谷 好通コラム

2001年08月25日(土曜日)

206話 落とし穴があった

昨日は神戸に行ってきた
神戸快洗隊のことについて話し合いをするため
ここは私たちの仲間がやっている
それが今、大苦戦をしている

 

洗車の売り上げが、なかなか上がってこないのだ
ジワっとは向上しているのだが
そのスピードが異常に遅い
しかも、肝心のキーパーコーティングの売れる率が
非常に低い
いろいろ手を打つのだが
劇的な改善の兆しが見えない
経営的にも楽ではなく、このままでは店を閉めなくてはならない

 

問題はどうしてダメなのか、その原因が分からないこと
原因が分からないことが、一番の深刻な問題なのだ

 

1.運営者は非常に能力のある人だ
少なくともガソリンスタンドの運営については、
素晴らしい実績を持っている

 

2.地域に対する告知活動も地道にやっている、
量的にも質的にも問題ない

 

3.マーケットは、高層マンションが多くあるところで、
決してプアーではない

 

4.店舗は下り坂にあるので良いとは言えないが、致命的ではない

 

5.店の視認性も、派手な看板を列挙したりして向上している

 

6.一番肝心な洗車の技術、洗車の仕上がりの質も、申し分ない
これは、むしろ私たちが見習わなくてはいけないほどのレベル
全く問題ない

 

7.周辺の競合店舗も、取り立てて脅威になる物ではない

 

8.もちろん士気が低いわけでもない

 

9.スタッフの言葉遣い、態度は礼儀正しく、全く問題ない

 

やる気があるのかどうか、などというレベルの問題はまったく無い
それを確認したのは、ベテランの実際に店舗を立ち上げてきたスタッフ
しかも、消費者モニターまで実施している
認識違いは無いだろう

 

なぜお客さんが増えていかないのか
なぜ比較的小額の商品しか売れないのか
全く暗闇の中にいるように
分からなかった

 

それが不意に分かった

 

この店では、接客を全部、高校生クラスのアルバイトがやっていたこと
快洗隊での接客は
「洗車メニューを、お客さんに見てもらって
その中から、お客さんの自由意志によって選んでもらう」
という事をコンセプトにしている
だから
「高校生クラスのアルバイトでも十分である」
と、考えてずっとそうしてきたそうだ
もちろん
実力のある運営者なので、そのアルバイトの子達は
実によく、しつけられている
言葉遣いも悪くないし、笑顔も十分だ

 

しかし
たどたどしい
幼く見える

 

お客さんは、大切な自分の車を、“洗車のプロ”に託しに来た
そこで出された洗車メニューは
今まで、ガソリンスタンドでは見たことの無いような立派で
内容も桁違いに豊富だ
数千円から一万円以上もの、かなり高い商品もある

 

この中から何を選べば良いのか
どの洗車、あるいはコーティングが、一番自分の車に適しているのか
あまりよく分からないまま
脇でニコニコして待っている“客から見れば子供”に注文しなければならない
そんな状態だったのだろうと想像した

 

そんなことで、
お客さんは
あまり高い商品を注文する気には、中々ならなかったのだろう

 

結果として比較的“低額商品”しか注文しなかった
ソコソコのお値段の商品
つまり“車を洗うだけ”の商品が多くなった
車を磨いてピカピカにする商品、たとえばキーパーのような商品までは
“客からは子供のように見えるスタッフ”に、注文する気にならなかった

 

この店の洗車台数に対するキーパーコーティングの受注比率が極端に低い
その原因は、こんなところにあったのだろう

 

もちろん若いこのスタッフに何の落ち度もないし
むしろすばらしい言葉使い、態度である事は繰り返し言っている通りだ
そして若い事が悪いわけでもなんでもない
高額商品を注文するには、頼りなさそうに“見えた”だけだ

 

「車を洗う」レベルでは、素人との技術格差はそれほど大きくは出来ない
仕上がってきた愛車は、確かにキレイになっているが
特別に驚くほどではない

 

