谷 好通コラム

2002年12月14日(土曜日)

593話 持って帰る食事

50歳になってから
法事などに忙しい

 

親父が生きている時は
法事など親戚付き合いは、すべて親父がやっていた
親父も退職してから、暇を持て余していたようなので
そういう事に出て行くのも
けっこう親父の楽しみの一つになっているのかな、と思って
全部任せてしまっていた

 

しかし
亡くなって以降、私が自分で出るようになって
親戚付き合いを親父がやっていてくれたことで、私がどんなに助かっていたか
しみじみと解かってきたのだ

 

今年は、毎月必ず一回は、何かの法事があったような気がする
それに加えて、法事とは逆のめでたい結婚式も7回もあった
こりゃ大変だ

 

しかも、それぞれの地域によって習慣がかなり違っていて
いまだに戸惑うことが多い

 

今日も、三重県のおじさんの49日、忌明けに行ってきたのだが
私は礼服に黒ネクタイの喪服スタイルであった
名古屋では、それが当たり前
ところが三重県では、忌明けは普段着で良かったのだ
喪服スタイルは私一人

 

その逆もあった
刈谷は三河なので、忌明けは普段着と聞いたので
背広で行ったら、みんな礼服姿であった

 

その他にも色々有って

 

法事あとの食事を
食べるかどうか

 

普通、法事が終わったら料理屋さんに行って、みんなで食事をするが
田舎では、自宅で食事が出る
仕出屋さんからの料理だ

 

以前、法事に出たとき
私は、それを当然のようにパクパクと食べて
ペロッと平らげた
しかし
周りを見渡すと、みんな遅々として料理を食べない

 

「みんな食べるのが遅いなぁ~」と思っていたら
結局最後まで、みんなほとんど食べない
そして、食事会が終わりかけた頃
プラスチックの“折り”が配られて
みんないっせいに、残った料理を詰めはじめた

 

出された料理は、持って帰るのだ
ここでは

 

なのに、私は一人だけ、全部食べてしまった!
恥ずかしかった

 

食べるのか、持って帰るのか
どの場合がどちらなのか、私には解からない
だから
私は用心するようになったのだ

 

料理が出たら、まず“刺身”を食べる
刺身は生ものなので、持って帰ると危ないので
持って帰る場合でも、刺身はそこで食べてしまうものなのだ
まず、刺身を食べながら
みんなの様子をうかがう

 

みんなが刺身を食べていて
他がまるっきり残っているのに、刺身の“ツマ”まで醤油に着けて食べ始めたら
これはもう、持って帰るパターンなのだ

 

私は、何回かの法事で“学習”したのである

 

今日の法事はどうか
食事が出た時、私は注意深く観察した
もちろん刺身を食べながら

 

案の定、みんな刺身をまず食べている
斜め隣の人が、刺身のツマに醤油をつけてご飯を食べた
(飲酒運転の罰金が上がってから、あまりビール・酒を飲む人がいない)

 

決定である

 

私は、みんなと同じように
他の料理に手をつけず
仕出し料理の器とは別に出されている漬物などで、ご飯を食べた
そして
みんなと同じように、料理をパックに入れて
持って帰ってきた

 

一人だけペロッと料理を食べてしまうようなカッコ悪いことを
2度はしないのである

 

親戚付き合いを、親父に全部やってもらってきたツケを
50歳になってから
一生懸命払っている私である

 

そして、親父はこういう席に
何十回、何百回と出てきたのだなぁ、と
そんな感慨も持ちながら

 

みんなと同じように、持って帰ってきたお料理

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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