谷 好通コラム

2003年11月02日(日曜日)

831話 私はノ‐スアップ

昨日、FC本部の酒部と共に長野市に行った
会社から約300km余
往復600km以上を二人交代で運転する
日帰りである

 

せっかく遠いところまで行ったのだから
平日ならば
長野の色々な方にお会いすることを考えるところだが
土曜日でもあったし、用件が急ぎのことであったので
とりあえず、一件の用件だけで日帰りをしたのだ

 

乗っていった車にはNAVIが付いていない
久し振りにNAVIの付いていない車で長距離運転をした
NAVIに慣れてしまっていた分
実に不便に感じた

 

会社の社用車には、ほとんどNAVIが付いていない
「やっぱり効率を考えると、NAVIは全車に付けたほうがいいのかなぁ」
ふと、そんなことを考えた

 

会社を出て“名古屋高速”を経て、名神高速の小牧IC、小牧JC、そして中央高速
あとは淡々とアルプスの山の麓を北西に走る予定なのだが
小牧ICと小牧JCで渋滞にあった
三連休の初日
しかも、紅葉の季節で、大量の行楽客が出てきたらしい

 

NAVIのVICSがあれば渋滞の中でどれだけ進んだか判るが
NAVIがないので、ひたすらジリジリと渋滞が開放されるまで進むしかない
しかし、NAVIがあっても、渋滞を早く抜けることが出来るわけではない
ひょっとして迂回路をNAVIが示したとしても
きっと一般路には降りなかっただろう
(乗っていた車がマニュアルの車だったからか?)

 

“多治見”を過ぎて、やっと渋滞から抜けた
30分ほどのロスであろうか

 

このロスがあって、長野到着がどれぐらいの時間になるのか
NAVIがあれば大体判るが、NAVIがないので頭で計算するしかない
しかし
NAVIの到着予想は、高速道路を平均80km/hで計算するので
実際は予想時間よりはるかに早く到着する
(イイじゃありませんか)
一般路は平均30km/hで計算される
田舎道のスムーズな道でも、都会の信号だらけの道でも同じ設定である
走る時間によっても、平均時速はまったく違う
つまり
経験で感じる到着予想時間の方が、NAVIの予想よりはるかに実際的なのだ

 

話を戻す
中央高速を約250km、長い高速道路の走行
NAVIがあれば、到着地まであと何kmとリアルタイムで表示され
一生懸命走っているものにとって励みになる

 

しかし
高速道路には、現在走っている場所から主要な到着地までの距離が
随所に表示されている
NAVIが無い事に慣れると、別にそれで不便を感じなくなるし
その途中の目安になるインターの距離も同時に判って、なかなか便利である

 

刈谷を出発して約1時間半
全長8km余の“恵那山トンネル”を抜けると
山の様相がガラっと変わる
それまでは紅葉が始まったばかりで、比較的、緑が多い山であったのが
恵那山トンネルを抜けたとたんに
紅葉が進んだ山
赤、黄、朱の絨毯のような木々の山に一挙に変わる

 

 

この頃には、NAVIが無いのはまったく気にならなくなっている
この日、長野に乗っていったのは
ホンダ・インテグラTYPE-R
私のプライベートの車
来年は何とかして、クラス4仕様のインテグラでスーパー耐久に出場したい
そこで、普段も同じ車に乗って
シフトチェンジの感覚に慣れておくことがいいと思ったから
51歳のおっさんが乗るのは、いささか恥ずかしいが
思い切って買った
新車ではないが、新車同様で、無理を言ってかなりお安くしてもらった
(いくらであるかは、絶対に言わないように口止めされている)

 

だから、走るための物しか付いていない
NAVIどころか、ラジオも無い、灰皿すら付いていない

 

 

この車は
そのままでもサーキットに通用するだけの足回りを持っている
カーブが非常に多い中央高速
きびしいカーブが続くが
しかし、基本的には
大型トラックが100km以上で進入しても安全に出来ているカーブ
その気になれば150km以上でもまったく不安を感じない
ただし、中央高速はほとんど80km制限。150kmなんて・・・・決して出していない・・
(オービスに引っかかっても絶対に捕捉されない安全な速度で)
淡々と中央高速・長野ICまで走りきった

 

長野ICから目的地までは一般路で数km
2回目の訪問先なので
きっとNAVI無しでも行き着くと思ったが、やっぱりダメであった
途中で鶴見部長に電話をして場所を聞き、やっとたどり着いた
わずか数kmでも
前回NAVIで誘導された道は、ほとんど覚えていなかった

 

私はNAVIの画面設定を“ノースアップ”にしている
自分が
今、何所を
どの方向に向かって走っているかを
把握していたいので“ノースアップ”にしている

 

ノースアップとは
北の方角を、常に画面の上に固定して
車のマークがその中を右(東)に行ったり
左(西)に行ったり
画面の中を走り回る
(実際は画面が動くのだが)

 

もう一つの設定が“ヘッドアップ”
車の進行方向を常に上に向けておく設定
車が方向転換をすれば
画面上では、画面が回って
車は、やはり真っ直ぐ上を向いたままである

 

ヘッドアップ設定の利点は
なんと言っても、誘導されやすいこと
NAVIで誘導してもらうときに、目の前のことが見ているように表示され
誘導に対し、非常に対応しやすい

 

ノースアップはその点、ちょっとややこしい
自分が向かっている方向は、東西南北そのままに表示されるので
次の交差点を右に行くのか、左に行くのか
頭の中で整理しないといけない

 

しかし
ノースアップでは自分がどの方向に向かっているかが判るので
自分が何所へ行こうとしているのかが
全体図として把握しやすい

 

その点、ヘッドアップは
目先の右左はわかりやすいが
自分が何所を走っていくのかは、非常に判りにくい
何度目的地に行っても
自分が何所を通って、その場所に行き着いたのか
憶える事がちっとも出来ないという致命的な欠点を持っている

 

前回はノースアップでの誘導で目的地に着いた
それでもNAVI無しでは、今回は行き着けなかった
それがまして、ヘッドアップでは誘導されたのでは、いつまで経っても
行き先までの道程がどうなっているのか
ちっとも憶えることができないと思うのだ

 

それが、私が社用車にNAVIを付けたがらない理由なのだ
新しい場所に早く行きつくには、NAVIを使った方が効率的であるに決まっている
しかし、いつまでもNAVIで誘導されているだけでは
結果的に、地域の地理を覚えることに全くならず
すうっとNAVIだより

 

NAVIを設定する時間だって馬鹿に出来ない
いつまで経ってもNAVIに頼っているだけでは
実際に効率的な動きなどで気やしないのだ

 

人は便利なものであれば
つい、目先の楽を取ってしまうもの
ヘッドアップでNAVIを使っている人が圧倒的に多い事を考えると
社用車へのNAVI導入を
やっぱり、ためらってしまうのです。
どうしたものでしょうか。

 

長野の用件とは快洗隊を作ること
この話は、あるSSマネージャーの熱心な快洗隊への思いが
とうとう会社を動かして
実現に進みだしたもの

 

 

大したものです。
そして、その熱意を受け入れ
実現のための努力を発動したこの会社も、大したものだと思うのです。

 

長野からの帰りは夜になってしまった
帰り、長野市を一望する“姨捨てサービスエリア”から

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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