谷 好通コラム

2002年04月26日(金曜日)

406話 洗車とラーメン? その1

この話は、札幌から福岡への飛行機の中で書き始めました。
札幌→福岡の便は、国内線としては最長の路線の一つ
飛行時間が2時間以上、と聞いて
突然、「洗車とラーメン」の続編を書く気になったのです
もちろんキーパータイムス12号の締め切りが迫ってきている事も要因ですが

 

では「洗車とラーメン?その1」

 

これまでの話「洗車とラーメン?~?」において、洗車という商品は、ユーザーにとって千差万別の欲求が存在するものであって、ガソリンなど燃料油の販売のように、決まった商品を売るような販売感覚では、ユーザーの欲求を満たすことは出来ない。
洗車はラーメン屋のような感覚を持って考えたほうが、むしろ分かりやすい。などと書いてきました。

 

では、具体的にどうすればいいのか。
まず、今の洗車商品の品揃えを考え直すべきであると思うのです。
今、SSで販売されている洗車は、どのSSで販売されているものも似たり寄ったりであって、あまり代わり映えがしません。
SSは、燃料油のように同業者と全く同じ品質であり同じ品種の商品を販売している業種であるから、そのことが普通であると思ってしまっている。が、考えてみれば、同業者がどの店でも同じようなものを売っているということは、一般の商売からすると極めて異例のことだと思うのです。一般の商売ならば、商売ガタキの商品よりも、自分の店の商品の方が「買う価値がある」ものであること、つまり商品開発やより競争力のある商品を仕入れることに、精一杯の努力をするものだ。
つまりラーメン屋にたとえるならば、よりたくさんの人に隣のラーメンよりも自分の店のラーメンの方が「うまい」と言ってもらいたい。それが店の繁盛の一番の早道であり、いろいろな味を研究し、よりたくさんの人に食べてもらえるようなラーメン作りに努力するものです。

 

洗車メニューを「拡大」する。SS洗車は「竹」
過去において、ガソリンなどの燃料油の口銭が十分にあった時代には、洗車は、出来るだけ給油作業の邪魔にならないことが絶対必要であった。だから洗車は、自動洗車機での洗車が中心となり、人は部分手直しと、乾燥し切れなかった水滴の拭き上げが主な仕事であった。「仕上がりはまあまあ」で「早い」「安い」が重視された。このような洗車で十分であり、好みである客層も間違いなく一定量存在します。だからSSにおいて、それなりに洗車客がおり、一部のSSでは洗車客で繁盛していることも事実です。
しかし、その客層は一定の部分的な層であり絶対数には限界があるわけです。だから、すべてのSSが、同じような商品を、同じような販売手法で、その客層に集中して洗車を販売しても「供給過剰の過当競争」のようになり、価格が安くなって、しかも需要が伸びません。
今までのSSでの洗車に満足している客層だけにとらわれず、もっと違う客層に支持されるような洗車商品にまで、洗車メニューを拡大すべきです。

 

乱暴なたとえですが、洗車の商品に「松・竹・梅」があるとしたら、SSの洗車は中ぐらいの「竹」でしょう。「まあまあの仕上げで」「けっこう早く」「そこそこ安い」。まさに中ぐらいの商品の典型です。

 

「梅」の客層も、条件さえ揃えば
では、「大変安い」「すごく早い」「仕上がりはとりあえず泥が落ちていればいい」
こういう洗車商品を望む客層を「梅」の客層とするならば、一番ぴったりなのが「連続洗車」でのセルフ洗車でしょう。だから「梅」の客層を取り込むには「連続洗車機」とか「ドライブスルー」の機械を設備する必要があります。「梅」の客層の買う洗車商品は、価格が安いことが条件ですので、「コストの高い人間」など、そうそうは使うわけに行きません。機械化がコストダウンのもっとも有効な手段です。
しかし、この手段は「商品単価が低い事」が条件なので、「数」あるいは「量」がないと私たちの目的である「売上」にはなりません。つまり「数」を実現するための絶対的にマーケット密度が必要なわけです。つまり、ある程度のマーケット=人口密度が必要です。もう一つ同様な設備がその周辺には無いことも、相対的なマーケット密度確保のための条件です。
ハード的にこういう事が出来るSSは、そして十分なマーケット条件を満たしているSSは、「梅」の客層確保は間違いなく有効です。しかし、どのSSでも出来るものではない。むしろ少数のSSでしか可能な方法とは言えません

 

では、「松」の客層を取り込む方法はどうなのでしょうか。
私たちはここに注目しました。そして「快洗隊」を実験店として作ったのです。

 

