谷 好通コラム

2003年07月17日(木曜日)

755話 土壇場クソ度胸

名古屋から北九州・小倉への新幹線の中
約3時間の行程だが、こういう時にはたいてい嬉々として原稿書きをするのだが
しかし今日は
これを書き始めたのが
やっと、新神戸を出たころ
なかなかエンジンが掛からない

 

列車に乗って
まず弁当を食べて
歯を磨いて
トイレに行って
一眠りしてしまった

 

私は新幹線とか飛行機でほとんど寝ない
しかし、今日は少し寝てしまった
隣に座っていた老婦人が新神戸で降りるときにやっと目が覚めた

 

少し疲れ気味かなぁとも思うが、このぐらいのときが一番調子がいい
・・・・はずであったが
体の根っこの部分が重い感じがする
これは歳のせいだ

 

手帳には、ほぼ2週間先までの予定が詰まっており
うんと先の方の日時にも予定が点在している

 

自分が作った予定をこなしながら
また、先の予定を入れていく
それでもなお、もう詰まっている予定の隙間にも、もっと細かく予定を押し込んでいく
毎日がその連続で
そうしていても、予定が突発的に変わったり
ハプニングに翻弄されたりもする

 

そんな風に書くと
いかにも、激務をこなしていて
疲れ切っているように思われるかもしれないが
実は反対であって
あらかじめ自分で作った予定なので
それを、こなして行けば
目的が実現していくことになる
「労多くして、実り少ない」という一番疲れるパターンにはならないのだ

 

スケジュール自体は、決して楽なものではないが
それを立てたのは自分であるので
非効率的な、消耗してしまうような組み立て方はしていない
その一つ一つの予定がこなされていく度に、達成感を感じることも出来
精神的にはまったく疲れない
それより突発的な出来事の方が
よっぽど疲れる

 

肉体的には、私のデブッた体を見て分かるように
大したことはないし

 

予定の立て方には一つのコツがある
時間刻みで最初から予定をきっちり詰めていくと
一つ予定が狂っただけで、そのすべてがガタガタになってしまう
だから
大まかな予定をザクッと入れておいて
間近になってから、こまかく時間をつめて行くのだ
こうしておくと、相手の予定もかなり固まってきているはずなので
滅多なことで予定が崩れることは無い

 

それでも、予定は予定でしかなので
思ってもいなかった事態になることもあるが
最後は、土壇場のクソ度胸
慌てたりさえしなければ何とかなってしまうもの

 

 

快洗隊のオープンについても同じように、
(誤解を恐れずに言えば)
前日までオープン日を決定しない

 

準備がすべて整って
「そろそろいいかな?」ってところで
「じゃあ、明日からやろうか」なんて感じでオープンしてしまう
店を開くのはそんな感じ
それから、一生懸命、みんなで練習をしながら
ボツボツ入ってくるお客様の車を洗わせていただく

 

その間に、スタッフの技術的習熟と
店舗の不具合の修正をするのだ

 

オープン時には、新聞折込みチラシも入れるが
オープンを特定する“日時”を刷り込んでいない
天気予報を見ながら
一番具合のいい時を見計らって
えいや!っと「オープン!」のチラシを入れる

 

だから、おもむろに営業を始めて
お天気などの様子を見ながら“販促投下”で、オープン!とやってしまう

 

洗車屋は、お天気がものすごく重要な要素になる
だから
いくら前もって日時を決めても
その日に雨が降ってしまったら、すべてが台無しになってしまう
そんなリスクを犯してまで
オープン日時を決めてしまう必要性も無いのだ

 

お天気が良さそうな日を見計らって
えいやっ、とオープンなのだ

 

ガソリンスタンドの場合はそうは行かないようだ
私も、昔からたくさんのガソリンスタンドのオープンに立ち会ってきたが
前もって決められたオープン日に向けて
全員が一丸となって突進する

 

オープンこそ、スタンドの命とでも言わんばかりに
すさまじいまでのパワーを結集し
オープン日に向けて突っ走る

 

オープン2・3日前ともなると
あれが足りない
これがまだ届いていない
何が出来上がっていない
あいつに頼んだものがまだ来てないぞ!

 

オープン日が迫ってくると
みんなピリピリしてくるのだ
疲労もたまってくる

 

そんな時、「くそったれ~」と大声を出して
パニックになっているのが私であった
予定通りに物事が進まないと、頭から湯気を出してイライラしてくる
私のパターンであった

 

今考えると、情けない限りである

 

(今、福岡から帰ってきた)
今日は小倉で大切な仕事をした後、福岡に行って
明日オープンのアイビー石油さんの那珂川店を訪問した

 

この那珂川店の建設は、途中までトラブル続きで
工期が遅れに遅れ
やっとのことで完成に漕ぎつけた

 

アイビー石油の馬場社長は超有名人
工事完成ギリギリまで
全国を講演で飛んで回っていて、行った先で携帯電話を掛け捲って
色々な指示を飛ばしていた
10日ほど前、講演のついでに快洗隊部分をどうするかの相談に
アイ・タックに来てくれたときもそうであったから
他でもそうであったのだろう

 

あんなにドタバタしていたのだから
オープン前日の那珂川店は
ピリピリの絶頂かと思っていた
が、意外にも静かであった

 

スタッフの人たちは全員ポスティングに出ているという
誰もいなくなった那珂川店

 

 

17日、まずスタンド部門のオープン
25日に快洗隊オープン
そのつなぎの為のお化粧を、グリットの吉田君とアイ・タック福岡の平山君が
一生懸命やっていてくれていて
ダイフクユニックス福岡のメカの親分宮田さんが
少し手直しをしてくれていた

 

 

まだまだやり残していることがいっぱいあって
本当は焦っているのかもしれない時
馬場社長は、いたっておだやかであって
焦ってジタバタしているそぶりなど、まったく無い

 

ジタバタしたって
出来るものは出来るし、間に合わないものは間に合わない
全力でやってきたし
明日からも全力でやるだけ
長~い長~い商売が始まるのだから
ジタバタしたってしょうがない
そんな感じか

 

みんなが焦ってしまいがちなとき
リーダーが落ち着いていることが、一番肝心なのだ
大変勉強になりました。

 

かつての、オープン前日の私と、えらい違いである
自分の昔を思い出し、思わず赤面してしまう

 

撮られるのを嫌がる馬場社長と奥さんを
無理やり写真に撮った
恒例のポスティングスタイルの馬場社長と、チャーミングな奥さん

 

 

どんな場面でも、決して人に対する心配りを忘れないご夫婦
彼の大物振りを目の当たりにした

 

土壇場のクソ度胸
「馬場一浩、大したやっちゃなぁ~」と思わずつぶやいた

 

クソ忙しい吉田君
わざわざ日帰りで福岡までインスタント看板を張りに来てくれた
平山君に手伝ってもらい
夕方、やっと出来上がった
ご苦労様でした

 

 

私は、明日上海に行かねばならない
オープンの様子を見ることは出来ないが
大成功を祈るばかりである

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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