谷 好通コラム

2022年03月21日(月曜日)

03.21.CoCo壱番屋の「カレーラーメン」に思ったこと

CoCo壱番屋は、私が起業した頃と同じような時代に、

喫茶店からカレー専門店を立ち上げて、

独特のカレー文化を造り上げ、

今では日本一どころか世界一のカレーチェーンに成長しています。

 

CoCo壱番屋の創業者である宗次徳二氏は、

ビジネスの面で天才であり、個性豊かな超有名人であり、

自分ごときと比べるようなつもりは毛頭ないが、

そういう意味ではなく、

宗次氏がCoCo壱番屋を立ち上げて、

世界一にするまでのビジネスにおいての成功は、

まず最初に味の選定であった。(奥様が選定)

そして、

カレーの辛さと、ごはんの量をお客様が自由に選べるようにして、

トッピングの幅と種類を際限なく拡げたり

奥様の直美さんの才能が加わって、

ブルームシステムという「のれん分け」の仕組みで急拡大を実現したり、と、あったが

基本的には、それほど多彩なものではなかった。

しかし、

その全部が組み合わさって、

素晴らしいビジネスモデルを創り上げたのだが、

パスタでCoCoの拡大が思ったようにいかなかったりで、

多角化には限界があったりもしている。

 

カレーハウスの展開においては、スバ抜けた感覚をお持ちでも、

それが一歩外れると思ったようにいかない。

そんな限界を思って、

宗次氏は、まだ、ぜんぜん若い時に、

経営の実態を大会社のハウス食品に譲ったのではないのだろうか。

 

事業を譲って、何を求めたか、

決して安楽な老後なんかではなかっただろう。

大好きなクラッシック音楽の世界での貢献が目的だったのか。

それはやりたかった事の一つであったかもしれないが、

それが目的のすべてとも思えない。

 

彼は、カレーハウスの世界に没頭して、

常人が思いつかなかったようなカレーの在り方と業態を仕組みで作り上げた。

しかし、事業の永続と展開を考えた時に、

カレーとは違う料理、

例えばパスタであり、何らかのジャンルを考えた時に、

彼は、その料理の世界に没頭して、

その別な料理の在り方を根本的に考えたり、業態を独自に考えて、

その料理独自のビジネスモデルを考えたのではなかったのだろうか。

カレーハウスCoCo壱番屋を造った時のように。

それが、この事業全体の永続と展開に必要であると思えたのではないか。

しかし、

その方向で行き詰った時に、

自分の造り上げてきた価値観と感性の中では発想の限界を見て、

他の感性と価値観にある部分を任せることに気が付き、

大会社であるハウス食品に事業を委ねたように思えたのです。

大会社に身を委ねるということは、

大会社を構成する多くの人の感性を全面的に受け入れるという事であって、

研ぎ澄まされた自分の感性に、

多くの人の、つまり、みんなの価値観と感性を受け入れるという事になる。

そうすると、

初めて、

自分の感性と価値観だけでは出来上がらなかったものが、

みんなでやるうちに、

だんだん出来るようになってきて、

自分の感性では、とうてい受け入れがたい物でも

みんなが受け入れられる形でだんだん出来上がってくるようになって、

それが事業の多彩化と多様化を実現して、

しいては、事業の永続と展開を実現するようになるのではないか。

それが、今に進んで、カレーラーメンになったのではないか。

 

逆に、宗次氏が現役だったら、

カレーハウスCoCo壱番屋のメニューにカレーラーメンを造ることはせず、

カレーラーメンのあるラーメン屋CoCo」を創ったのではないだろうか。

そんなことをふと、思ったのでした。

 

私は一年前に、

軽自動車専用のカーコーティングを造りたいと思って、

実際に軽自動車を自分で(自費で)買って、

一年間のかなりの時間を軽自動車に乗っていました。

軽自動車に乗っている人の気持ちになり切ろうと思ったのです。

しかし、それが間違いであることに気が付くまで、随分時間がかかりましたが、

ある人の言葉で、ふと自分が女性の感性に気が付いた時、

軽自動車専用カーコーティングの代わりに、ECOダイヤが出来ました。

 

KeePerと、KeePer LABOが事業として、

永続的に発展していくには、

自分の感性と価値観をどこまでも追及して行っては、ダメなのだと思い、

かえって、

みんなの感性と価値観を持ち寄って、

自由で濃密なコミュニケーションを持続できた時に、

初めて、事業が永続的に創造し続けられるものだと思ったのです。

その為には、

“より優れたみんな”を、造り出し、

維持、発展して行く為に、

CoCo壱番屋が、

ハウス食品に会社を委ねたような手段も、

相手次第だとは思いつつ、非常に有効な手段なのだと思ったのです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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