谷 好通コラム

2001年08月11日(土曜日)

第192話 よさこい祭り

9日の夜
高知に泊まった
帰ろうと思えば帰れたのだが
前話の土佐鉱油さん“新洗組”での話が、どれだけ時間がかかるかということと
桂浜に行って「坂本竜馬」の銅像に遭いたかったから
とか、どうのこうの言って
結局泊まった

 

その夜は「よさこい祭り」の前夜祭であった
もちろんこれも見たかった

 

この祭りは初めて見るのだが
若い子達の祭りだ
若い子達が、奇抜な格好をして
集団で、今風の踊りを踊りまくる

 

音楽の中に部分的には、なんとなく「よさこい節」が入っているのだが
基本的には、ロックである
一組100人ぐらいのチームが、何十組と来ていて
ステージの上で順番に踊った
明日からの本番では、中央公園を中心にして
あちらこちらで踊るようだ
一日何回も踊るそうだ
それを、前夜祭も含めると4日間もやるのだ

 

大変なパワーである
今日はステージで一回だけ順番に踊ったのだが
それだけでも熱気ムンムン

 

 

踊る順番を待つ隊列でも、すでに大騒ぎであった
これから4日間は、みんな一人一人が「スター」だ
みんながスターだ
男の子より、女の子の方が多い感じ

 

みんながスターになれる、そんなところが「祭り」のいいところ
巨大な情報時代
その中に自分を、つい見失ってしまう
自己喪失の時代でもある

 

そんないつもと違って
今日はスター
大勢の人が、自分(達)を見ている
その中で思いっきり、自分を発散し、表現する
自分のどこにこんなにパワーがあったのかと、本人自身が驚くほどのパワーを
出し切って
4日間が過ぎていくのだろう

 

一人一人の費用も馬鹿にはなるまい
衣装も、結構金がかかっていそう
東京とか遠くから来ているチームもある、遠征費もたいした金額だろう
誰が応援してくれるわけでもなく、全部自分で稼いで出しているのだろう

 

何のために
それによって何か利益があるわけでもない
「楽しいからやっているんだと、ただそれだけだ」と、
出演者がインタビューに答えていた

 

100人もの仲間と、多くの人の目の前で
練習に練習をかさねた踊りを、披露することで、楽しむことで
表現することで

 

自分が一人ではなく
大勢の中での自分を、体中で感じることで

 

自分自身を確認しに来ているのかもしれない
この祭りは最高です
今度は、ぜひ本番のときに来て見たい

 

 

この日は、近くの川で花火大会もやっていた
無理して足を伸ばしたら
やっぱり人、人、人
ホテルに帰ったころには、完全にグロッキーになってしまった
参った

 

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2001年08月11日(土曜日)

第191話 人間アナログ

9日、高知でのワンデ―スクールが終わったあと
そのまま、地元のSSさんに行った
ここは随分前に、このコラムでも紹介した“新洗組”という
快洗隊モドキのSSである

 

坂本竜馬の出身の町、土佐高知で
なんで竜馬の宿敵である「新撰組」にもじった名前“新洗組”に,わざわざしたのか
「快洗隊」という名前のほうが
竜馬が隊長であった“海援隊”にちなんでいて、最適ではないか
なのに、なぜ“新洗組”なのか
と、ずっと思っていたのだが
今回、高知の町を歩いてみて
その理由がなんとなく解ったような気がした

 

高知市内、どこを走っても歩いても「竜馬」だらけなのだ
坂本竜馬の名前が書いてある看板が、山ほどあって
そこに「快洗隊」とは
“いかにも”過ぎるのである
このSSは別に観光客相手に、商売している訳ではないので
「快洗隊」とするのは、逆に抵抗があったのかもしれない
謎が解けたような気がした

 

この会社「土佐鉱油」さんの中西課長
この人は、面白い人
パッと見た感じは、普通のSS所長さんなのだが
何軒かのお店をまとめている
いかにも叩き上げで、ずば抜けて実行力がある
新撰組をこれからどうやって、もっと盛り上げていくのか相談を受けたのだが
その中西さんが面白いことをおっしゃっていた

 

「高知の人は、言葉の交流、気持ちの交流を、ものすごく喜ぶ」のだそうだ

 

この前、90坪の小さめのスタンドを引き継いだ、という
引継ぎ時のガソリンの出荷量は、わずか60klぐらいたった
それを今は
280klも出荷販売するスーパースタンドにしたそうだ

 

販売促進の方法は、しゃべり続けること
とにかく、お客さんとトコトンしゃべったそうだ

 

この店では、窓ガラスも拭かない、灰皿も客が自分で捨てる
いわば、「スピードサービス」とか「セミセルフ」というスタイル
それを
スタッフは、給油しか、やることが無いわけだから
とにかく「しゃべる」「しゃべる」
客としゃべる
客とのコミュニケーションを徹底的にとる
そして
信頼できると思った地元の人には、個人にも「掛売り」をどんどん作ったそうだ

 

「掛売り」は、今の時代に逆行した販売方法であって
かの昔、掛売りが主流であった時代
ガソリンスタンドは「焦げ付き」に悩まされた
ツケを払わない客がいっぱいいて、スタンドの所長さんは頭を痛めた
その掛売りを
しかも個人に対して口座を開いていくというのは
今の時代からすれば非常識であろう

 

しかし、「焦げ付き」は“ゼロ”だそうである
信用できるかどうかは、課長が判断する
いろいろな基準はあるのだろうが
結局は、肉声でのコミュニケーションの中で判断するという
それを判断できるのは、この課長ならではのものがあるのだろう

 

しかし、掛売りになった客は
「自分を信用してくれた」と
完全にその店のファンになってくれると言う
そして、このすばらしい結果

 

※その中西さん

 

 

これは、誰にでも出来ることではない
ある意味では非常に危険な方法だ

 

しかし、非常に納得できる方法でもある

 

きっとノウハウがいっぱいあるに違いない
短い時間の中では、とても吸収し切れなかった
いつかしっかりとお伺いしたい

 

私は独立してから約17年経つが
ありがたいことに
いまだに「焦げ付き」はゼロである
つい最近まで、新規の口座を開くには、必ず私自身が面談させてもらうことにしていた
信用できるかどうかは
その会社の規模、歴史の古さ
社員の数
有名かどうか
などということより、その経営者の人柄に尽きると思っている
それは、実際に会ってみなければ分からない
だから必ずお会いして
ジックリとお話をさせていただくことにしてきた

 

サラリーマン時代、何度も何度も「焦げ付き」を経験して
いつしか、ある程度「直感」が身に付いたのか
掛売りを作っても良いかどうか、その判断に妙に自信がある

 

信用できるかどうか、ということは
デジタルではなく、アナログである人間次第だと
人間はつくづくアナログである

 

 

大好きな“坂本竜馬”
何の後ろ盾も無く、
自らの理想をもって、自らの実現力だけをもって
時代を、濃く生き抜いた

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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