谷 好通コラム

2004年01月03日(土曜日)

866話 快洗隊それぞれ

まず、刈谷店

 

年末を迎えるに当たって
快洗隊・刈谷店は、強い危機感を持っていた
去年までは、直営店はここ1軒だけだったので
年末、大晦日を控えた1週間ぐらいは
全国からの応援を独り占めし
大量の人数を揃え、7日間で430万円ぐらいのラストスパートを効かせていた
それで去年の12月洗車売上が718万円になった
約5年前にオープンしている刈谷店は
それだけのお客様が押し寄せてくれるだけの
大量のリピーターを持っていたからこそ出来る技である

 

しかし、今年は直営店が4軒になっていて
去年までのような大人数の体制を組めない
刈谷店絶体絶命か?
それでも、岡田マネージャーは888万円の目標を出してきた
「大丈夫かしらん?」と思ったのは私だけではなかったはずだ

 

頼りは「アクアキーパー」
http://www.sensya.com/aqua_keepre/news_index.html
これは新しい商品であって、マーケットにどれだけの反応があるのか分からない
しかし
11月中旬のミニキャンペーンで
アクアキーパーの確かな手応えを感じていた

 

そこで
12月1日スタート、12月23日期限で20%offのアクアキーパー新発売セールを
特定のお客様へのDMと
約3万枚の新聞折込で
ラッシュ前に勝負をかけたのだ

 

 

今年はあまり動員を掛けられないラスト1週間までに
どれだけの実績を積み重ねておくことが出来るのか
それが勝負の分かれ目だ
アクアキーパーの新しいチラシが
非常にインパクトのあるものであったことも効を奏して
刈谷店は12月末までで
アクアキーパーを37台、売上で108万円という実績

 

23日現在では、それまで天候が良かったこともプラスして
前年同月同日比で160万UPのプラスを蓄積できていた
狙い通りである

 

この分で行けば900万円
ひょっとしたら1000万円の数字も夢ではないと
色めき立ったのもこの頃であった
刈谷店ではもう年末が始まっているかのように
連日、スタッフは車を洗いっぱなし、磨きっぱなしの状態が続いていた

 

その頃
スタッフにはかなり疲労がたまってきていた
いよいよ、本格的な年末が始まって応援部隊が入り始める前々日
!!雪が降った!
そこで、
「本日、雪のため、14時まで休業いたします。」と
店を半日閉めてしまったのだ
すべての店を

 

スタッフが後日
「あの半日の休業が、ホントにいい休養になった」としみじみ言っていた
あれはあれで
良い判断であったと思う

 

 

いよいよラスト1週間前、応援部隊が入ってきた頃には
連日、洗車待ちの車で大行列の状態が続いた
お客様は、とめどもなく来店されるのだが
やはり人数分しか作業がはかどらなく、数字も上がって行かない

 

いよいよあと5日ぐらいとなった頃には
オーバーフローしている洗車待ちの車の移動に複数のスタッフをとられてしまい
洗車作業をすべき人数を食ってしまっている
焦っても焦っても、車が捌けていかない
その内、混乱してきて
仕上げのチェックが何度もダブって行われたり
かえって無駄も目立ってきた
このままでは、非常に苦しい状態だ

 

刈谷店元マネージャーの酒部
29日から、吹っ切ったように
完全な分業制のフォーメーションを組んだ
洗うスタッフ、磨くスタッフ、掃除するスタッフ、接客、車の移動をするスタッフ
全員に役割が割り振られ
日頃の仕事の上下など無視して、単純に作業能力で割り振って
分業を固定化した
非情のフォーメーション
しかし、結果的にこのフォーメーションは正解であった

 

前日の28日は
あまりにも溜まった洗車の待ち車をすべて洗い終わったのは、夜10時過ぎ
それでも、洗車売上60万円どまりで
焦燥感が皆の中に広がったものだ

 

29日からの完全分業制にしてから混乱が収まった
あとは、作業の人数分だけ車が仕上がっていく
その結果
夜9時までの作業で洗車売上70万円まで上がった

 

昨年は最高22人まで集まったが
今年は最終的に16人が集まったに過ぎない
それで去年の1日の最高77.7万円に対して
今年の1日70万円の記録は価値があるだろう

 

いずれにしても、23日までは図星の作戦で快調に飛ばしていたのだが
それ以降、特に27日以後の数字は
結果的に前年を下回ることになった

 

せっかく23日まで160万円の前年比オーバーを積み上げたのに
最終結果は前年比97万円オーバーの「813万円」(洗車売上のみで)
目標未達成の残念な結果となった
しかし
そんな状態でも「仕上がりだけは、絶対自信があります」と
言い切るスタッフたちに
私はそれだけで十分であるとも思った

