谷 好通コラム

2001年04月12日(木曜日)

第82話 閉じこもる人

スクールはいつも盛り上がる
不思議なくらいにだ。ありがたいと思う

 

しかし
残念ながら、大変残念ながら
どのスクールでも同じだが
大勢の中には
どうしても“気がはいらない人”がいることがある
20人とかの内19人までが座学に聞き入り、実技に見入ってくれている中で
一人だけ、最初から「よそ事」のように
興味なさげに知らん顔をしている人がいることがある

 

ナンとかしようと、いろいろ仕掛けるのだが、まず反応しない
放って置けばいいのだが、こちらもついムキになってペースを乱してしまうこともある

 

“仕事をしている時の自分は、仮の姿”
仕事なんかに興味はない
行けと言われたから来ているだけで、べつに話を聞きたいわけではない
かったるい
適当に仕事済ませて、早く自分のしたい事をしたい、遊びたい
そこからが自分の本当の姿
仕事は
仕事が終わってからの本来の自分のために
仕方なくやっているもの、犠牲の時間
嫌な物でしかない、
ホントはもっとラクして、金を出来るだけ沢山もらえれば、なんだっていい

 

モロにその気持ちを表に出す人は、実は少数であって
ポーズだけは熱心ぶっていても
大なり小なりそう思っている人も、結構いるのかもしれない

 

私だって「すべては仕事のためにある」なんて事は、もちろん思っていない
しかし、「仕事は私生活のための犠牲の時間」などとも思っていない

 

仕事をしているときも、遊んでいる時も、くつろいでいる時も
みんな本当の自分だ

 

自分が存在しているのは、他の人の存在があるからであって
他の人が存在していなければ、自分も絶対存在し得ない
だから
自分は他の人のためになる事をしなければ
他の人が自分ためになる事もしてくれない
つまり、価値を平準化したもの“お金”をもらえない

 

他の人のために役に立つこと、だから他の人から報酬“お金”をもらえる
それが“仕事”ということだと思っている

 

そのお金は、家族と私生活の維持、くつろぎの実現と同時に
また、仕事のためにも必要である

 

仕事と、私生活と、くつろぎは、そのどれにも優位性はなく
それぞれの関係に、相互補完の関連があるのであって
それぞれすべてが自分にとって大切であると思っている
そしてそれぞれが楽しいと思っている

 

仕事の時間はとても充実しており
社会との相互扶助の関係を持てば、感謝の関係が発生し
大きな幸せと、報酬を得る事が出来る

 

私生活は、それそのものが大変楽しく、幸せであり、仕事の原動力にもなる

 

くつろぎの時間は、至極の時間
それそのものが幸せであり、私生活の根拠にもなる
もちろんパワーの源になる
(実は私にとってレースは、遊びではなく、くつろぎの時間なのだ)

 

逆に
「仕事は私生活のための犠牲の時間」
そう思っている人は不幸だと思うし、気の毒だと思う

 

“犠牲の時間”だから、もちろん楽しくもない
他の人の役に立とうとは思っていないので、文字通り役に立たない

 

感謝をされる喜びも得られないし
当然ながら役に立たないので、その報酬は多くはない
だから目的であるはずの
私生活も充実しない

 

緊張感のない生活に、くつろぎも意味をもたない

 

価値観を自分中にしか持ち得ないと
自分の中に閉じこもった存在となり
存在そのものがあやふやで、不確実なものになっていく

 

自分自身の存在という根幹に関わる不安が亢進すると
他の人を傷つけたり、自分自身を嫌わせる行為をする事によって
自分の存在を確認しようとすることがある

 

すなわち
感謝される事を、あきらめると
開き直ったように、憎まれ、嫌われることによって
存在を確認しようとする
夜の夜中に、わざわざ人に嫌われる爆音を撒き散らす暴走族などは
その典型か

 

あるいは、「しょせん」「けっきょく」「どうせ」などという言葉を
何に対しても枕詞として使うエセニヒリストもその類か

 

自分の不幸をすべて自分以外の要因のセイにしている
被害妄想型も同類なのか

 

“一度吹っ切って”
仕事に熱中してみれば、アッという間に
自分自身の中にある牢獄から解放されるのに
そうすれば、ものすごく楽しくなるし
すべての事が解決に向かうのに
と、思う

 

私自身にも言い聞かせながら

 

熱心に聞いてくれた今日の静岡ワンデースクール

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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