谷 好通コラム

2023年04月29日(土曜日)

04.29.他人からの評価を幸せとするなら、それは自分の人生か。

「人は褒めて育てよ」とは教訓としてよく書いてあるが、

私自身は、褒められて嬉しいとは思わない。

私は私として

私自身の価値観を持っているし、

他人は他人で、

その人自身の価値観があるはずだ。

だから、自分とは違う価値観を持った人から、

自分の価値観とは違う尺度で褒められたとしても、私は嬉しいとは思わない。

へ理屈のようだが、私は本当にそう思う。

しかし、だからと言って「人は叱って育てるもの。」とはもちろん思わない。

 

人は”絶対的な価値観”を持てるものでないと思う。

だから、絶対的に正しい人もいず、

人を抑圧し殺して良い理由もなければ、それをしても良い正しい人もいない。

だから独裁者はその存在自体が間違っているし、

正しい独裁者という存在はあり得ない。

 

また人が唯一正しい存在、

最高の存在であるという訳でもないのだから、

人間の都合や勝手で、

人以外の種を滅ぼしてもいい理由はないし権利もない。

 

話がそれたので、戻す。

 

多くの人は褒められることを嬉しいことであり、誇らしいことだと思う。

それも、褒めてくれる人が上の方の人であればあるほど、

あるいは。公な立場から褒められると、さらに嬉しいしそれを誇りとする。

むしろそれが普通で、

私は、褒められて嬉しいとは思わないと書いたが、

きっと、私の方がへそ曲がりなのだろう。

 

多くの人が、上の人から褒められる事を進んでする。

それはおかしなことでも、

間違ったことでもない。

自分も絶対的な正しい存在ではないのだから。

他人の考え、評価を受け入れることは正しいし、そうあるべきだと私も思う。

 

しかし、他の人からの評価、

例えば上司から褒められることを”目的”にして、仕事をすると、

自分はそれでもいいかもしれないが、

褒められるのを目的にすることを受け入れられない部下、あるいは仲間は、

その人と目的を共有することは出来ないだろう。

本来、

共有すべき目的は、その仕事の目的そのものであるはずだ。、

 

仕事の目的とは

例えばそれが農業ならば、作物が良く実り、

それを食べる人が喜んでくれて、

その作物の売り上げで、家族やみんなの生活を支えることだろう。

しかし、

例えば、大昔の小作人は、

丹精込めて作物を育てても、

高い小作料や年貢を納めたら手元に残るのはほんの少しで生活は苦しい。

でも、その作物を誰かが、おいしく食べて

喜んでくれることが一つの救いだったと、何かで読んだことがある。

そういう小作人は、きっと、

庄屋さん、お代官様、お殿様から褒められる事を”目的”にして、

作物を造ったのではないのだろう。

 

 

もう一つ例えば、

他人からの評価でも、

それがお客様からの評価ならば、

仕事の目的が、お客様に選ばれ、買われ、

使って(食べて)喜んでいただくことで、そしてリピートすることだから、

それを目的とするのは、仕事の目的そりものだから、

仕事の仲間とも、上司とも、経営者とも共有できる。

 

しかし、

自分の上司が、

社長の顔色ばかり見ていて、

みんなで考えて、良しとして選択した物が、

社長の好みと機嫌だけでボツとされても、

その上司は何らの主張することもなく、隷属的に従ったとしたら、

その上司は、部下たちからの信頼はまったく得られないだろう。

 

他人からの評価そのものを自分の目的にする人とは、

いつも人の顔色を見て、

いつも人からの自分の評判を気にしてばかりいる人は

自分自身の価値観がないのではないかと疑ってしまう。

 

他人の価値観で自分が評価されることを

自分の目的にしていること自体が、

むしろ、おかしいことに自分は気が着いていない。

しかし、そういう人は意外と多い。

たとえば、

上の人(or権力)におもねり、従属的or隷属的になることで、

その上の人から可愛がってもらいたい(特別扱いして欲しい)と思う人がいる。

そういう人は、見え透いたご機嫌取りみたいなことを言ってきたり、

自己犠牲みたいなことをわざわざするので

気持ちが悪くって仕方がない。

だから、気が着かないふりをしたり、冷たくすると。

「報われない・・・。」と、つぶやき、

勝手に裏切られたと思い込んで、勝手に反撃してくる。

こんなのには、ずっと気が着かないふりをしてやり過ごすしかない。

 

逆に、

他人に対して、

とりわけ自分の部下に対して、

強圧的、支配的な言葉と態度で、自分に従属的にあることを求める者もいる。

普通によくいる。

いわゆるパワハラと呼ばれる場合に多いが、

言葉上では、注意深くパワハラになることを避けていても、

自分の立場が高くなったら、当たり前のように支配的になる人は普通にいる。

そして、必ず、そんな人の下には、

人から褒められ、可愛がられる事が大好きな隷属人間が、集まって来て、

組織はゴマすりと忖度ばかりの集団に堕ちて、一挙に弱体化する。

 

威張って、自分にご機嫌取りをするような人間ばかりを重用するような人は、

そこまでの人であり、

それ以上に上がっていくことはない。

逆に、そんな人をどんどん上にあげていってしまうような組織は、

内側にだけ強く、外には全く力のない弱い組織になって

遅かれ早かれ必ず衰退するか、破綻する。

 

 

他人の価値観での評価で、

自分の人生を決められたくないし、決めたくない。

自分自身の価値観で

自分で、自分を動かすことが出来る自分でありたい。

だからこそ、

自分が快楽を求めたり、利己に走ったりもせず

あるいは自分を絶対的な善であると勘違いするような独りよがりにならず、

自分が正しいと勘違いをせず、

公平な価値観を持ちたい。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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