT3のクラス1から、
四駆でターボエンジンのランエボ、インプレッサのクラス2
準メーカーの強豪が集まる中で、我らが孤軍奮闘・純アマチュア参加のNプラスクラス
3500ccのフェアレディが独走中のクラス3
インテグラが大挙出場の改造度が低いクラス4。それでもかなり速い車もいる。

 

彼らと一緒に走ることが出来るのだ。
もうドキドキ。

 

朝、帯広でお世話になりっぱなしの帝北自動車さんに挨拶に行き、
そのままサーキットに向かう。
車の準備はボツボツで、ライト周りが終わっていなかったのは気になったが、
とりあえず、急ピッチで整備して朝10時からの走行枠には走れそう。

 

 

走行枠1時間の1本目は、まず石川選手が行き、次に田中選手、
二人ともすぐに35秒台で走る。さすがである。
7月の予備練習では私が38.8秒、畠中が36.9秒
それに比べたらずいぶん速い。
しかも走り始めて3周目ぐらいで出してしまうのだから大したものである。

 

次に私だ。
走ったのは6周ぐらいか、
あっさりと36.9秒が出た。前回の約2秒アップである。
しかも続けてコンスタントに出た。
つぎに畠中、彼もじきに35.5秒を出して気を吐く。

 

 

種明かしはこうだ。
第1に、今回は、
ノーマルに近いインテグラのエンジンには、このコースにぴったりの
ギヤ比4.7のファイナルギヤにしていたこと。
第2に、
前回は“初心者向け”として、キチンと真っ直ぐ走るセットにしていたそうなのだ。
だから、なかなか曲がらない。
曲がらないので無理に曲げようとすると、アンダーステアになって、
タイヤを傷めてしまう。
そうすると余計にアンダーステアになるわけだ。
これでは、やはりタイムは出ない。
今回は、ベテラン二人が乗るということで
曲がるセッティングにしてあり、
私たちとしても、ものすごく乗りやすかった。

 

ということで、あっさりと約2秒アップとなった。
正直言ってうれしかった。

 

 

昼からの2本目、
乗りやすくなった車でもっとジャンプをするぞと張り切って出て行く畠中。

 

 

畠中選手は、タイム的には34.5秒ぐらいにまで進た!
しかし、
少しコースを外し、ダートに落として車を傷めてしまった。
車半分を落として無理にそのまま強引にコースに戻ったのが良くなかったそうだ。
フロントのエアロの左1/3を飛ばしてしまった。
しかも、ショックアブソーバーから油漏れが起き、
ショックをすべて交換することになった。
これは多額の費用が発生することでもあり、畠中はかなりショックであったようだ。

 

 

それにしても、無理があったにしても、
早々に34秒台を出す畠中の速さは、相当なものである。
改めて見直した。

 

私もト張り切って出たが、今回はわずか3周だけ、
マフラーが外れてすぐにピットインとなってしまった。
それでも37.1秒。まあまあだ。
最初に走った石川選手は34.2秒まで進め、田中選手もあっさりと34秒台を出す。

 

昼から3本目は、そのショックアブソーバーの交換に手間取って、
残念ながらキャンセル。
最後の4本目はナイトセッションである。
これまでの長い長い時間を“待って”すごす。

 

24時間レースは、当然ながら夜間の走行がある。
ライト周りが最も重要なポイントで、みんな煌々と強化したライトを点けて
コースに出て行く。

 

夜のピットロードは華やかであった。

 

 

しかし、暗闇の中を、ライトを頼りに200km以上のスピードで
すっ飛ばしていくその姿は、強烈なインパクトがあった。
と同時に、心底から“怖い”と思った。

 

 

我が17番キーパーインテグラ24時間スペシャルも
石川選手が乗り込んで、夜間走行に出て行こうとする。

 

残念ながらHIDのフォグランプは取り付けが間に合わなかった。
ヘッドのHIDバルブも出走間際の取り付けとなってバタバタしている。
大丈夫だろうか。

 

ナイトセッションが始まって、しばらくして
やっとHIDバルブが装着されて、エンジンがかけられた。
ほんのしばらく暖気の為の空ぶかしが行なわれたが、その間にエンジンが止まった。
それでも簡単にかかると思ったら、エンジンはまったく再始動しなくなった。
何度も何度も再始動を試みだが、
かからない。

 

ありとあらゆる手を下したが、結局、ナイトセッションの時間内では
エンジンは息を吹き返さなかった。
(しかし、明日もう一回ナイトセッションはあるので、大丈夫。)

 

 

約1時間も、ヘルメットを被ったまま車内で待機した石川選手。

 

 

重っ苦しい時間が流れる。
どうもトラブルの元は電気関係であるようだ。
しかも制御がらみのようで、これは非常に厄介なことなのだ。

 

大きな大きな不安を残して、
8月5日、24時間耐久レース2日前が終わった。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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