谷 好通コラム

2001年08月06日(月曜日)

第188話 御岳の牧尾ダム

今年は、例年になく猛暑が続いた
ここ2.3日ホッと一息だが、まだまだこのままで済みそうにない

 

地球の温暖化は
人類に限らず地球全体の存亡に関わる、実に深刻な問題だ

 

約10億年かけて蓄えられた化石燃料を
人類は
ほんの百年足らずで
そのほとんどを
一挙に燃やし
つかの間の繁栄をむさぼる

 

百年/10億年
100年/1,000,000,000年
1/10,000,000
1千万分の1
1千万秒⇒166,666分⇒2,777時間⇒155.7日⇒約5.2ヶ月

 

約5.2ヶ月かけて作り上げたものを
一瞬の“1秒”で
燃やすということ

 

ひと月30万の月給として、5.2ヵ月分155万7千円を
一瞬の“1秒”で使ってしまうということ

 

地球の自律的バランスが狂うのは当たり前
今の地球の平均気温は、産業革命以来
約1度上がったという
それだけでこの異常気象
かつての豪雪地帯でも、雪が積もることは珍しくなった

 

あと100年後には、もう5度上がるという

 

平均温度が、たった1度上がっただけで
この暑さ!
あと5度も上がったら、どうなるのか

 

あと、たった100年先のことだ!
人の寿命で言えば、たった1.5人分だ

 

あと5度
たった100年で
急激に上がったら
生態系はことごとく成立しないという
生態系が狂い始めた時
種の存続があまりにも脆いことは、恐竜の滅亡のごときであろう

 

恐竜は約2億年の繁栄のあと
きわめて短期間に滅亡した

 

たった一つの、わずか半径数十キロの隕石の落下があり
上空に舞い上がったチリが日をさえぎり
急激に、数十年間、十数度、気温が下がった

 

そのために、ほとんどの植物が枯れ
食物連鎖の底辺が破壊されることによって
生態系は、壊滅的な打撃を受けた
たったそれだけのことで
2億年(人類100万年の歴史の、約200倍)生き長らえた恐竜は
そのことごとくが死に絶え、激烈な大絶滅があった
これは最近の一説

 

恐竜が生き長らえてきた数億年の年月の間には
何度かの氷河期にも遭った
氷河期と、間氷河期の温度差は、数十度であったが
それは数万年かけての温度変化であり
生物は、“適地への南北の移動”によって生活適応する時間
進化をもって変化、“種として適応”する余裕があり
急激な種の絶滅は無かった

 

“急激な気温の変化”は
種の南北移動による生活域の気温適応を“許さず”
種の進化による環境適応を“許さず”
生態系が破壊され
ほとんどの種の絶滅を招くことになった

 

恐竜の絶滅は、隕石が原因であった、とは
最近の学説の一つでしかないが
論理的な破綻はほとんど無く
そうであったかどうか、確定されている訳では全くないが
そうであっても全く不思議ではない、そうだ

 

巨大隕石の落下による急激な温度変化が
恐竜の絶滅の要因であったとするならば
人類が自ら作った、温暖化による温度上昇に状況が相似している
だから、その事によって広範な絶滅
人類をも含む大絶滅があったとしても、なんら論理的な破綻は無い

 

しかも
彗星による温度変化は
そのチリが数十年、数百年後には地表に落ちてくることによって
比較的短期に解消されたはずだ

 

ところが
温暖化ガスによる温度上昇は、解消される要因が見当たらない
100年で、5度上昇した温度は
1000年後は、どれぐらい上昇するのだろうか

 

ひょっとすると
地球は、金星(ビーナス)になりうる可能性を持っている
生物が存在する可能性が、極めて低い、金星(ビーナス)に
なりうる可能性を持っている

 

人類は、地球を救う力を持っているのだろうか
地球の環境を破壊する力があることは
ほとんど立証された
今度は“救う力”があるかどうかだ

 

人類は、二足歩行を偶然に得たときから
必然的に、自らを、自らが作った力で、絶滅させる力を持った種という
地球上に、いまだかつて存在しなかった種になった

 

私の子が、孫が、ひ孫が、そしてまたその子あたりが
絶滅の危機に直面するのであろう
そのとき人類は、どうするのだろうか

 

今、燃やしている化石燃料が
今、放出しているフロンが(フロンは温暖化効果がCO2の数十万倍)
ホンの“数代あとの我が子”を
猛烈な熱暑の中に、もだえ死に至らしめるのか
人類の理性は、我が見ぬ、子達を救えるのか

 

※※
休みに“御嶽山”に行って来た
その途中にある“牧尾ダム”
鳳来に近い“宇連ダム”にならび
巨大都市名古屋の水がめ、生命線
その牧尾ダムが、このところの渇水でこんな風になっていた
恐ろしい風景であった

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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