「車を磨く」商品、“キーパー”まで行くと、技術格差が出る
キーパーをきちんとした技術でかけると
素人のワックスがけとはかなり違った結果になる

 

たいていのお客様は「ワァーすっごく綺麗になっちゃった」と、驚いてくれる
これがキーパーの凄いところで
“塗面改善の方向性”というキーパー独特の思想で作り上げられた結果は
素人仕事とは、チョッと違う
“車が若返ったようになる”美しさがある
そんな感動をお客様に与えた時に
その人は、その店の技術の、ひいてはその店のファンになってくれる

 

そんなファンがだんだん積み重なっていって
すごい繁盛店が出来上がっていくのだ

 

パイロットショップである刈谷快洗隊では
来店客の3分の1の方が
「キーパーコーティング」あるいは「クリスタル・キーパー」という
高額商品
すなわちスゴク綺麗になる商品を買っていかれる
「車を洗う」だけではなくて「車を磨いてピカピカにする」商品を
数多く買っていかれる

 

手洗い洗車を好むお客様
特に、“上質な手洗い洗車”を好む客層は
磨いてピカピカにする商品も、高い頻度で購入される傾向がある
これは、何度かのアンケートとか、経験ではっきりしている

 

快洗隊とは、そんな客層を、上質な手洗い洗車と
素人仕事は違う「愛車がピカピカになる磨き」で
ファンを積み上げていく仕組みなのだ

 

この神戸快洗隊では
客層の面でも技術的な面でも、いいものを持っていたのに
受注時の
来店客の接点で、致命的なミスをしてしまっていた

 

決して感じ悪くは無い
好感は持てるし
かわいいスタッフ
でも幼い
高価な自分の愛車に対し、高い商品を注文するには
チョッと抵抗がある
結果的に一番のオススメ品、自慢の商品、ファンを積み上げるための商品
キーパーを注文して頂きにくかった

 

ここが落とし穴だった

 

ベテランで実力のある運営者も
「商品を選んでいただく」という
従来のガソリンスタンドには無かった手法に、戸惑いを感じつつ
お客さんが自分で選ぶのならば
接客はこの子達で十分と、考えてしまったところに大きな勘違いがある

 

お客さんが自分で選ぶのだからこそ
その多彩な嗜好を
十分に受け止めることが出来る経験豊かなスタッフが
接客・受注をすべきであった

 

しかし、繰り返し言っておきたいことは
現スタッフ、高校生クラスの子達は
すばらしくイイ子達であることは、絶対に間違いないということです
本当にいい子達です

 

問題点が分かればこっちのもの
「変えればいい」
店の仕組みを変えればいい
もちろん、あのいい子達を残したまま

 

今回は思い切った変え方をすることにした
「落とし穴」を持ったまま一年間、この店を運営してしまったので
そのイメージが、かなりの人に広がっているはず
それを根こそぎ変えるためには
かなり思い切ったことをしなければならない

 

2カ月がかりのプロジェクトを組むことにした
予算は無いに等しい
でも絶対出来る
確信がある

 

キーワードは「おしゃべり」
この二人が、この店をびっくりするような繁盛店にする

 

 

電話の声にだまされ、笑顔にだまされ・・・・
みんな彼女の“ファミリー”です。
「ニコッと笑って人を斬る」って感じ!? 心熱き熱弁家。

 

 

「今、私に出来る事は!?」が口ぐせの裕子ママ。
行く先々でファンが増え、売れない芸能人より超ハードスケジュール!
各空に輝く星の様な目をしたV6(岡田君)大好きインストラクター。

 

 

私の頭の中で
はっきりとイメージを作ることが出来た
神戸快洗隊
今年の12月は、きっと凄いことになっているだろう

 

ぜひ、何ヵ月後かの神戸快洗隊のレポートを、楽しみにしていてください。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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