 

前年よりも少ない人数で
やるだけの事をやっての未達成は、ある意味では立派であった

 

1台当たりの平均単価、6,830円/台は、刈谷店過去最高であり
アクアキーパーの影響が大きい

 

そして
人時生産性、4,759円/1人・時は、4店舗中最高であり
5年間の積み上げと、やはりアクアキーパーが効いている結果となった

 

ブラス
キーパー、515台(台数比43.2%)、366万円(売上比45%)
キーパー515台は
この店を育ててきたのがキーパーであり
キーパーへのお客様の圧倒的な支持を物語っている

 

刈谷店Mg岡田君と、究極のフォーメーションを作った酒部部長

 

 

知立店・半田Mgと、安城店・藤村Mgの闘いも面白いものがあった

 

知立店は今年3月にオープンの店、店舗面積は113坪
まったく新規に設計した初めての店舗であったので
設計が若干うまく行っていない
作業場での車の取り回しが非常に不便な形である
113坪という絶対的な面積が小さいことに加えて
この不便さは大きなハンディであった

 

知立店でも、安城店でも、23日までのアクアキーパー新発売セールをやった
もちろん北神戸店でもだ

 

知立店の結果
アクアキーパー 、27台、83.7万円
ここでもアクアキーパーが大変好調で、23日までかなりのハイペースであった
そしていよいよ年末が近づき
知立店にも応援部隊が入った
26日ぐらいの事
ここまで、安城店と抜きつ抜かれつで、必死で競り合うも
安城店に約20万円の差をつけられていた

 

この店は取り回しにハンディがあるので
応援部隊の人数は安城店より多い
全スタッフ合計で安城店が9名のところ、知立店は12名

 

本格的なラッシュが始まったら
知立店が、グングン売上を上げてきた

 

来店客が多いのは
オープン以来、9ヶ月が経っている強み
かなりのリピーターが出来上がっている証拠である

 

もう一つの理由は立地にある
知立店の目の前の巨大スーパーマーケット「アピタ知立店」
ラッシュが始まったら、当然お客様の待ち時間が長くなる
しかし、知立店では
「1時間半待ちです」
「じゃあ、アピタに行ってくるから、終わったら携帯に電話して」
ということで、どんどん車を置いていってくれる
その、膨大な数の待ち車を
店舗の裏にある200坪の駐車場が全部飲み込んでいくのだ

 

1台上がったら、また駐車場から1台持って来るという作戦だ
ただ、この作戦は体力がいる
とにかく、作業場を空いたままにしないように
片道はランニングで常に車を運ばなくてはならないからだ
その一番きつい仕事を
5?歳、当社最年長の池本管理部部長が終始やってくれた
彼は、社会人野球全国制覇のチームを監督してきたスポーツマン
それにしてもお歳がお歳だけに、と思いながらも
最後までやり通してくれたのは、さすがである
不利なレイアウトにもかかわらず、スパートを掛けられたのは
この作戦のおかげであり、半田Mgは池本さんに頭が上がらない

 

29日時点で、知立店は安城店を突き放し
完全な勝ち体勢
目標達成も完全に射程距離に入ってきて
半田マネージャーはこの頃には余裕であった
しかし
最後の大晦日は終日の雨
半田は焦った
しかし、お客様はどんどん来る
さすがに大晦日である
結果的には
洗車売上合計(668台)4,528,685円
と、薄氷を踏むような数字であるが
何とか目標450万円をクリア、達成である!
やはり、アクアキーパーあっての達成
ここでもアクア様様であった

 

洗車外収益を含めた粗利益計は、4,814,016円と500万円を少し切れた
12月後半は洗車外収益がほとんど消えてしまったのだ
洗車客があまりにも多いと
鈑金などのお客様が、なかなか入って来れなかったか?

 

しかし、年末に余分に応援を入れたのが響いているか
総労働時間、1,440時間、人時生産性、3,343円/1人・時
は、少し残念であった
今年からの課題である

 

 

次に安城店
今年8月オープンの160坪の店舗である
店舗的(160坪)には、知立店よりかなり恵まれている
しかし、所詮オープンしてからわずか4ヶ月(H15年8月オープン)
リピーターの絶対的な数がまだ足りない

 

そんな安城店には
まったく新しい客層を呼び込むことになったアクアキーパーは
非常に効果的であった
アクアキーパー 、31台、94.0万円
これは刈谷店にあまり変わらない良い実績で
この効果もあって
安城店は25日ぐらいまで知立店を完全にリードしていたのだ

 