「松」の客層については話が長くなるので、また明日。

 

札幌は、やっと春が来たようです
今、桜が満開でした
しかし、街路樹にも、民家の庭にも桜の姿は無く
公園に時々あるぐらいで、結局写真を撮り損ねてしまいました
その代わりに
ホテルの12階から見た春らしい札幌郊外の様子
そして、雪が残っている山の写真を載せて見ます。

 

 

札幌でちゃんと仕事をしてきた証拠写真 (*^_^*)

 

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2002年04月26日(金曜日)

405話 皿が山になった

昨日、TURUMIとOGINOを連れて、2号店候補地を見に行った
2人ともそのすばらしさにワクワクの様子であった

 

見に行ったのがちょうど昼時だったので
そのあたりの客層を見がてらに
隣にあった「くるくる寿司」で飯を食べることにした

 

最近私は、何回か「くるくる寿司」に行った
以前まで、私は「くるくる寿司」が嫌いであった
順番に回ってくる寿司の乗った皿を横目でジッと見ながら、寿司を食べる様子が
情けない感じがしていたから
しかし、なんかの機会に何回か行っている間に、きっと慣れたのであろう
最近はもう、なんとも思わなくなった
これはこれで、なかなかおいしいと思っているし、けっこう楽しい

 

今回入った「くるくる寿司」は、「魚々丸」(トトマルと読む)
あとで気が付いたのだが、ここは私の勉強会での友達の店であった

 

そのオーナーは新見さんという方
いろいろな事業をやっている方で、最初はレンタルビデオ
始めたのは十数年前
まだレンタルビデオが始まったばかりの頃である
その頃のレンタルビデオといえばHビデオ専門で
あやしい商売という印象があった
そんな中、新見さんは
Hビデオを置かない映画ソフトだけのレンタルビデオショップを開いたのだ

 

そのビデオ屋さんに、車で20分ほど離れたところに住んでいた私は
せっせと通った覚えがある
好きな映画を、自分が選んでみることが出来る
これは映画好きには応えられなかった
もちろん店は繁盛していた

 

次に、始めたのが「パソコンショップ」
まだ、NECのPC98シリーズが全盛の頃である
パソコン専門の店など、人口12万人の刈谷市にはココしかなかった
もちろん店は繁盛した
隣市にもわたって、何軒もの店を拡げた

 

その頃、もう一つ始めた事業が「くるくる寿司」
前出の「魚々丸」
その存在はまだ珍しかった
今のように寿司屋といえば「くるくる寿司」という時代ではなかった
もちろん店は繁盛した
そして、何軒もの店に拡げた

 

そのうちパソコンショップを閉めてしまった
どうしたのだろうと心配していたら
案の定、「パソコンの価格過当競争」で
パソコンショップは面白みのある商売ではなくなっていた
新見さんは
傷を負わないうちに、トットとそのビジネスから撤退したのである

 

新見さんは大変「先見の目」がある人だ
新見さんが始めた商売は、何年かあとには大流行していて
その最初の頃に始めた新見さんの店は、みんな大繁盛店であった
そしてパソコンショップのように
世の中の流れの中で面白みのなくなってきた商売からは
未練なくトットと撤退する
その歯切れの良さも見事である
しかも、パソコンショップからは撤退したが
そのショップ経営の中で得た人材を使って、ソフト部門は元気にやっている

 

実に見習うべきところの多い人である

 

「くるくる寿司」は、いまや寿司屋の本流である
大多数の人が、寿司はくるくる寿司か、持ち帰り寿司で食べる
かつての「立ち喰い」と呼ばれ
カウンター越しに、すし屋の親父さんと差し向えに座り
「時価」と書かれたネタを
「食べてみようか、いくらかなぁ
時価っていうのは高いに決まっているしなぁ」
などと思わせてくれた「寿司屋さん」は、もうほとんどない

 

それでも、私のすぐ近くの「すし善」は
珍しい「立ち喰いスタイルの寿司屋」で
いつも繁盛している立派なすし屋さん

 

何故、普通のすし屋さんが全滅寸前であり
くるくる寿司が全盛を誇り
その中でも、「すし善」が今なお繁盛しているのか
その話は、また近々書いてみたい、近々

 

それにしても、TURUMIとOGINOは
「好きなだけ行こう。」と言ったら
今日は2号店の前祝い、とばかりに
くるくる寿司の、皿の山を築いたのでした

 

 

くるくる寿司は、安くてうまいが、好きなだけ食べるとやっぱり高い
なんと、昼飯に3人で4,700円も使ってしまった

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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