谷 好通コラム

2003年09月12日(金曜日)

はじめまして、アイビー石油の馬場です。

私は、今から上海に行きます。
快洗Taoるが大好評で、製造が間に合わず、発売早々欠品続きで、全国の皆さんに大変ご迷惑をおかけしています。
そこで、上海の陶さんに、何とか増産体制を組んでもらおうと
直接、交渉に行くのです。

 

そのこととは別に、今日は、熊本から寄稿された記事を覧いただきます。

 

※9月25日号に掲載のため
素晴らしいSS経営で全国的に有名な
熊本本社「?アイビー石油」さんの馬場社長から
快洗隊「那珂川店」オープンにあたっての原稿を送っていただきました。

 

インターネットをご覧の皆さんに、リアルタイム特権として
その文章をお読みいただこうと思いました。

 

 

(以下、馬場社長からの記事)

 

 

はじめまして、アイビー石油の馬場です。

 

去る7月17日、熊本の白藤、松橋SSに次ぐ3店舗目の店として、福岡県筑紫郡那珂川町に「那珂川SS」を新規オープンしました。
我社のような零細店にとって県外への出店は管理、及びコスト等の点からみても非常に不効率で相当迷いましたが、福岡というマーケットの規模の大きさと、店長の中村の可能性に思い切ってかけてみました。

 

那珂川SSの商圏は、福岡県南の郊外で新興住宅街です。
メンバー構成は、所長に白藤SSの所長だった中村所長を又主任には松橋SSの倉岡、後のスタッフは全て現地で新規のアルバイトさんを採用しスタートしました。
最近の新規店は殆どがセルフサービスの大型店の中、那珂川SSは250坪の、しかもフルサービスという時代を逆行するようなお店で、お客様からも「今時、めずらしいね」と言われます。
しかし、私のような零細企業には大型のセルフサービスの新規出店は難しく、又、今後のセルフは元売資本、又は大手流通の異業種が中心になると思われ、施設力や価格対応力等、資金力で、とうていかなわないと思ったのです。

 

私見ではありますが、私はSSという業種を小売業と見るか、接客業と見るかで方向が決まるものと思います。
もし小売業としてみるのであれば、答えは、大量販売を目的としたセルフです。他のどの業種をみても小売業は最終的には、殆どセルフサービスです。そして、その殆どが大手流通業者か、フランチャイズのチェーンマーケットになるとおもいます。
しかし、接客業として見れば、答えは高付加価値販売を目的にしたフルサービスです。
そして、それは私達みたいな小規模業者の土俵だと思います。
ですから、大量販売を目的にせず、高付加価値販売を目的とした那珂川SSには、広い敷地(例えば350坪以上とか)は人の動線やデッドスペース、又、照明の電灯費等、無駄が多すぎます。
又、今後人口の減少に伴い今までのような右肩上がりの販売は、期待できず少ない販売量の中での収益確保も視野に入れる必要があるからです。

 

そういった理由も含めて那珂川SSのオープンにあたっての運営コンセプトは、人にしか出来ない、人間力(魅力)を最大限に生かした楽しい店(真のフルサービス)作りと、洗車を中心とした、高付加価値(専門店)で、お客様に喜ばれるSSとしました。
そこで、快洗隊の導入は絶対に欠かせませんでした。
もともとアイビー石油は、これまで熊本の白藤、松橋両SSとも洗車を油外収益の柱に置いた取組みをしてきました。
何故なら、まず洗車という商品特性が他の油外商品(オイル、タイヤ、バッテリー、車検)
と比べお客様の利用頻度が圧倒的に早い為、SSの利便性を生かし固定化しやすいので収益が安定し油外の柱になるからです。
又,谷社長もいつもおっしゃるように、他の商品が車にとっての必需品に対し、洗車はお客様にとって欲求商品である為、価格は他店の価格ではなく、自店のお客様の満足度合いで決まる。つまり、給油目的以外の固定客を作りお店自体の価格競争力を作るからです。

 

