谷 好通コラム

2001年12月21日(金曜日)

310話 北海道の高さん

私たちがキーパーを持って、全国に行き始めたのは約10年前
最初に行った所が仙台
次が北海道の札幌であった

 

当時の共同石油の方からの紹介で
札幌のミツワ商会さんという用品やさんに行った
キーパーの話を最初に聞いていただいたのが
「高さん」(タカと読む)
当時、ミツワ商会さんの札幌営業所の所長さんであった
その札幌営業所は、月寒から豊平川を渡ってちょっとのところで
国道から一本入った路地にある(“すすきの”のすぐそば)

 

「こんにちはー、アイ・タック技研と申します。共同石油の○○さんからのご紹介で伺いました。」
そのとき事務所にいたのは、高さん一人
何か書き物をしていた
「ちょっと、ストーブにでも当たって、待ってて。すぐ終わるから」
と、約30分
外は雪
あったかーいストーブに当たりながら、私は不覚にも
ウトウトっと来ていた
そこに若い子が入って来た
あとで聞いたら、以前に勤めていた子で
高さんを慕って、時たま遊びに来ていたのだそうだ
その子と一緒に
出前のラーメンをご馳走になり、仕事の話をしないままお腹が一杯になって
私の頭はボーっとしてきた・・・ねむい!

 

と、おもむろに
「じゃっ、持ってきたもの見せてもらおうか」
不意打ちの営業開始
雪の中、閉じそうになる瞼を必死にこじ開けて
高さんの奥さんの車を、ボンネットだけチョコチョコとキーパーで磨いて見せた
「・・・すげえ!」
「ちょっと俺に貸して見れ」
と、私からキーパーを取り上げて、夢中でかけ始めた
「これは、いいわ・・」

 

あとは、あまり私の説明を聞こうともせず
一方的にしゃべり続ける
キーパーをちょっと触っただけで
高さんはすっかりキーパーを気に入ってしまったようだ

 

それから本社に紹介してもらって
本格的に販売し始めるのに時間はかからなかった
高さんがこの商品の可能性について、上司に熱く語ってくれたおかげだ

 

私達スタッフ(当時は4人ぐらいしかいなかったが)は
初めての北海道のあちらこちらで、同行販売をすることになった

 

観光気分ムンムンの私達は
「ヤッパ全国展開はえーわー、最高やね」と
春と夏の北海道を“半商半観”で、走り回ったのであった

 

やがて秋から冬!
同行販売は、まだ波状的に行われており
その頃には北海道は、極寒の大陸になっていたのである
経験したことのないマイナス十度、二十度の世界で
こんどは
「全国展開はやっぱ、ツライわ」
と、ボヤキながら
私達は、言うことを聞かない手と指で、鼻水をすすりながらキーパーをかけていた

 

そんな私たちを、一番面白そうにいびっていたのが高さん
「北海道はゆるくないっしょー」
「内地の人は、たよんないねー」
道産子なまり丸出しで、私たちは笑い飛ばされていた

 

あの頃の北海道での経験が、アイ・タックの今を作ったようなものである
色々な経験を通じて自信を持ったし、力も付けた

 

何年か経った後、その高さんが、突然会社を「辞めた」と聞いた
いろいろな事情があったのであろう

 

その話を聞いて、私はすぐ札幌に高さんを尋ねた
「うちの会社に来てくれないか」

 

その後、色々いきさつがあって
やっとの事で
私達は、高さんに来てもらう事に成功した

 

あれからもう何年経ったのだろう
高さんは、わが社札幌営業所の責任者として北海道全道を仕切っている
独特のしゃべりと
相手に、いいものを伝えたいという熱意を、表にまともに出して
今日も北海道中を走り回っている
私は言っている
「北海道は、高さんのもの、好きにしてくれればいい」
そして彼は、それに応えてくれている

 

今年の札幌は、12月としては記録的な大雪が降って
懸命の除雪作業が行われていた
それでも道の脇には、うず高く雪が積まれている

 

 

※高さんがお世話になっていたミツワ商会さんと、高さん(どこに写っているか解りますか?)

 

 

※帰りの千歳空港も雪があちらこちらで山になっていた

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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