谷 好通コラム

2002年01月20日(日曜日)

336話 キャッシュバック

全日空では今、「キャッシュバック・キャンペーン」なるものをやっている
非常に単純な企画で
発券、つまりチケットを買う時に、空港の自動発券機をつかうと
50枚に一枚の確率で、黄色いチケットが出る
その黄色いチケットが当たったら、チケットの額面を“現金”で返してくれると言うもの

 

これは、特にひねった仕組みを考えてある訳でもなく
単純そのものの「くじ」である
だが
実に理にかなったすばらしい企画である
これは大ヒットするであろう
そして、莫大な営業効果を出すだろう、と思った

 

「当たったら、現金をその場で返す」

 

☆この企画のメリット

 

1.現金

 

“現金”は、どこでも、何にでも使える最高の万能景品
これ以上のものはない

 

2.刺激的

 

その場で当たる
射幸心を煽るには、まどろっこしいほど、効果がダウンする
“その場で”が、一番

 

 

3.郵送料

 

“その場で”、という事は、主催者側と参加者の両方とも「郵送料」が不要
このことは大きい
大量の人を対象とする企画の場合、郵送料は莫大なものとなる
ちなみに
キーパータイムスは、郵送している部数だけでも現在7800部あって
1部につき80円で、計624,000円
正直、これは大きな負担だ
キーパータイムスの発行経費の半分以上を郵送料が占めている

 

この企画では、それがほぼゼロである事は大きい

 

4.個人に当たること

 

このチケットが会社の出張のためのものであろうと、何であろうと
当たるのは、個人
特典が個人に行くという意味は大きい
主張のチケットの購入方法まで規制している企業は少ない
ならば
個人に何らかの特典がついている購入方法を選びたくなるのも
人情か

 

5.不景気
この不景気、お父さんたちのお小遣いは“減っている”
会社にも、女房にも知られない
つまりその場で当たる未公開的現金は
この時期、お父さんたちには超魅力的である
ビジネスホテルでは、この手法をすでに何年も前から取っていて
お父さんたちの財布には
ビジネスホテルのポイントカードが、必ず入っている

 

6.タダ同然のプレミア
50枚に1枚がタダになる。つまり2%の還元
しかも正確に2%の還元で済む
これは景品の魅力の大きさから考えると、とてつもなく“安い!”
「特割」とか「超割」とか、運賃をダイレクトに割引く場合
30%~50%のプレミアを付けなくては効果が無い事を考えると
2%なんて、ほとんどタダ同然である

 

7.ダイレクト購入が増える!
現状、航空券の購入の約3分の1が「旅行代理店」を通じて行われている
旅行代理店は、発行手数料として5%~15%取っていて
航空会社の販売実質単価を圧縮している
このキャンペーンは、その運用が、ダイレクト購入を前提にしているので
実質単価を引き上げる効果がある
この効果だけで
このキャンペーンの経費全体を
埋め合わせるだけの効果があるかもしれない

 

8.自動発券機の活用
この企画は、発券業務を機械にやらせる
つまり、最もコスト削減であるところの業務の機械化
これを前提に行われている
自動発券機を使ったときに“当たる”のだから
今まで、自動発券機を使いたがらなかった人を、機械に慣れてもらう効果がある

 

9.有人の窓口が暇になる
チケットを買う人が自動発券機に行くので、係員のいる窓口が暇になる

 

※手前の窓口はガラガラ、みんな向こう側の自動発券機に行ってしまった

 

 

10.有人窓口の活用
景品の引き換え
つまりキャッシュバックを暇になった窓口の係員にやらせることが出る
窓口の彼女たちは、現金を扱いなれており
この企画のためのインフラがすでに整っている
だから、現場での人件費の増加をゼロでいける

 

11.笑顔の活用
当たった客はうれしい
そのうれしさを、窓口において対面で対応する事によって倍加する

 

12.本部経費がほぼゼロ
この企画は、発生から清算までほぼ現場でやるので
本部において、手間がほとんどなく
余分な経費がかからない

 

◎時勢にジャストフィットした欲求を満たす形で
◎最低限の経費で
◎もっとも大きな効果を
◎短期間で上げる

 

