谷 好通コラム

2002年05月14日(火曜日)

417話 100人が20分待った

私は今日のことを
一生覚えているかもしれない
なんと
100人もの人を20分も待たせてしまったのだ

 

今日、ある石油元売りさんの主催する洗車セミナーが大阪であった
出席者は百名以上
大阪の南港にある50階ぐらいの高層ビル、その44階の大研修室
今年に入ってから一番大きな研修会だ
緊張である

 

大阪の、私たちのことに大変共感していただいているある会社の社長が
元売りさんに働きかけられて、この機会をいただくことになった
大変ありがたいことで
こんなことがあると
仕事は、一生懸命やればこんな良いこともあるものだ、などと
ガラに合わぬ真面目なことを思ったりする

 

朝、昨日の宴会の酒がまだほんの少し残っている頭であった
それでもゆとりを持って6時に起きて
7時に出発した
名古屋駅まで電車で15分足らず
名古屋駅から新大阪まで一時間足らず
9時に新大阪での待ち合わせには、余裕45分のたっぷりのペース

 

7時10分にJRの駅について、「みどりの窓口」に切符を買いに行った
そうしたら、窓口に駅員さんがいない
予定の名古屋駅までの電車は、7時18分の出発
まだ時間があると思ってとりあえず待つが、ちっとも現れない
改札口にいる駅員さんに声をかけるが、困った顔をするばかり
予定の電車はもうすぐ出てしまう

 

ドタッドタッドタッと若い駅員さんが走ってきた
トイレに行っていたらしい
手をハンカチで拭きながら走ってきて、窓口に座った
あわてて切符を切ってくれたが
7時18分の電車には、もう乗れそうにない
次の電車は7時26分発の“普通電車”各駅停車である
そうすると46分に名古屋駅に着いて
新幹線の接続が、なんと、8時8分の“ひかり”になってしまうという
これは遅い“ひかり”で、大阪には9時10分到着だというのだ
10分の遅刻
「参ったなあ~」と思いつつも
大阪の担当者は「新大阪から会場まで40分ぐらい」と言っていた
ならば、会場に遅れることはなかろう
しかし、いやな予感が漂い始める

 

新大阪には、担当者と
実演のための車(快洗Jr号)に刈谷から乗ってきた3人の若いスタッフが待っていた
朝5時に本社に集まって、大阪までやってきたのだ
大変であっただろう

 

私は「本当にスマン、スマン」と言って、大阪担当者の車に乗り
2台縦列で会場に向かう

 

大変だったのは、そこからである
担当者いわく
「あの信号を超えたら、スムーズに動き始めますから」
「川を渡れば、大丈夫です」
彼いわくの“難所”を越えても、越えても渋滞が続く
おまけに高速への料金所が
一箇所が閉鎖されて、残りの一箇所だけ開いていて、なかなか進まない

 

高速に入ってからも、渋滞は続く
それでも何とか流れている
「河野君、これって遅刻するんじゃない?」
「きびしいですね」
「だから、遅刻するなら遅刻すると言えよ。先方に電話を入れなければいかんし」
「はい、遅刻すると思います。」
先方に遅刻を告げて、しばらく、やっと高速らしきところに入った

 

担当者河野君は
公道レーサーのように飛ばしに飛ばした
車間距離は開けない
「こわい」

 

 

エンジンはゴォンゴォンとうなる。(サニーバネットのディーゼル車)
ビシッビシッと、車線変更を決める
彼は目の色を変えて阪神高速を飛ばしていく
当然、土地勘のない刈谷からの若いスタッフ達の車はついて来れない
「後で拾うから、南港のインター出たところで待っていて!」と電話で伝えて
とりあえず私を会場に届けようとしている
午前中は私の出番なので、私さえ会場に届ければ、後は何とかなる
明らかに焦っている
運転はますます厳しさを増して
今にもタイヤが鳴きそうである

 

結局、会場に着いたのは
セミナー開始定時刻10時を、20分回っていた
新大阪から、会場まで1時間10分かかったのだ

 

「大遅刻である」
恥ずかしい、申し訳ない

 

100人以上の方を
私は、こともあろうに20分も待ちぼうけさせてしまったのだ
なんとお詫びすればいいのか、言葉が見つからなかった
せめて、一生懸命講演をさせていただかねば
精一杯がんばったのだが
一生懸命になればなるだけ
空回りしているようで、焦ってしまう
ペースを取り戻したのは、やっと15分ほどしてから

 

100人の人を20分も待たせたという経験は、もちろん始めてである
100人×20分=2000分=33時間20分
集まっている人はいずれも役職者、あるいは経営者
職場で働いていれば1万円/h以上は稼ぐ人たちであろう
そうすると私たちは
たった20分で33万円もの損害を与えてしまったことになる
いや軽く100人以上はいた、主催者の方も含めると120人以上か
そうすると50万円以上の損害か
迷惑をおかけしたことを、金額に換算するなど不謹慎であるが
反省の一つの表現でもあるので、お許しいただきたい
本当にたくさんの方にご迷惑をおかけし、申し訳ないことをした

 

金額などに換算できない迷惑をおかけした
特に主催者には、取り返しのつかないご迷惑をおかけした

 

加えて、私たち自身も大きな損失をした
「信用を落とした」ということ
これもとてもお金に換算できないほど大きなものかもしれない
くやしい!

 

「道が混んでいたから」などということは、言い訳にもならない

 

「道が混んだら、遅刻してもいいのか」

 

道が混む可能性は、十分にある
なのに、それを勘定に入れないのは
集まっていただいた人たちに対する、責任感の無さであり
会社の信用に対する責任感の欠如である

 

まったく恥ずかしいことだ
担当者ともども、深く深~く反省しております

 

会場は広く立派なところであった

 

 

44階からの、大阪南港の景色はすばらしかった

 

 

大阪担当者、刈谷からの若いスタッフ3人
ご苦労様でした

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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