2001年03月05日(月曜日)

第44話 知り合いになれる

今、岡山から四国の伊予三島行きの電車の中
1時間半以上もあるので
今日は少し長文を

 

ITとは情報技術と言うことだが
情報技術と言えばインターネットの事を指すとは限らない

 

大切なことは、本当はもっともっと基本的なことだと思う

 

第1話、第3話に登場した歯医者さん「堀田歯科」
この先生は、治療中ずっと“しゃべり続ける”

 

「今、2本目にかかっていてちょうど山場なんだよ
ここがうまく行くとあと楽なんだな
よ～しよ～し。完璧だな♪」

 

「オ～イ、これどうなってんだ。複雑すぎて解らんくなっちゃったよ
一緒に見てくれよ」と技工士さんを呼ぶ

 

「最後のこれがバッチリ来るとOKなんだけど
そうはうまく行かんよな
あれっ、すごいじゃん、バッチリだよ
こんなにうまく行くとラッキー過ぎだヨナット♭」

 

などなど、一部分を書くと“大丈夫なの?”と思われるかもしれないが

 

今何やっているのか、どんな風なのか
全部リアルタイムでしゃべり続けるのを聞いていると
自分がどうなっているのかよく解って
しかも楽しそうな先生の口調に
「ものすごく安心」なのだ。
全く不安ではないのだ

 

もともと私は歯医者が大ッ嫌いだった、こわかった!

 

いままでは
キィィィィ～ンンンンッというドリルの音
こちらは、ただ、ただ急に激痛が来るのではないかと
怯えて
身を構えているだけ
“権威ある”お医者さんは、黙々と治療を続ける
ちょっとした痛みに怯えて、身を捩ろうものなら
「ジッとして!危ないですよ!」と叱られる
今何やっているのか、どうなっているのか
皆目解らない
うまく行っているのか、チョット困っているのか、どうしようもないのか
情報の全くないまま
こっちは耐えているだけ

 

この堀田さんは
ナンでもしゃべり続ける
自分がどうなっているのかよく解る
しかも、時たま鏡を持ってきて「見てごらん」と、見せてくれる
「ホーッなるほど」と納得してから、また治療が続く

 

自分の技術によっぽど自信がないと
これは出来ないこと
自信があるから
情報をすべて与えることが出来る

 

全部知らせてくれるから、全面的に信頼できる

 

※※※ 自信あるが故に知らせることの出来る強さ ※※※

 

この歯医者さんでは、ITの本当の意味についてずいぶん勉強させられた

 

また
仙台のホテル(メトロポリタン仙台というチョットだけいいホテル)
私は仙台に行ったときにはこのホテルを使うことが多い
ものすごく気に入っている

 

電話で予約してから行くのだが
フロントで私の名前を言うと
「いらっしゃいませ、本日は○○号室をご用意させていただきました」
と、こちらが何も書かなくても
フリーパスで部屋のキーをくれる

 

もちろん私の好みの部屋を
(好みの部屋といったってエレベーターから離れている事というだけなのだが)
このホテル、少しはビジネスホテルより高いが
決して超高級ホテルではなく
シティホテルの部類に入る程度

 

 

このホテルは“私のことを知っている”
それだけで私はここを信頼してしまっている。

 

※※※ 知っていてくれている事の安心感 ※※※

 

・・・自分の事を知らせてくれて・・・
・・・相手も私の事を知っていてくれる・・・

 

「知り合い」の関係
「ワンツーワン」なんていうと、何かと思うが
日本語で言えば「知り合いになる事」ということか

 

そういう意味で
“IT”つまり情報技術とは
一人一人と、いかに効率よく「知り合い」を増やしていく事が出来る“技術”だと
すごく便利な技術と
私は今、思っている

 

自分が本物であれば
そのすべてを知らせる事を躊躇なく出来
過去からの人脈とか、権利関係とか、しがらみに縛られることなく
新しい可能性を自由に開発できる
素晴らしい時代

 

自分の事を知らせて
相手の事を知って、キチンと大切にする事が出来れば
全く見ず知らずと人と
「知り合い」になれる、素晴らしい“IT”
もっともっと活かして生きたい

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