谷 好通コラム

2003年12月10日(水曜日)

850話 ニワトリと卵は

前話の続きを書くことになっていたが
今日はとてもうれしい事があったので、そのことに関連した事を書くことにしてしまいました

 

「ニワトリが先か、卵が先か」
どちらとも言えない話のたとえとして、よく使われる言葉だ

 

この結論は、文句なしにはっきりしている
絶対に“卵が先”である

 

ニワトリは、ニワトリになるべき遺伝子を持った卵からしか生まれない
しかし、その卵はニワトリ以外の鳥から産まれる事が出来る

 

生物は、“淘汰”と“突然変異”の結果、進化してきた

 

それは
Aという生物が
“有性”生殖によって
その子を身ごもったときに
その子は母親とも父親とも違う遺伝子を持っている事が
進化の大前提なのだ
だから
その子は、淘汰の一区切りとして、あるいは、突然変異の結果として
Aとは違う“種別”の遺伝子Bを持っていることすらある
(生物は、“無性”生殖の時は<突然変異の偶発的な遺伝子の変化による
偶然の進化を得ることしか出来なかったが
有性生殖に進化したとき、劇的に進化の速度が速くなった)

 

人間が意識的に偏りを持たせた交配をさせ、遺伝子の選択的な偏りを作り出して
Aとは違う遺伝子Bの子を作ることも出来るし
あるいは偶発的な突然変異を作為的に作り出して
遺伝子Cを作り出すことも出来る
犬、猫、家畜などは、そんな方法で何百種類の犬種が作り出された
それを品種改良と言う

 

「ブルドック」「パグ」「チワワ」「レトリバー」「テリア」などなど純血種と言われる犬種は
偏った交配によって作り出された
偏った遺伝子の固定とも言える

 

最初のパグを産んだ犬は、パグではなかった
最初のレトリバーを産んだ犬は、レトリバーではなかった

 

「ニワトリと卵」、これは卵が先なのだ

 

これを原因と結果
あるいは行動と結果という言葉に換えて考えると
面白いことに気が付く

 

原因は、原因とは違う結果を産み出す

 

ということになって
すべての結果は原因によって生み出された物
そんな必然の法則を破ってしまう

 

しかし考えてみれば
ニワトリと、産んだ卵が遺伝子的に違う事があるから
生物としての進化があるように

 

原因からすべての結果が固定してしまうわけではない

 

だからこそ
自分が与えられた、自分の環境と言う原因に縛られずに
自分自身の行動による結果の可能性に大きな幅があることを
そして、それによって私たちは自分の一生の中でも進化できることを
気づく

 

行動は、その行動の目的とは違う結果を生み出す
一つの行動から導かれる結果が必ずしも同じ結果に結びつくものでない

 

だからこそ
行動の目的が、その行動によって達せられないのなら
違う行動を取れば、その目的を達成することが出来るかもしれない
そんな“やり直し”が許されていることにもなる

 

一度失敗したことで
その行動の“目的が間違っている”と諦めることなど必要ない
その行動が間違っているかもしれないのだ
むしろ、そのことの方が圧倒的に多い
その行動の方法が間違っているかもしれないのならば
行動そのものを変えればいい
あるいは、方法を変えればいい
その選択によっては、その目的を達することが出来る事がある

 

目的を達する行動を見つけたとき
その目的を達するためには、どのような行動をすればよいのか
学習したことになる
学習とは、人生の中においての進化そのものである

 

あらゆる生物が進化の結果、生まれたものであるように
あらゆる成果は、学習の上に生まれるものである

 

新しい文化を創るべく
活動を始めた者達が
その活躍の場所を見つけようと、たくさんの時間を費やした
最初のころは
思ったような物件が一向に出てこず
しかも、自分をまったく信用してもらえず
今の自分の存在の不安定さも手伝って
不安が募り
自分の行動そのものに疑問を持ったことも度々であったであろう

 

しかし、彼らは学習した
失敗するたびに学習した
信用してもらえなければ、いい物件を出してもらうことは難しい
では、自分を信用してもらうためにはどうすれば良いのか
色々考えて
色々作って、色々揃えて
まず、体勢を作りながら
何度も何度も繰り返し依頼し、情報を精力的に集め
学習するたびに、その目的に対する力を蓄え
ついに、十分に納得できる物件を揃えてきた

 

最初は
誰も相手にせず、余っていたクズ物件しか紹介してもらえなかったものが
今では
コンビニとか、外食産業の不動産担当の猛者が目を付ける前に
まず、自分のところに物件が紹介されるまでになった

 

最初の物件探しでここまで出来たのは
彼らが短時間に恐ろしく学習し、進化した証拠であろう

 

活躍の場がはっきり見えてきて
ささやかな祝杯を
4人で4,070円の祝杯を、お互いに少ない時間の中で上げた

 

 

「ニワトリと卵」は、卵が先なのである
だから、生物は人間にまで進化した
そして
他の生物は、生殖を繰り返すことでしか進化できないが
人間は、学習することで
ひとつの人生の中で、果てしなく進化できる
そこが人間の素晴らしさであり、大きな可能性なのだ

 

「のぞみは、かなう。」

 

自分の夢を、実現する者
恐い物無しである

 

 

体は細くても、声は優しくても
夢をかなえる人は、きっと強い人
自分を甘やかさない人

 

 

今日の夜、遅い列車の中で
一通の電話で、またひとつ、大きな夢がかなった
幸せである

 

 

やっぱり、のぞみはかなうのである

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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