谷 好通コラム

2001年09月19日(水曜日)

228話 1+1=2.5or3

違う種類、或いは、違う特性を持ったものが一緒になると
元々のものよりも、強いものが出来るという現象がある

 

人ならば、異人種混血で生まれた子は、概して美しい傾向があったり
そして強く、優れている場合が多いという
逆に、近親結婚が続いた家系では、奇形が出やすかったり
弱い個体になることが、統計的に多いそうだ
劣性遺伝が、現出する確率が高いからだそうだ

 

似たモノ同士が一緒になっても
それ以上にはなりにくい
似たモノ同士が集まっただけでは、そこには仲良しが発生するだけで
進歩は、あまり無い

 

違う因子が一緒になると、そこに切磋琢磨が発生して
或いは、強い因子が相乗的に現出して
両方がよけいに強くなるということは、良くあることだ

 

元々、生物の進化は、生殖による増殖があったからだ
無性生殖は、きわめて稀な偶然による突然変化しか、進化の術が無い
異性の固体による生殖の場合
強い因子が重なることがあり
それが、強い個体として生き残るという優性による自然淘汰が
世代ごとに発生し
進化が絶え間なく続くということになる

 

だから、無性生殖をしている生物には、原始的なものが多く
進化が進んだ生物は、みな異性の生殖による増殖を行ってきてものだ

 

特にその効果は、環境が激しく変わる時に有効であった
変化した環境にうまく対応する個体に、偏向して
淘汰が行われ
結果として種としての保存を、なし得たものが勝った

 

今、企業にもそのようなことが、言えるのではないだろうか
激しく変化している経済、時代
それに環境対応していけるものは
自らと異なるものを、受け入れることが出来る柔軟性と
何が、時代を先取りしているものなのか、何が本物なのか
真贋を見極め
求めるべき、異なるものを、受け入れることによって
自らが強く、変化対応していく能力を持った企業が勝ち残っていくのだろう

 

 

製品の開発においても
それに似たようなことを、最近体験した
「爆白!PKプラス」

 

アルカリである「K-1」の洗浄能力を、「1」とするなら
パウダーである「P-2」の洗浄能力も、「1」であった
「2」の能力が欲しくて
これを混ぜても安全である処方を、苦労してつくり
2種を混ぜても、安全に使える技術が、出来上がった

実際に混合して使ってみたら
とんでもない効果が出来てしまったのだ
1+1=2.5、いや1+1=3の、力が出来上がってしまったのだ
これには、作った本人がビックリした

 

マイナス面の危険性は、逆に1+1=0.1となり
言ってみれば、理想的なものが出来上がってしまったのだ
そして、とうとう
世界特許を申請するまでになってしまった

 

こんなにうまく行ったのは、長い経験の中でも、万に一つ有るか無いかである

 

これを世に出した反響は、やはりすごいものがあった
このところ、これに関わる大きな可能性が、“広がる”という類の話が続いている
ありがたいことだ

 

もう一つ

 

東北新幹線の
仙台(盛岡)行き「やまびこ」と、秋田行き「こまち」は
仙台(盛岡)まで接合して走る
そして、仙台(盛岡)で別れて「こまち」が秋田まで行くのだ

 

秋田行きの「こまち」単体では
ダイヤ的に、或いは採算的に苦しいので
旅客数の比較的多い仙台までは
「やまびこ」と一緒に走る方が、うんと合理的なのだ

 

違う目的のものが、それぞれ単体では、非合理的なことも
協力し合うことで、合理的になり得る

 

 

これを事業で考えるならば
異なる能力に優れた企業が、お互いが、お互いを受け入れることにより
それぞれが倍化する能力を、手に入れるということだろうか
今後の企業の進化、発展のあり方の
重要なキーワードの一つのようだ

 

 

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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