谷 好通コラム

2002年08月30日(金曜日)

506話 上海・洗車の未来

とりあえず
これが、上海、最後の話

 

今回の上海行きは、実にエキサイティングで
書きたい事が山ほどある

 

しかし、調子に乗って書いているうちに
すでに9話書いてしまい
これで10話目
25日に帰ってきてからも
久留米、福岡、呉、広島、神戸に行って来た
相変わらずのドタバタだ
そこでの経験の中でも、書きたい事がいっぱい出てきているのに
いつまでも、上海の事ばかり書いていたのでは・
そろそろ、おしまいにしないとキリがない

 

そこで上海の話の最後は
やはり、洗車でまとめたい

 

何年か前に上海に行ったときも
去年、古都西安に行ったときも
中国の自動車は汚くて
でこぼこで
とても、洗車なんてするような車ではないように思えた

 

しかし、西安の道端には
ホース一本で洗車をする露天がいっぱい出ていた
あの時は、それを見て
「あんな車でも、洗車することがあるのかなぁ」くらいにしか
思っていなかった

 

それが
今度、上海に行って
認識がまったく変わってしまったのだ

 

第一に、走っている車のレベルがグッと上がっていることに驚いた
たぶん、ではあるが
ドイツ・フォルクスワーゲングループが
中国でのノックダウン生産を
大幅に認めたことによるのか

 

アウディ各車、ワーゲン各車、特にサンタナが
大量に市内を走るようになっている
各車は、日本においても
それなりの存在感を持っている車たちで

 

「だから」
その車に乗っている人たちは
ステイタスを持って乗っていると感じた

 

「だから」
その車は移動のための道具だけではない
自らのステイタスを表現する「大切なもの」だ
自分の存在を高める宝物だ
高級自動車=ステイタスシンボル

 

「ならば」
“キレイにしていたい”に決まっている

 

キレイにするには
“洗車”“ワックスがけ”

 

自分でやってもいいが
そこは、自らのステイタスを感じている人たち
自分で手を下すより
やってもらう(やらせる)ことを好むだろう

 

「しかも」
“キレイ”には、規格がない
“キレイ”には、「うまい」「へた」がある
「うまい洗車」は、「へたな洗車」より、付加価値が高い
つまり値段が高い

 

「うまい洗車」「うまい磨き」「うまいワックスがけ」「うまいコーティング」
つまり
「うまいキレイ」を欲しがる
つまり
車にスティタスを感じているユーザーが
中国には増えてきている

 

彼らには、それを求めることが出来る所得がある

 

中国の人たちの所得について、興味あることを聞いた

?「田舎から出てきた、学歴のない、若者」(聞いたとおりに書く)
500~700元(日本円で8,000~11,000円)
彼らは会社の用意した寄宿舎に住み、昼食を会社で食べさせてもらう

 

?「上海の自分の家に住み、?の彼らを監督する立場の者」
1,500~3,000元(日本円で25,000円~48,000円)

 

?「??が働く会社を運営、経営する総経理と呼ばれる社長達など」
優秀な人は、10,000元以上(日本円で160,000円以上)

 

上海の人から聞いた表現をそのまま書いたので
不適切な部分があるかもしれないし
あくまでも、大まかな分類であろう

 

たしかに
日本に比べれば
絶対的な所得金額は低い

 

しかし、?の人たちは、その多くが会社の社用車を
自分の車として乗り
燃料も、洗車も経費として使っている

 

まず第一に、この?の層は付加価値の高い「キレイ」を買うであろう
?の層も、少し無理しても車に乗りたがっており
無理して買った中古車を、できるだけキレイに見せたがるだろう

 

「需要」はあると、強く感じた

 

特に?の層の、全体における割合はすごく小さいものであろうが
何せ中国
絶対的な人口が圧倒的に多い

 

しかも、食費などの物価が恐ろしく低い
上海初日、立派なレストランで、十種類を越える蟹とか、エビの料理を
6人が腹いっぱい食べて
350元であった(日本円で5,000円ぐらい)
10,000元の所得は、私達の想像以上の通貨価値であろう

 

ステイタスシンボルである「車」を
キレイにする商売は、中国においてあらゆる意味で成り立つ
間違いなく商売になる

 

加えて!
?の若者達
田舎から出てきて、上昇欲が、すさまじい
キーパーの実演を見ている彼らの目つきは
真剣そのものである
彼らは
すぐに手を出したがる
その積極さは
本物の技術が、中国に広がる大きな原動力だ
そう強く感じた

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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