しかし、その頃から始まった本格的なラッシュは
知立店、刈谷店が閉店時間をオーバーして続いていたのに
リピート客の固定化が進んでいない安城店では
夕方6時ぐらいになると客足が止まってしまうのだ
年末のラストスパートがまったくかからない

 

28日には数字的に、知立に完全に置いて行かれてしまった
また、それ以前から、夕方には暇になってしまうということで
安城のスタッフは、非情にも刈谷などに応援に持っていかれてしまうのだ
明らかに人数的には劣勢だ
それを見た専務は、「俺は安城に入るよ」と言って
朝からラストまで安城に張り付いた
しかし
土壇場の29日
もう最後に近いということか
大ラッシュが安城店を襲い
41.7万円という実績を出し、それまでの記録を大きく破った
知立店に少し追いつく
28日にも34.3万円のギネスを出したばかり

 

これは、ラッシュ時の車の取り回しを
27日時点で大きく変更したことも響いている
変更に力を貸したのは関東営業部の鶴見部長

 

私は、27日の朝、安城店に行き
「今日はコントローラーを藤村マネージから鶴見部長に交代するように」と指示した
当然、藤村Mgは反発した
「この店でのコントロールはボクの方が慣れている。
こんなラッシュの時点でのコントローラーの交代は納得できません。」

 

ラッシュ時のコントロールは
平常時のコントロールとはかなり違うものだ
ずっとその店舗でコントロールをしてきた者には
その平常時のパターンが身についてしまっていることで
かえって、ラッシュ時のコントロールへの切り替えが出来なくなっているものなのだ
だから、安城店でのコントロールの経験がまったく無い鶴見部長に
ゼロから、ラッシュ時のコントロールを作らせようとしたわけだ
鶴見なら1時間でそれを掴むことが出来ると思った
彼もそれを快く引き受けてくれた

 

鶴見部長も、最初は慣れていないので
多少混乱したが
それでも、1日頑張って
何とかラッシュ時のコントロールと車の取り回しのルールを作り上げたようだ

 

翌28日には34.3万円と記録を伸ばした
その夜、藤村の電話
「いい勉強になりました。今日はスムーズで混乱も無く
気が付いたら今までの最高記録が出ていました。
30万円の昨日より、今日の方が楽なぐらいでした。」

 

そして、29日には41.7万円のギネス

 

安城店は大きな収穫を得たようである
ただ単に年末のラッシュで売上が上がっただけでなく
突破できなかった限界を、大きく引き上げることが出来たのだから
最高の勉強をしたのだ
安城店・藤村Mgは、そんな苦労をしながら
何とか目標だけは達成しようと、必死であった
しかし、31日は雨
朝、がっかりした声をしていたのだが、彼は諦めていなかった
お客様の入りもマアマアだそうだ

 

夕方、事務所にいた私に藤村から電話が入った
「社長の車、アクアキーパーやらせてください。お願いです。
やらせて下さい。
もうすぐ店が終わりますけど、ボク一人でやりますから
絶対きれいにやります。
お願いします。」

 

どうやら、もうちょっとで目標に行くところまで来たようだ
しかし、私は、身銭を切っての店の売上に協力は、しないことにしている
どうするか・・・

 

ずいぶん迷ったが
「今度だけだぞ、俺はそういうことしないんだから」

 

で結局
洗車売上合計(738台)4,501,958円
首の皮一枚で450万円の目標を達成!

 

粗利益計、4,648,003円
総労働時間、1,132時間
人時生産性、4,106円/1人・時

 

安城店は、人数が少なかったので
結果的に知立店よりはるかに人時生産性が良かった

 

(安城店の待合室は、中がオレンジ色でユニフォームの色が青に写らない)
ガッツ!

 

 

知立店・半田マネージャー
安城店・藤村マネージャー

 

快洗隊の目的は「上質な洗う。磨く。掃除の商品でお客様に喜んでもらうこと」
しかし、その目的をより達成するには
一つ一つの“目標”を達成していくことで実現できるものだ

 

その意味で
この二人の目標に対する達成意欲は見事なものであった
この成功体験は
二人にとって、会社にとって
大きな収穫であった

 

すべてが終わって、みんなで祝杯を挙げたとき
ふざけて、半田と藤村は、闘志むき出しのポーズをとってくれた

 

 

最後に北神戸店
この店も300万円オーバーで一定の成功をすることが出来た

 

しかし、今日はここまでが私が限界なので
また、明日書きます。
もっともっと書きたい事もあるので
北神戸店のことも含めて、また明日書きます。

 

とりあえず、愛知県の直営店?快洗隊にみんな、ご苦労様でした。

 

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