谷 好通コラム

2002年06月12日(水曜日)

442話 最初はど真ん中

不思議なことがあるのだ

 

ガンシューティングの経験がまったく無い人が
初体験での
最初の一発
それが、的のド真ん中に当たることが多いのだ
ど真ん中に!

 

見ていて、これには正直ビックリしてしまう

 

屋内シューティングレンジで使う、ターゲットシートは
横約25cm、縦約50cmの紙で
中に、黒の何重かの同心の楕円が書いてある
一番外側の楕円が6点
それから幅2cmぐらい中に入るほど、6点から1点ずつ上がっていく
10点は幅が1cmほどしかない
そして最後に
真ん中に横2cm×縦3cm=6c?ぐらいの白い楕円が書いてあって
真ん中に×が書いてある
ここに当たると15点である
ど真ん中とはここの事

 

 

ゲームは、合計36発で行われる
だから、36発、全部15点エリアに当たると540点になる

 

“黒い部分”の最高点10点エリア(横4cm×縦5cm=20c?)に
36発全部当たっても合計360点
それより外側は、片側2cmずつ、直径4cmずつ大きくなっても
1点ずつしか下がって行かない
つまり
6点エリア(10点エリアの約25倍の面積)にだけ36発当たると
36発×6点=218点

 

黒い部分に平均してバラバラに当たっても270点ぐらいにはなる
ここに当たっている内は
点数はあまり変わらないのだ

 

ど真ん中、白地に×の部分に何発当たるかが
大きく点数に響いてくる

 

2発が15点エリアに当たり、あとは少し散らばると330点ぐらい
36発中2発は、1/18
6%ぐらいの確率になる
ある程度、玉が収束していれば
たまたま当たることもある
かなり、うまい方だが
ここまでは比較的簡単に行くことが出来る

 

今回の射撃大会での、私の成績は412点
15点エリアに36発中13発当たった

 

今回は13発が15点エリアに入ったのだから、13/36であり
36%の確率
ここまで来ると
タイミングが合えば、そのエリアに自分の意思で入れることが出来るレベル
それが出来るようにならないと400点以上は出せない

 

10数m離れたところからピストルで
6c?の中に入れるのは
並大抵のことではない

 

(ここまでは、私の自慢話!どうもすいません <m(__)m>)

 

話を元に戻す
初めてガンを撃つ人は
最初の一発だけ、そのど真ん中に当たる場合が、結構あるのだ
「天才か?」とビックリするのだが
あとはバラバラ
結局100点台、つまり紙にすら、なかなか当たらないのだ

 

でも、最初の1発だけは、かなりの人が真ん中
あるいは、それに近いところに当てることが多い

 

なぜだろうか?
そして
なぜ、その後は
バラバラになってしまうのだろうか?

 

「負の経験が、自分の行動を支配するため」
これが答えだ

 

もともと、ガンはすごい精度を持っていて
照準(サイト)も、かなりの精度を持っている
だから本来的には
きちんと、サイトを合わせて撃てば当たるものなのだ
十数mの距離で、横2cmターゲットは
充分に銃そのものの精度の範囲内なのだ
(もっとも、手入れが悪ければ、チャランポランになってしまうが)

 

初体験者は、銃を撃った経験が無いのだから
その衝撃も、音も、火花も知らない
知識としてはあるかもしれないが、少なくとも実感は持っていない
だから
最初の一発は、きちんと教えられたとおり照準を合わせて
“何も考えずに撃つ”
それが当たってしまうのだ
当たり前なのだ
銃がそのように出来ているのだから

 

しかし
最初の一発で、“衝撃のショック”が手のひらの中に残り
撃った時の“音”と“火花”が、気持ちの中に確実にインプットされる
「どれぐらい引き金を引くと、あのドカン!が来る」を覚えてしまうのである
そうすると
次の弾を打つ時には
引き金を
「グイッと引いてしまう」ようになる
「体と気持ちが、構えてしまうようになる」のである

 

撃つ時の衝撃は、慣れてしまえば、実はぜんぜん大したものでは無い
(44スーパーマグナムのような馬鹿でかい弾丸を使えば別だか)

 

しかし、一回ビックリしてしまうと
それに身構えてしまい
引き金を引くときに、力んだ動きが銃身をぶらしてしまって
的にぜんぜん当たらなくしてしまうのだ

 

「ターゲットの中心にだけ神経を集中して、引き金は勝手に他人が絞っている」
そんな感じで撃てるようになると
面白いように、真ん中に弾が集まる

 

つまり
シューティングが上達するということは
生まれて初めて射撃をする時の、最初の1発に戻るという事に似ている
射撃は、いかにターゲットの真ん中に集中して
他の事を忘れるか、ということだと思う

 

これって
人生にものすごく似ていると思う

 

人生を長く経験してくるに従って
色々なツライ目とか、失敗を数多く経験して
「やってはいけないこと」
「やっても仕方ないこと」
「やったらひどい目に合うかもしれないこと」
そんなことを自分自身の中に溜め込んでいって
自分の行動に、自分自身で制約をかけてしまう
そんな中で
発想すらも、狭い視野の中でしか出来なくなり
限界を作ってしまう

 

「はじめの一発は、ど真ん中に入る」
このことを、自分自身の行動に当てはめて考えると
限りない可能性が、もう一度、自分の中に見えてくるのではないだろうか</m(__)m>

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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