谷 好通コラム

2001年08月08日(水曜日)

第190話 Saab340B

今は、名古屋空港から高知へ行く飛行機の中
乗っているのは「Saab(サーブ)340B」
スウェーデン製の飛行機だ
“サーブ”といえば
自動車のメーカーとしての名前の方が、一般的であろう
自動車は最近ではあまり人気も無く、元気が無いメーカーだが
一昔前までは
“ボルボ”と並んで、北欧の自動車
ちょっとインテリの車として、それなりの人気があった

 

“サーブ”は、自動車もさることながら
立派な飛行機メーカーであり
兵器(軍用機)メーカーでもあるのだ
スウェーデンは、軍隊の兵器を、ほとんど自国製で固めている
さらに
スウェーデンは
氷河により造られたフィヨルド地形という
急峻かつ入り組んでいる特殊な地形の国であるので
アメリカなどの一般の国が造った兵器より
スウェーデン独自の兵器のほうが、コスト高になったとしても
戦術的に適している
という特殊事情がある

 

だからスウェーデンの戦闘機(戦闘爆撃機)は、すべて“サーブ”製なのだ
かつての名機“ドラケン”が、長く現役であった後
今の現役の戦闘機は“ビゲン”と言う
変形三角翼で、唯一無二の変わった機体で、特に短距離離着陸性能に優れている

 

今乗っている「SAAB 340B」は
そのサーブとしては、唯一の民間機
戦闘機メーカーの飛行機だけあって、なんとなく頑丈そうに思える

 

以前は、鹿児島⇔福岡便のみに就航していたが
今は、それ以外にも名古屋⇔高知
そして今は、北海道でも大活躍している
その北海道では、日本唯一の国産旅客機“YS-11”が老朽化し
その代替え機として就航しているのだ

 

久しぶりにこの機体に乗った

 

 

機内は3列シート
ボディーの直径は、2mよりホンの少しだけ大きい程度
標準の背丈の客室乗務員が、少し頭を気にしながら
おしぼりサービスをしていた

 

私はこういう小さい機体の飛行機に乗るのが、大好きだ
揺れても全然怖くない
B-747ジャンボのように、大きな機体が揺れる方が
よっぽど怖い
小さい機体が揺れるのは、不自然でなくていい
小さい飛行機は、大好きだ

 

この「SAAB 340B」は、日本エアーシステム系会社の「日本エアーコミュター」
略して“JAC”(ジャックと読む)が飛ばしている

 

そして、この名古屋⇔高知便には
他にも日本航空系の「J.エアー」も飛んでいる

 

その使っている機体が
私のまたまた大好きな“ジェットストリーム3”と言う、もっと小さな飛行機
この飛行機は、操縦席が丸見えなのだ

 

もう一つ、同じく「J.エアー」が、この便に
新しい機体を飛ばしているということを聞いた
ビジネスジェットのように、2発のミニジェットエンジンを機体後方に背負った
ボンバルディ?とか、何とか言う機体で
まだ見ていないし、詳しくも知らない
久々の未知の気体であり
ワクワクである

 

今回は
残念ながら、時刻の関係で、どちらにも乗れなかったが

 

次回は、是非
往復で
両方の機体に乗りたい
高知の方々、もっともっと私を呼んでください
嬉々として
これらのチッチャイ飛行機に乗って、やってくるでしょう

 

・・・・・・
!とっ、ここまで書いて
いつものように、「まもなく着陸いてします」のアナウンスで
あわててパソコンをしまったのだが

 

また・・・飛行機の中で、これを書き始めている
どういう事かと言うと

 

無事に、しかもあまり揺れもせず、着陸したのだが
飛行場に降りたら
すぐに、ひどい雨と、ドシャンバシャンの落雷の嵐
どうも、雷雲つまり積乱雲の隙間を、上手に着陸したのだが
その真下に入ってしまったようで
飛行場では、すごい雷が鳴っている

 

そして、この飛行機は、チッチャイので
ボーディングブリッジに付くことが出来ない
つまり、数段のタラップで地上に降りて
地上を歩いて、ターミナルビルに行くのだが
この雷の中
傘を差して歩くのは、落雷の恐れがあると云うので
飛行機から降りられない!

 

もうそろそろ、30分、“飛行機の中でカンヅメ”状態”
なのだ
積乱雲が上空を通り過ぎるまで
機内で待っていろ、とのことなのだ
チッチャイ飛行機ならでは、のことで、私はむしろ嬉しい
こんなことは、滅多に在るもんじゃあない
※カンヅメ状態の、でも平和な機内。 3列の座席がサーブの特徴

 

 

私はこんなことがあると、ワクワクして嬉しくってしょうがない

 

どうせ今日は、移動すれば良いだけで
午後4時まで事務所で仕事をして
その後は、移動すれば良いだけ
どんなに遅くなっても、どうってことない
こんな異常事態を、経験することなんて滅多に無いのだから

 

どきどきワクワクで楽しまなくっちゃっ

 

とか何とか書いているうちに
“雷雲”が去ったから、降りてください、とアナウンス

 

たった1時間ぐらいの“超安全な冒険”は
あっけなく終わったのでした

 

※見てください、この大粒の雨を! この飛行機の小ささを!

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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