谷 好通コラム

2002年06月29日(土曜日)

456話 もっと、もっと!

この会社もいつの間にか、社員が40人になった

 

その中にぜひ紹介したい比較的新しい仲間が2人いる
Y君とO君

 

Y君は、もう40歳を過ぎているはずだ
正確に何歳かは、私は知らない
仕事に年齢は関係ない、と思っているから、私は年齢を無視している
だから本当に憶えていない

 

奥さんと3人の子供がいる

 

彼は、去年、この会社に入社した
それまでは、大手の重機を製作する会社に勤めていた
その会社が業績不振となり、希望退職者を募集したとき
その会社に見切りをつけて退社した
すでに年齢もいっていたので不安であったろうが
その会社に希望を持てなくなり
「いても仕方ないと思った」と言っていた

 

面接のときは、まじめさを丸出しにして、一生懸命話をしてくれた
この時は、M君の強い推薦でY君を採用した

 

今、出荷の準責任者を勤めている
責任者のO係長が9月に寿退社をするので、責任者になることが決まっている

 

彼について感心すること
いつも「あれを、ああしたい。これを、こうしたい。」と
もっと、もっとと何でもやりたがること

 

先日、びっくりした

 

ドイツSONAXからの輸入業務は、それまで、O君が引き受けていたのだが
O君は配置換えで販売第1課の課長になったため
Y君が輸入業務を引き継いだのだ
そのY君が、一生懸命、翻訳ソフトを使いながら
英語で発注書を書いていたのだ
(ドイツへの発注書だが、英語で書くことになっている)

 

それをメールでドイツに送って
ちゃんと返事が来ていた
返事の主は、SONAX輸出部のエリザベス嬢
ドイツに行ったときに、私も会ったことがある

 

Y君は、「英会話教室」に出ているが
(私とクラスメイト!なのだ)
彼の英語は、ぎこちなくて、決して成績の良い方ではない
私ですら、彼の間違いを小声で訂正することがあるぐらいだ

 

その彼が、ちゃんと英語で発注書を書いて
英語で返事をもらって
その中で優しい言葉をかけてもらっていたりして
メル友みたい

 

決して命じられたわけでもないのに
決して英語が得意でもなさそうなのに
自分で挑戦して、見も知らぬドイツ人の女性からメールをもらって
ニッコニコである

 

たいしたものだ

 

年を取ると、今までの経験にしがみつくようになるのが、むしろ普通だが
Y君は、嬉々として、新しいことに挑戦する
年齢など関係なしに、恐れずに、もっともっとと自分を向上させようとする姿勢は
まったく、たいしたものである
世の中、若いくせに、ジジイのような情けないことを言う者が多い中
見た目はすっかりオッサンになっても
若々しい感性を持ち続けることは、すばらしいことと思う

 

 

そして
同じく去年入社したO君
大ちゃんのお父さんである(最近、コラムがご無沙汰であるのがちょっと気にかかる)

 

彼は、ある外国籍の航空会社に勤めていた
やはり、その会社が業績不振で希望退職者募集のときに
新しい夢を求めて退社した

 

彼もたいしたものである
自分で考えて、自分でとっとと行動する
そして、自分の意見をよく言う
一見、その態度とその言葉、従順のように見えるが
実は、しっかり自分の考えを持っている
そして、自分自身の考えで、自分を動かす

 

かといって、他の意見を聞かないただの頑固者でない
人の意見を受け入れる器も、きちんと持っている
人の意見を受け入れた上で
自分の考えを修正する能力も持ち備えている

 

そして、一番たいした能力と思わせるところは
考えてから行動に移すまでに、躊躇を感じさせないところだ
(チョットホメスギたか)

 

この2人に共通することは
「もっと、もっと!」
その向上心が
若者のそれであることだ

 

Y君はオジサン顔、O君はどちらかというとベビーフェイスだが
この2人、同じぐらいの年だと思った・・・

 

若々しい精神を持ったお・じ・さ・ん・達

 

 

実は、彼らと同時期に入ってきた
もう一人のお・じ・さ・ん・が、東京にいる
彼は、彼のことだけで1話が十分に要るので、いずれまた

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2002年06月29日(土曜日)