しかし、両SSともキーパーを月平均1店舗あたり190台以上実施してるのに拘らず、洗車売上実績は、平月150万円/月でとどまり、なかなかそれ以上は上がりません。300万円を超えるのは12月のみです。
私は以前サラリーマン時代から、アイタック技研のキーパーと谷社長の洗車理論のファンで、キーパーは10年程前から取り組んでいました。
ですから、3年程前から熊本の2店舗も、快洗隊を真似て快洗市場(99.8%のコピー)という名前でやっていました。
しかし、いくら頑張っても目標の200万円/平月に届きません。
原因は、谷社長からも指摘を頂いた、恐らく洗車チケットの販売です。
洗車固定客を作る目的で2店舗とも、スタートからチケットの販売に取り組み、今では毎月コンスタントに150冊/月以上のチケットの販売を両SS共にやっています。
その結果、固定客作りには成功したものの逆に台単価を落とし、皮肉にも150万以上は上がらない店を作ってしまいました。

 

利益=客数*客単価―コストです。
したがって利益を上げるには客数拡大か客単価の向上です。
これは、SS経営にも当てはまります。
連洗のセルフ洗車(SSであればセルフ)であれば何台洗っても人件費(コスト)は変わりません、しかしアテンド洗車(SSであればフル)は必ず人件費が同時に増大します。
ですから、連洗であれば台数を、人が仕上げるのであれば台単価を上げなければ、利益にはつながらないのです。
アテンド洗車で台数を追えば、効率が悪くなるばかりか、質が落ち台数も単価も落ち悪循環に陥ります。勿論、チケットが全て悪いとは思いません、問題はその割引率等にあったと思います。
しかし、一番の問題は洗車に対する考え方の基本を忘れていた事です。
先程、冒頭申し上げた様に洗車は欲求商品であって、燃料油のような必需品では無いと言う事です。
したがって、洗車の本当の固定化は価格を下げる事ではなく、洗車そのものの価値を上げる事なのです。
その一番大事な事を忘れ、全く異なる商品の燃料油販売と同じ感覚の増販法をやってたからだと思います。
だから、結局SSなりの洗車に、仕上がりも実績も終わっていた。快洗市場と快洗隊は名前は似てて、真似をしていても実は全く違っていたと言う事でした。

 

そこで、那珂川SSはもう一度謙虚に原点に戻り洗車屋快洗隊としてスタートしました。
実際やってみれば、見るとやるとでは大違いで、洗車に対しての拘りが全く別物でした。
それと、もうひとつ手洗い洗車専門の快洗隊を始めた理由として、すぐ近くの競合店にガソリン89円、洗車100円のSS(フルサービス)の存在です。
その様なマーケットで価格や数量(台数)で対抗しても結果は目に見えてます。これは那珂川SSだけの問題ではなく、今後セルフSSが近隣に出店した場合どこにも言える事だと思います。先行してそのような店があればそこに同じ販売形態で勝とうと思えば相当なエネルギーとリスクがかかります。
逆に言えばこのマーケットに、本当に仕上がりで満足出来る店を求めるお客様にとっては絶好の店を作れると思ったからです。

 

結果、分かった事は、実際に今まで思ってもいなかったお客様の存在です。
クリスタルのフルコースのお買い上げ頂いたお客様がその翌日また洗車にみえたり、乗用車にホワイトキーパーをお買い上げ頂いたお客様がつぎの来店時には、軽トラックで来店され、同じくホワイトキパーをご注文頂いたりとか、まだ少ないですけど今までの常識では考えられない様なお客様もいらっしゃると言う事です。
まだまだ目標の実績には程遠いですが、洗車収益を追うのではなく、お客様の大事なお車を一生懸命に綺麗にしお客様に喜んで頂く事が那珂川SSの本当の目標として取組み、今の洗車に対する想い、又スタッフの今の気持ちの鮮度を落とさない様に、更に訓練を重ねていってもらいたい。
そうすれば、必ず目標に到達出来ると思います。

 

最終的には、洗車、車販,車検、板金、作業収益を中心に取組、従来のオイル、TBASP
等は販売が目的ではなく、あくまでお客様の安全走行のお手伝いとしての点検の延長上について来る形で、大量販売出来なくとも高付加価値販売、高収益販売の店を作り、今、大型のセルフばかりの中で希望を失いかけている我々のような零細店にとって勇気が出るような店を作ればなーって思っています。
またそれによって、中村店長はじめ倉岡主任、吉野、津野、青木、権藤、大原、近藤、中村、彼らがお客様と共に喜んで貰え誇りを持てる店を作りたいと思っています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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