谷 好通コラム

2001年12月20日(木曜日)

309話 明日が来ない時

今、午後8時近く
札幌への飛行機の中でこれを書き始めた
「到着地の気温は、現在マイナス11度です。」と、アナウンスがあった
出発地と20度以上の温度差
いささか構えてしまう
風邪を引かないように、用心に用心を重ねて出てきたつもりだが

 

私はめったに風邪を引いた事が無い
しかし、今年の季節の変わり目には、これは風邪?と思うときがあった
幸いにも、熱も出ず、咳も出ず
ほんの半日、頭がボーっとしただけで済んだ
ひょっとしたら、ただの睡眠不足だったのかもしれない

 

私は、睡眠時間が比較的少ないほうだ
ついこの間まで、一日4~5時間の睡眠時間で平気だった
夜12時前に寝た事はない
べつに夜遊びをするわけではない、夜、外に飲みに出る事は滅多に無い
年に数度あるかどうかぐらいだ
本を読んだり、テレビを見たり、原稿を書いたりいろいろな事をやっている
今はこれを書くことも、メールをいっぱい書くことも、楽しみで
午前様で、1~2時になる事もしばしば
それでも朝6時ぐらいには起きる
日曜とかは、余計に早く目が覚めて、ジッとしている事は決してない
遊ぶ!
サーキットに行ければ一番最高
とにかく何かして遊ぶ

 

ところが最近、ちょっとした異変がある
朝、すんなり起きれない時があるのだ
布団から出たくないと思う事があるのだ
家でも、主張先のホテルでも

 

太ったせいかもしれない
いや、歳を取ってきたのだろう
別に元気がなくなって来たわけではない
私は、恥ずかしいぐらい元気である
しかし、「つかれたなぁ~」と思う時が増えてきたようにも思う
昔より無理をしてはいけなくなってきている事は事実であろう

 

でも、仕事をしたい!とか
遊びたい!という意欲の部分は、今が最高で
気持ちの上では、若い時などとは比べ物にならないほど、はるかに元気である
だから、実は
今の方が、はるかにたくさん仕事もしているし、遊んでいるし、激しく生きている
若い時の方が、もっともっとのんびりしていた

 

 

若いときの元気
その元気の質が幼さでしかなく、それがなんら成長しないまま、歳を取ると
元気がしぼんできた時には
晩年は寂しいものになってしまうのだろう
歳をとっても
心が弱く、依存心が強く、稚拙であるだけの元気さは
本人が歳を取った分だけ
惨めである

 

歳を取った分だけ、経験を重ねた分だけ
自立し
自分の存在に確信を持つ
その上で、冒険心と好奇心を持ち続けるみずみずしさを失わない
元気な
そんな歳の取り方をしたい

 

脳みそと、夢を持ち続ける心は、本当は決して老けたりしない

 

老けるのは、独りよがりであり、その日暮らし的な
刹那的な心である
今日の事しか考えない心には
来るべき明日が実はもう無くなってしまっている事に
ある時気がつく
そんなときが来る
歳を取ったとき
この事を何とか気がついてほしいのだが

 

札幌は雪の中であった
体の芯まで冷える寒さは、辛いものがあった

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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