谷 好通コラム

2001年12月23日(日曜日)

312話 同時テロ以後

グァムに来て今日で2日目
人が少ない!
街を歩いている観光客がものすごく少ない
年末を控え、いつもなら観光客でごった返しているはずなのに
ネオンだけがにぎやかで、歩道には人が少ない

 

グァム国際空港に到着、入国審査を受けるときも驚いた
いつもなら、形式的にやるだけで
係官もニコニコしているのだが、今回は、みんなピリピリしている
審査の窓口の前には、長蛇の列が出来ていた
一人一人の審査が恐ろしく長くかかっている
税関も同様で
入国するのに、結局1時間ほどかかってしまった

 

いつものシューティングレンジ「ウェスタン フロンティア ビレッジ」に行った
前もって、メールで、今日行く事を伝えてあったこともあって
大変歓迎してくれた

 

そこでいろいろ話を聞いたのだが
9月のニューヨーク同時多発テロ以降
観光客が激減しているそうだ
6~7割ダウン
つまり、3分の1程度になってしまったというのだ

 

あれから3ヶ月
すでに閉鎖してしまったホテルが3件
昔、泊まったことのある「第一藤田ホテル」も来年閉鎖だそうだ
「ホテルオークラ」は、設備を半分閉めている
「日航ホテル」も非常に苦しい
どのホテルも、レイオフを実施しており
従業員の数が目立って少ない

 

昼飯時にも店を開けない
グァムでも有名な「ステーキハウス」と「日本料理屋」

 

 

グァムには「アンダーソン基地」という大きな空軍基地がある
そんな理由もあって
日本の観光客は、怯えて、来ない、のか

 

グァムのパッケージツアーが極端に安くなっている
往復の航空運賃と3泊のホテル代で、3万円台は当たり前
2万円台まで出た事があるそうだ
私が聞いただけでも、37,000円というのがあった

 

国内旅行よりはるかに安い
名古屋―福岡、特割りでの往復運賃がそれぐらいだ
それでも、テロ以前の1/3しか来ないそうだ

 

怯えて行動しない
あるいは、たいした根拠もないのに、怖そうなところには近づかない
「君子危うきに近づかず」、か
冗談じゃない
テロリストの恫喝に乗って
自分の行動を狭めるなんて、やなこった、と思う
何が怖いって
信号無視で突っ込んでくるオバさんとか
援助交際などと言って売春を平気にやっている馬鹿な餓鬼ども
カッコばっかり車に金を掛けて、公道をサーキットまがいに走っているやつ
そんなものの方がよっぽど怖い

 

たった3時間半
“近くて”
ホントに“安くて”
“海がとことん綺麗で”
“治安がいい
超身近なリゾート
“グァム”
今は、来る人が減ってしまって、苦しいだろうが

 

どうせ、ヒステリックな恐怖なんて、そんなにも長く続くわけがない
絶対に元に戻る
必ず元に戻る!

 

今はじっと耐えるしかないが
どうか、なんとか生き残って欲しい
グァムには知り合いがいっぱい出来た
その人たちが、暗い表情をしているのを見るとツライ

 

どうせ半年もすると、すっかりみんな忘れてしまって
ドヤドヤとやってくるに違いない

 

それまで、みんな生き残っていて欲しい

 

※いつも陽気で、商売熱心で親切、大好きな「チョンさん」

 

 

※インターネットを貸してくれる「サンドイッチのクレア」

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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