谷 好通コラム

2002年01月22日(火曜日)

338話 可能性の大きさ

私は釣りを全くやらないので、よく解らないが

 

小さな魚、まだ成長していない子供の魚を釣った場合
それを海(川、池)に帰す
その事を「リリースする」と言うそうだ

 

昔読んだ本に、「これは根本的に間違っている」と書いてあった
確か、ムツゴロウこと畑正憲が書いた本であった

 

「魚は、大量の数の子供を産む。
種類によっては何万個もの卵を産んで
その中から2匹が生殖能力を持つまでに成長し
つまり生き残り、その2匹がまた卵を産み、受精をすれば
その種はとりあえず保存されるのだ。
魚が、大量の小さな子供(卵)を産むのは
その1つ1つの子供は、生き残る能力が極めて低いためで
しかし、その圧倒的な数で、生存の確率の低さを補っている

 

だから、小さな魚はいくら釣っても
生き残る低い確率の中の一つの出来事であって
種の保存に大きな影響を与える可能性は、比較的低い

 

しかし
大きく成長して、生殖能力を持つまでになった成魚は
大量の数の卵の中から
とりわけ力があり、また極めて幸運にも生き残った「結果」である
数万の兄弟の死の上に生き残った貴重な結果であり
その種の保存を、一身に担った希望の星なのだ

 

だから
その魚の、種の保存と繁栄を考えるならば
生殖能力を持つまでに成長した成魚こそ残すべきであり、自然に帰すべきである」

 

リリースすべきは、大きく成長した魚であり、
まだ小さな魚は確保しても大丈夫なのだ

 

全国の池に、悪意を持って放たれたブラックバスなどのように
稚魚を根こそぎ食べてしまい、
わかさぎなどの種を絶滅の危機に合わせているケースとか
根こそぎ獲ってしまう一部の「漁」と
「釣り」とは
全く違うのだ
釣りは、全体の生存数からピックアップする数は圧倒的に少なく
その種の保存に関わるような危険はほとんど無い
ただし
その生態系の中から生き残った、選ばれた「成熟魚」を釣ってしまうと
やはりその影響は大きい

 

大きく育った魚こそ、リリースすべきなのだ

 

私は、この話が非常に印象的で
何十年も昔に読んだ本に書いてあったことだが、今もはっきり覚えている

 

人の場合はどうだろうか

 

成熟までの経験が、学習となり
学習が、力として蓄えられ
誇りとして、見事な蓄積を遂げている場合もある
成熟は正に力である
自分自身で、老け込みさえしなければ
年輪はそのまま、力に成り得る

 

力を持っているのだから、持っている可能性も大きい
力の蓄えの無い若者よりも、本当は、うんと大きな可能性を持っている

 

老け込む必要など何も無い
熟年、がんばれ

 

一昨日の、白鳥もいる鴨の湖「瓢湖」での主人公たち

 

(オナガガモ)

 

 

(ハシヒロガモ)

 

 

(キンクロハジロ)

 

 

彼らのたくましさに、元気が出てくる気がしました

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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