私は、この企画が合理的であり
かつ、ナンバー1のシェアを持つ全日空であればこそ出来た
この企画である事に
戦慄を感じたのである

 

今度、経営統合する「日本航空」と「日本エアシステム」
一緒になってとんでもなく大きくなるが
両方とも
元運輸省の官僚どもを、天くだりで、山程抱え込んでいて
彼らが経営陣を占めている

 

彼らに、この「キャッシュバック・キャンペーン」の恐ろしさが理解できるだろうか

 

時代は変わった
この時代は、発想の豊かさと、合理性に満ちたすばやい実行力が、ものを言う
権力機構の中枢に「顔が利く」だけでは
なんともならない時代

 

今日は、明日からの仕事のために
名古屋空港から新潟に飛んだ

 

普段はほとんどガラガラの名古屋空港の自動発券機の前
その人だかりと、誰も並んでいない航空券販売窓口
見て、そんな事を思ったのでした

 

名古屋から新潟の飛行機から見た
すばらしい雪山
この航路は、距離が短いので
飛行高度が異例に低い
普段は10000mぐらいが、今日はわずか5000mほど
だから日本アルプスが
特に、特に、すばらしく綺麗に見えた

 

 

遥か向こうに見えるは、槍ヶ岳の尖がりテッペンか

 

う~~~~~ん、きれいだ

 

今日は、このコラムを書き始めてから、ちょうど丸1年目の日です
読んでくれていた方々ありがとうございました
もう1年経ってしまいました

 

明日から2年目・・・

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2002年01月20日(日曜日)

335話 儲けものの日

土曜日
事務所は休みである
誰も出てこなければ、また、音楽ガンガン鳴らして
好きなだけ、のびのびと、じっくり仕事が出来る日である

 

朝早く、出先きから会社に来た
案の定、誰も出てきていない
営業スタッフは、年末に快洗隊に応援に出ているので
ゆっくり、みんな休んでいるのだろう、シメシメ
早速、パソコンのCDドライブにソフトを入れ
フルボリュームで、YOYO-MAを事務所に鳴り響かせた
まさか、仕事の原稿が、こんなシチュエーションの中で書かれることもあるとは
誰も思うまい

 

私は、意外にもクラッシックが大好きで、それもバロックがことのほか好きだ
鑑賞するのではなく、ガンガン鳴らして
好きな事をする
最高
(変な私の音楽趣味については、いつかそのうち)

 

しかし
調子が乗ってきたところで
誰かが事務所に出てきた
がっかり
急いでボリュームを最低に落とす
そのうち、2人、3人と出てきて、普通の日と変わらなくなってきてしまった
しょうがない、静かに仕事をやろうか

 

夕方になったら
予定通り、グリットの吉田君がSHIMIZUさんと一緒にやってきた
長い時間をかけて作ってきたものが終盤にかかっていて
かなり、イメージを持つ事が出来るようになってきた
この段階まで来ると
後は結構スムーズに進むものだ

 

今作っているのは、「会社案内」、「新・洗車メニュー」と「商品カタログ」
洗車メニューと、カタログは
社内の若いスタッフがイニシアティブを持って作り始めた
なかなか良い感じであった
確実にレベルアップしている
これは、注文をつけるほうも、付け甲斐があった

 

かなり良いものが出来上がる事は間違いない
大変楽しみである

 

会社案内は、今回初めて作るもの
この会社は「会社案内」を作ったことがない
特に理由はないが、それを作るなら、あれも作りたい、これも作りたい
と、結局後回しになってしまい、結局、会社創立以来「会社案内」は作らなかった
しかし、この会社、「どんな会社?」と聞かれると
どこから説明してよいやら困ってしまうのだ
「洗車について何でもやっている会社です」
そんな風に言うしかない
いい加減に会社案内を作らないと失礼になる
そう考えて
今度こそ作る事になった

 

一生懸命考えて、話し合うと時間があっという間に経ってしまう
夜10時、一応の結論に達し
解散

 

集中した時間を持ったときは
すごく得したような気がする

 

儲けものの日であった

 

先日、滋賀の工場に行ったとき
駐車場の脇の斜面に、松が植えられていて
松葉がびっしり、綺麗に斜面を覆っていた
綺麗なものを見た
儲けものであった

 

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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