谷 好通コラム

2002年04月29日(月曜日)

408話 洗車とラーメン?その2

◎「松」の洗車客層は、高級車とは限らない

 

では、「松」の客層の持っている可能性とはどんなものであろう。
「洗車とラーメン?」で、この客層の概念として
まず?「バリっとしていたい人」
“バリッ”とした服装でいたい人、つまり車も“キチンと綺麗”にしていたい人。自分が納得出来る「キチンとキレイ」を、どこかでやってもらうことが出来る店があればよいのだが、なかなか無い。つまり“スタンド洗車”では納得できない人たちは、自分で洗うしかない。でも洗車が決して好きなわけではない。自分の欲しいキレイさが無いから、仕方なく自分で洗車をやるのだ。この人たちは、“洗う”キレイさだけでは納得できない。キチンと水垢が取れていて真っ白であったり、ピカピカに光っていたり、バッチリ水を弾いていたり、“磨いたきれいさ”までを求めている。

 

?「車に友情とか、愛情を感じている人」
家族の共有している愛情の一つの象徴として、我が家の車に対して友情を感じている人は非常に多い。そして多くの場合、車種は1BOXであり、3列シートのユーティリティーカーなどである。大切な家族の車、乱暴には洗って欲しくない。大きな音が出て、バシャバシャと車を叩くあのスタンドの洗車機は、どうも好きになれない。結果として自分たちで洗っている。この両方のタイプはニーズが結果的に同じであり、快洗隊の大切な客層となっています。
この客層を「松」とする。ただし、これは「松・竹・梅」と言っても、「高級・中級・下級」という分け方ではない。高級車であっても洗車に関しては「梅」で上等と思っている人もいれば、軽自動車乗っていても、洗車は「松」を望む人もいる。要は洗車に対する好みが「松」だと言うことです。

 

「丁寧」に洗いたい。「キチンと隅々まで」洗って欲しい。
そして特筆すべきは、「洗うきれいさだけではなく、磨くきれいさまで欲しい」と思っていることです。つまりこの客層は、自分の車を「キチンときれい」にしたいと思って自分で車を洗ったり、磨いたりしていて、そのきれいさが「売っていない」から自分で洗っている。どこかでやってくれるものなら、やってもらいたいと言う客層です。

 

◎「キチンときれいになる手洗い洗車」が「松」の客層のニーズ

 

まず「洗車」については、今まで自分で洗っていた時は、手洗いだったので、ごく自然に「手洗い」を好みます。洗車機が特に嫌いと思って「手洗い」をと言う訳ではなく、今までそうだったから、「手洗い」の方がきれいになると思っており、自然に「手洗い」を好んでいるだけです。「キチンときれいになる」事が目的なのです。
だから、最近多くのSSが「手洗い洗車」を始めているので、一度はやって見たけれど、手洗いではあったが、その仕上がりは自分の欲求を満足させるレベルのものではなく、また自分で洗い始めてしまっている人が多くいるのです。
「SSでの手洗い洗車」は手で洗うだけであり、訓練を受けていないので、その仕上がりのレベルは素人同然の場合が多く見られます。
「キチンときれいになる手洗い洗車」、それが「松」の客層が望んでいる洗車です。
快洗隊では、それを「極上の手洗い洗車」と呼んでいます。

 

◎「松」の客層は、「磨き」も気軽に頼めればと強く思っている

 

そして、洗車を注文するのと全く同じレベルで、水垢取り等の「磨き」も頼めることが出来たらと思っているのです。
その証拠に、「松」の客層にターゲットを絞った実験店「快洗隊」では、洗車で来店する台数の、実に3分の1の台数までが「キーパー」「ホワイトキーパー」「クリスタルキーパー」など、磨いて、すごく車をきれいにするメニューを注文しており、これは事実です。

 

◎「松」の客層の洗車単価は4,000円~5,000円

 

