谷 好通コラム

2002年06月12日(水曜日)

443話 プ~カプカの後

“プ~カプカ”

 

グァムの海の、それも波がまったく無い、穏やかなサンゴ礁のリーフで
漂うように浮く
シュノーケルも、ライフジャケットも何も着けず
(パンツは履いていなければならない)
ただ
海面に仰向きになり
空に顔を向けて
両手両足をダラッと広げて
泳ぐこともせず

 

何もせず
だらしなく漂うだけ
そうすると、“顔だけ”が海面にかろうじて出ていて
息はラクに出来る

 

息を吸い込むと
体の浮力が増して、ちょっと顔が水面から余分に出る
息を吐き出すと、少しだけ沈んで目の端まで水がくる

 

しかし体に無用に力を入れると、バランスを失い
顔が沈んで
ゲホッゲホッゲホッとなる

 

体中の力を抜いて
ただ
ダラ~~っと海面に浮くのだ プ~カ プ~カ プ~カ プカ

 

プ~カ プカ
至上の時間だ
まったく重力も、体重も感じない

 

聞こえるのは自分の息の音だけ
空がまぶしいので目は閉じている
だから、瞼の血の色がオレンジ色に、目の底いっぱいに広がる
リーフの海水は程よい温度で
ひたすら気持ちがいい

 

無重力の中で、自分の息の音だけを聞き、自分の血の色を瞼の裏に見て
母なる海の水に、我が身を任せる

 

プー~カ プカ

 

 

あるいは、シュノーケルだけを腕にかけて、海に出で行って
シュノーケルをつけ
うつ伏せになって、プーカプカをやる

 

これは、視覚が心地よい刺激を受けるタイプのプ~カプカ
これはこれでイイ
どっちのプ~カプカも、至上の時を提供してくれる

 

リーフの中は魚がたくさんいるわけでも何でもないが
ほとんど波が無いリーフの中は、これが最高である

 

こんなボケーっとした遊びもイイ

 

しかし
いずれは元の重力のある世界に戻らなくてはならない
つまり海から出なくてはならないのだ

 

徐々に浅い所に上がっていくにつれて
大気中に体がさらされて
体重が戻ってくる
わが90kgの体重が、再び現実の物として戻ってくる
「重い!」
自らの自堕落な食欲の結果が、現実のものとして
再び襲ってくるのだ
私の場合!

 

プ~カプカの後には、ズシッが待っている

 

今日で社員旅行も終わり
みんな仕事の無い、遊びだけの旅行から
また、ズシッとした仕事の生活に戻っていく
あ~あ
頑張るしかないね

 

 

でも、ちょっと外を見てみると
南の海独特の雲が、夕日に輝いている
ホント綺麗だよ
誰も見ないのかなぁ

 

 

また、一生懸命仕事やって
もっともっと
プ~カプカしたいなぁ
体重0kgって気持ちインだよね~

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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