谷 好通コラム

2002年11月02日(土曜日)

561話 オーストリアから

オーストリアからの訪問客があった
オースト“ラ”リアではなく、オーストリア
ドイツの隣の国である

 

先回、ドイツのアウトメカニカで
知り合った方で
非常に面白い商品を扱っているブースにいた方
日本人である
このコラムの「522話 一生懸命話した」に出ていた
あの紳士である

 

今小路(いまのこうじ)という貴族のようなお名前
関西大学を卒業後
2年ドイツに留学してドイツ語を覚え
日本に帰ってきてから
大阪での万博の時
オーストリア間の職員であったオーストリア人の女性と結婚
色々ないきさつの後
大阪船場にあった自分の立派な会社を、弟に譲って

 

奥さん、子供と共にオーストリアに住まいを移し
今に至っているそうだ

 

日本の大手商社
名前を出せば誰でも知っている有名商社の代理人を務める会社を
オーストリアで経営している

 

かなりの大物である

 

立派な風格ではあるが
決して威張っていたりはしない
いつも笑顔を絶やさず
身のこなしもいかにも紳士であるが

 

大阪出身であるだけに大阪弁のイントネーションが
むしろ柔和な感じを漂わせる

 

来て頂いた時は、拡大部長会議の最中で
早速、その会議に参加していただく
皆も、色々と積極的に質問し
とても楽しい時間を過ごさせてもらった

 

その後の食事を一緒にしたのだが
その時に色々興味深い話を聞かせてもらった

 

感銘を受けた話しを一つ

 

「ヨーロッパのタクシーの運転手は、たいてい東洋人
パキスタン人、アフガニスタン人、トルコ人、コリアン、チャイニーズ
彼らの多くは、難民であって
ドイツは多くの難民を受け入れています。(第2次大戦での人種差別の反省もあって)

 

そして、彼らに用意されている職業がタクシーの運転手です。
『日本人は、なぜタクシーの運転手をしないのか?』
と、よく聞かれるのですが、
私達日本人は、難民ではありません。
乞われて来ているのです。
私たちが持っている能力を、見込まれて来ているのです。

 

だから私達日本人は、ヨーロッパで対等のプライドを持って生きています。
むしろ私は、何にでも100%パーフェクトを要求します。
だから厳格なことが好きなドイツ(オーストリア)では、
私達日本人はピッタリなんです。
東洋人の中でも別格なんですね。日本人は。

 

適当な仕事をする人からは“うるさい奴”と思われていますが、
私は完璧をいつも要求します。

 

私の3人の子供のプライドのためにも
日本人として、私はいい加減なことは出来ないのです。」

 

“自分の子供達のためにも、
日本人として、しっかりした生き方をしなければならない”

 

胸にしみる言葉であった

 

刹那的な生き方が蔓延っている今の日本
次の代に、何を残せるのであろうか

 

私には、今小路さんの言葉は、実に新鮮に聞こえた。

 

 

ちなみに、彼の子供さん
長男は、チューリッヒ銀行の日本支店に勤め
次男は、世界レベルの企業の、社長の飛行機のパイロット
三男は、ルーマニア・チャウチェスクが残した森の孤児の
リファビリと世話をするボランティアを、ルーマニアの森の中でしているそうだ

 

 

世の中広いもので、すごい人がいるもんだ
これからどんなお付き合いが始まるのであろう
ワクワクしてくる

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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