谷 好通コラム

2004年03月30日(火曜日)

920話 NAVIに逆らう

NAVIに指示された通りに走ることに抵抗を感じる。

 

最新のNAVIは、VICSによる渋滞情報までを加味して、
実に効率的に道案内をするので、
NAVIが行けと言った通りに行った方が、
たいていの場合、一番速く目的地まで行ける。
これは、何度もNAVIに抵抗して思い知らされているものだ。

 

今日の名古屋高速は、知多半島道路からの導入入のり口から車がはみ出していて、
料金所に行くまですら相当な時間がかかると思われた。
しかも、道路案内には「鶴舞JTで事故渋滞13km」と表示されていた。

 

事故での渋滞は、自然渋滞と違って、
ガンとして動かない渋滞であるときがある。
だから、これは名古屋高速の導入路に入らない方が懸命であると思った。
しかし、NAVIは名古屋高速への道を示している。
「なに言ってんだよ、事故渋滞に入ったら絶対動かないよ。バカなNAVIだなぁ」
そんな風にNAVIをなじって、
一般路である23号線に出た。
しかし、
産業道路である23号線は、
年度末を控えているせいもあるのかガチンガチンに混んでいて、
あっという間に動かなくなった。

 

「まずかったかな」
今まで何度もNAVIに逆らって、
かえって時間がかかってしまったことを経験している。
「くそっ」と思い、
うんと遠回りになることを承知で、伊勢湾岸道路に入ることを選んだが、
その伊勢湾岸道路に入るまでにもかなりの時間を要した。

 

NAVIの案内は消した。

 

その後はドンドン泥沼状態に入るばかり、
伊勢湾岸道路を飛島ICで降りて、東名阪道路の蟹江ICに行こうと進むが、
やはり道は混んでいる。

 

その5時半ぐらいに先方に行くつもりが、その時点で、もう6時を回っている。
素直に名古屋高速に入っていれば、
13kmの渋滞に30分かかったとしても、
もうそろそろ先方に到着している頃。
焦る。

 

やっとのことで東名阪道路に入ったら、あとはスムーズであった。
前を行く車をすべて抜きながら走っても、
大した時間短縮にはならない。

 

先方に到着したのは、もう6時半を回っていた。
約束を大幅に遅れてしまったのに、先方の方が歓迎してくれたのが救いであった。

 

 

渋滞情報まで加味して、計算するNAVIの言うとおりに走った方が、
きっと、いいのだろう。とは思う。
それほど今のNAVIの情報は精度が高くなっているのだ。

 

だけど、どうしても自分が思ったことを優先させたくなる。
自分の判断の方が合っていると思いたくなる。
自力で考え工夫した方向に行きたいと思う。
NAVIの言われるがままに自分が行かされることに、もともと抵抗があるのだろう。

 

自分の考えで、自分の力で、自分で行動して、
自分を動かしたい。
自分の存在を確かめたい。
今までの経験からそう思っている。

 

自分を何らかのものに自らゆだねる事が嫌いなほうだ。
というより、それを怖いと感じる。
自分の身を人にゆだねることの怖さは、誰でも経験していることで、
特に私に限ったことではないが、特に私はそれが怖いと思っているところがある。

 

私の抵抗とは、そういうことなのかもしれない。

 

色々な意味で、色々な事を考えさせられた今日のNAVIへの抵抗であった。

 

あーくたびれた。
早くスカッとした晴れの日が続くといいなぁ

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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