谷 好通コラム

2021年12月17日(金曜日)

12.17.あくまで二兎を追い続け、意地でも、二兎共に幸せにして見せる

私の左足は、4歳の時のポリオが原因で、

左足のひざ下から足先までが委縮していて、

それでも若い頃はビッコを引くだけで、そこそこ歩けたし、

高校の時はドベではあったが20kmマラソンを完走したこともある。

それどころか柔道初段までも取った。

働き始めてからも、ガソリンスタンドでフィールドを走っていたし、

独立してからも足は痛かったが毎日立って、走って働いていた。

洗車やコーティングの仕事になってからも、日本全国を出張で頻繁に回った。

世界の国へも百回は出張した。

 

歩くのが明確につらくなってきたのは、

55歳過ぎてからだったろうか。

萎縮している左足の足首の骨が変形してきて、

程度を越して変形が進んでからは歩くたびに足首に激痛が走って、

あまり歩けなくなってしまった。

しかし、

5年前、

ドイツのマイスターが造ってくれた装具に近い特殊な靴を手に入れてからは、

生き返ったように歩けるようになった。

しかし、

それでもさらに骨の変形は止まらず、

長い距離は歩けなくなったので。

三年前に、

極軽量のかっこいい特別製の「車イス」を造ってもらって、

新幹線や飛行機での移動の時や、

大きな施設での買い物、博物館・美術館などでは

積極的にmy車いすを使うようになった。

 

my車いすは軽快で自由に操れて、早くて実に快適だ。

しかし、一日中車いすに乗った日が終わると、

足がこわばって筋肉が落ちた実感がする。

太ももの筋肉と尻の筋肉が、車イスに乗るほど弱る。

 

普段、会社にいる時は、車イスには乗らない。

ヨタヨタしながらも歩いて社内を移動するようにしていて、

一日何とか1000歩くらいは歩く。

一日かけてこれくらいなら、足首の骨も何とかもって、

これくらいでも歩くと、

太ももの筋肉も、尻の筋肉も、少々弱っていてもちゃんと戻る。

 

だから、この間の入院後、すっかり落ちてしまった下半身の筋肉で、

立っているだけでもつらかった現状が、

これではいかんと思って、

トレーナーさんに来てもらって二週間前から軽く筋トレを初めて、

かなり戻ったような気がする。

だから、頑張れば頑張っただけの結果を、期待出来ることは判っている。

 

しかし、いずれは骨の変形は進み、

これを止めることは出来ないのだから、

どんなに頑張っても、

いずれは、車イスを完全に使う生活になるのは分かっているのだから。

頑張るなんてことをいつまでもせずに、

あきらめて、とっとと車いす生活になってしまえば、楽だし、

昔もっていた車イスに対するコンプレックスも消えたし、

いっそのこととは思い、その方がどれだけ楽だろうかとも思うが、

やっぱり、少しでも歩けるうちは精一杯歩いて、

歩く筋肉を取り戻す努力をしたいとも思っても、

骨の方が近い将来ダメになって、そんな努力は無駄になる事は判っていても、

やっぱり、やれるだけはやろうという気持ちは捨てられないものです。

 

「二兎追うものは一兎も得ず」と言います。

しかし、

損得を考えて、一兎を捨てるような割り切りをせずに、

二兎をこだわって大切にし、

あくまでも二兎を追い続けて、

意地でも、二兎共、幸せにして見せると、

あらゆる罵声をふりきって、二兎と共に生き抜いて行って見せるのです。

 

 

ふと気が付いたら、「ミミ」の元子分の「子ミミ」に覗きこまれていました。

ドキッとします。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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