磨きのメニューの他にも、「アルミホイールクリーニング」とか、「室内清掃(全商品に対して別メニューになっている)」「その他季節商品」を注文していかれる方も多く、洗車だけで帰る人は全体の半分以下となっています。
売上金額は全体の半分以上を「磨き商品」が上げ、「洗車」での売上は全体の4分の1程度です。(毎月の快洗隊の売上データをご参照下さい)その結果、来店台数の平均単価は、実に4,000円~5,000円/台となっているのです。
「松」の客層は、商売として非常に魅力的な購買傾向を持っている事が分かります。

 

◎現在のSS洗車の顧客「竹」と客層に、「松」の客層を上乗せすると、洗車売上は倍増する可能性を持っている。

 

洗車の客層を「松・竹・梅」とするなら、SS洗車の客層は「竹」であると書きました。
そしてこの客層に対しては、供給過剰の状態であり新たな開拓の可能性が低いとも書きました。しかし、誤解しないでいただきたいのは、この「竹」の客層がもうダメだと言っている訳ではない。いろいろなケミカルとか洗車機、それに使われる新開発のブラシなどが開発され、客層自体の拡大が図られていることも事実であり、SSの方が一生懸命努力していることも間違いのない事実です。
そして、この「竹」の客層はSSが苦労して作り出したものであり、この客層によってSSがずいぶん助けられてきたことも、決して忘れてはいないつもりです。
しかし、ここで言いたいのは、「竹」の客層を、価格のディスカウントまでして無理して深追いすることは懸命なこととは言えず、むしろ、非常に商売として魅力的である「松」の客層にも買っていただけるような洗車商品、磨き商品、再度メニュー商品を、今までの洗車商品に上乗せする形で用意すれば、洗車収益の倍増ですら比較的容易である、と言うことなのです。

 

◎洗車メニューの拡大

 

「キチンときれいになる手洗い洗車」

 

「気軽に頼める、水垢取り、艶出し磨きなどの磨きメニュー」

 

「あらゆるニーズに応えるサイドメニュー」

 

◎「松」の客層を開発するためには、「訓練」が絶対条件

 

この客層が望む仕上がりのレベルは、自分が洗ったり磨いた時と同等、出来ればそれ以上のレベルです。それが大きなお金を払ってまで買う価値のある商品です。
しかし考えてみれば、ユーザーは自分の車を洗うのであり、こちらはユーザーの車、つまり他人の車を洗うわけです。
ユーザーは自分の車に対して大なり小なり愛情を持っています。かたや、こちらは他人の車、すべての車に愛情を持てと言うほうが無理です。
SSのスタッフには、「自分の車はとことん洗って気がすむまできれいにするけど、客の車は言われたように洗っているだけ。それが何か悪いの? ちゃんと言われた通りに洗ってるよ」と、言う人もいます。
それに対して「お客様の車は、自分の車と思って、洗わなきゃイカンぞ!」と叫んでも、時間に追われてやる洗車と、好きなだけやる自分の車の洗車とはどうしたって同じにはなりません。
それを解決する方法が「訓練」です。
「訓練」によって、どんな車が来ても、お客様と言う「素人」より車をきれいにしてしまう「技術」を身に付けさせてしまうことです。「プロ」にしてしまうことです。
車をきれいにするという事について、スタッフがユーザーと同じ「素人」であっては、ユーザーのほうは自分の車を洗い,磨く訳だからかなう訳がない。だったら「訓練」によってプロの技術を身につけさせて「技術者」にしてしまうしか、方法はないと思うのです。

 

ラーメンだって「腕のいい職人」の作ったラーメンだからこそ、金を払って食べる価値があり、ひょっとしたら並んでまで食べる価値すら出てくるものです。
「腕のいい職人」は、「修行」からしか生まれません。
長い熱心な、あるいは必死の「修行」から「腕のいい職人」が生まれるものです。
洗車についても、そこまではなくとも、「訓練」は絶対必要であり、「訓練」によって洗車商品、磨き商品のクオリティーが飛躍的に上がるものです。
次回は、その訓練について書いて見たい

 

今日もいっぱいの「キチンときれい」を求める客でいっぱいの我が「快洗隊」です。

 

 

連休もあって、しかも、快洗Boss導入での飛躍的効率アップで
洗車売上、4月26日=22万円、27日=31万円、28日=27万円、29日=21万円
4日間トータルで、101万余円
みんな頑張っています。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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