谷 好通コラム

2017年12月19日(火曜日)

12.19.古くても、良きもの、ほしいもの

何年か前に患った椎間板ヘルニアが発症して
ある巨大な病院にかかったが
一向に衰えない痛みに強い鎮痛薬を飲み続けたがあまり治らず
たまらず、別の少し大きな病院にセカンドオピニオンを頼り、
その時の稻田先生が丁寧な触診の上、処方してくれた薬を飲んだその夜、
二年間痛み続けた腰が、その夜のうちに無痛になって治った。
その薬は鎮痛剤ではなく
先生の言葉では「神経の滑り」を良くする薬と言う。
よく判らないが、それで二年間の苦しみから解放された。
稻田先生は以前その大きな病院に引き抜かれて、
副院長として就いているが
現役の診療医で、ずっと現場で活躍している。
ものすごい人気で、先生の診察室の前には何十人もの患者が並ぶ。
私もそのうちの一人で、3か月に一度1時間近く待つが、
実際の診察、触診はものの二分くらいで終わる。
診察がものすごくてきぱきしていて
両足と足首を力を入れて押して、何かを調べ、
「よしっ、こんなもんだろう。うまく付き合っているね。いいよっ。」
稻田先生にそう言われると、すごく安心する。
その大きな病院は、たくさんの患者で溢れ、みんな笑顔だ。
この少し大きな病院は、
この稻田先生というスーパースター的な現役先生のおかげで、大繁盛です。

 

それに反して、二年間も通ったあの巨大病院は、
圧倒的な新しい施設と設備にもかかわらず、
最初の頃に比べると、患者さんの数が明らかに減って、
薬が出るまでの時間も最初は1時間近くかかっていたものが、
今では10分もかからず出るようになって、
明らかに患者さんの数が減っていた。

 

病院には、患者は病を治しに来ているのだから、
よく治してくれる病院に自然に集まってくると言うことなのだろうか。
逆に、治らず懲りた患者が多くなると自然にそこから去っていくのだろうか。
患者の目的を果たしてやらないと、
どんなに豪華な新しい設備があっても治せなければ患者には無用でしかない。

 

いい病院とは、古くから、良い先生がいる病院のことをいう。

 

 

その良い病院の近くに、
古めかしい喫茶店があって、
たまたまその店に昼食を食べに入った。
何十年も前に出来た喫茶店だろうか、
古いだけで歴史を感じるようなしゃれた喫茶店ではない。
でも、すごく混んでいて、待ち客まで出ている繁盛ぶりだ。
それでも、
私が頼んだメンチカツランチは、
注文してから意外なほど速く出た。
あまり味は期待していなかったのだが、
そのランチは意外なほど美味しかった。
特にごはんが美味しく、私には珍しく全部食べてしまった。
半分残せなかった。
また来ようと思った。

 

この古いだけのような大きな喫茶店は、
昼食が速く出て、食べる食事が美味しくて、特にごはんが美味しくて、
きっとみんなが「また来よう」と思っているので繁盛しているのだろう。

 

目的が叶ったのだ。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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