455話 嘘は大損のもと

「嘘をつくには、天才的な記憶力が必要だ」
と、そんな話を聞いたことがある

 

一つ嘘をついたら
すべてのことについて、その嘘にツジツマが合わないと
すぐにその嘘がばれてしまう
だから
ついた嘘を、全部正確に覚えておいて
その嘘につじつまが合うように、すべての事を合わせることが必要になってくる

 

そんなこと出来っこない!
だから、ばれない嘘をつくことが出来る人は
きっと天才なのだ
私はもちろん天才などではない

 

人が嘘をつく時、というのは
実に他愛のないことが多い
10の事を、11とか、12と言ってしまう程度のこと
あるいは、攻められるのがうっとうしくて
有るものを無いと言ってしまう位のこと

 

目先のことを考えただけの嘘なので
用意周到なツジツマ合わせなど考えてもいない
だから、すぐバレル

 

もうずいぶん昔の話だが
独立して、それほど間もない頃
ある“興信所”から、“信用調査”がかかった
そういう事にあまり経験のなかった私は、ほんの少し嘘をついた

 

信用調査の係員の人、年配の方であったが
その方の態度が、随分高飛車な印象を受けたのだ
私は、いささかムッと来て
つい
売り上げを2割ぐらい水増しして答えたのだ
「これ位、イイヤッ」
と、気軽な嘘であった

 

ところが、その信用調査の人は
矢継ぎ早にどんどん、他の数字を聞いてくる
「仕入れ金額」「期末在庫」「営業利益」「税引き前利益」「税引き後利益」
この“損益計算書”に関係する数字までは
頭で暗算しながら
かろうじて、水増しした分を勘定に入れて答えることは出来た
(私は、暗算には少し自信がある)

 

しかし、“貸借対照表”に関わる数字になってくると
単純に足し引きだけではないので
俄然、言っている数字が狂い始めた
間違い始めたことに自分でも気が付いたが
もう、後には引けない

 

結局、まったくつじつまの合わない数字を
相手に伝えたまま
それが、その時の信用調査に対する回答となってしまった

 

後で聞いたことだが
そして、今思えば
その時の信用調査の点数は、極端に低かったようだ
嘘を言う経営者、ということだったのだろう
そのせいかどうか
私の会社は、独立してしばらく
色々なところからの与信が、思ったより低かった

 

たった2割ばかりの売り上げを水増ししようとして
かえって、信用を落としてしまったのである
こんな馬鹿馬鹿しい大損はない

 

あれで懲りて
私は、信用調査がかかった時には
とっとと“決算書”を見せてしまうことにしている
すべてオープンにしてしまっているのだ
そして、話せることは何でも話してしまう

 

私の会社は、売り上げが激増したり
すさまじい利益を上げたり
そんな派手なことはまったくないが
着実に伸びてきている

 

アイ・タック技研の設立以来、地味ではあるが
1年も欠かさず毎年、確実に伸びている
ありがたいことです

 

何も見栄を張って水増しなどしなくても
まったく問題ない
堂々としていればいい
そう思って
信用調査がかかったときは、すべてオープンにしてしまうことにしたのだ

 

「嘘は大損のもと」
何でも、本当のことをオープンにしていた方が
天才的な記憶力を持たなくてもいいし、楽なんです
そして絶対、得なのです

 

 

あれからもう随分の年月が経った
先日、ある一流調査会社の“取材”を受けた
“調査”ではない!
“取材”である
その調査会社の機関紙に
「この企業のここに注目」(題名ははっきり覚えていない)というような
ポジティブな内容の取材だ

 

もう十数年前
売り上げを少しだけごまかし、かえって信用を落とした、あのことから思うと
今回は、注目企業として取材を受けたことに
隔世の念がある
ありがたいことである

 

今月、6月はこの会社の決算月で
今日はその最終営業日
出荷担当者たちが夜遅くまで、在庫を調べていた
経理担当者も遅くなるようだ

 

そんな時
私は、2週間ぶりの「英会話教室」を受けた
(社員旅行のため1週キャンセルとなっていた)
平和である
ありがたいことです

 

英会話教室の先生「アイラ」が、7月末にカナダに帰るという
ちょっと早いがみんなで記念写真を撮った

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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