谷 好通コラム

2002年09月20日(金曜日)

524話 ドイツの街並み

ドイツの国土面積は、日本より少し小さいくらい
人口も8000万人でチョッとだけ日本より少ない
だから、数値的な人口密度は同じ位
しかし
実質的な人口密度は
まったく違う

 

日本は国土のほとんどが山であり
川が海に出間際の平野に町が集中している
関東平野、濃尾平野、関西平野?
たったこれだけの中に
日本全土の半分以上の人間が住んでいる

 

飛行機に乗って
上空から様子を見ると
大地のほとんどが山であり
わずかに平らになっている土地に、群がるように町が出来ている

 

ドイツの地形は、“平ら”である
地平線が見えるような平らな台地が延々と続く
一面が畠であり
ジャガイモ畑、ブドウ畑などが見渡す限り続く

 

空から見ると
一面の畠のところどころに、集落があって
屋根の瓦が、みんなレンガ色
だから
茶色と緑色の畠のモザイク模様が広がっていて
そのところどころに
レンガ色の屋根が100軒ぐらい集まった街がある

 

これは
フランクフルトの空港に降りる時もそうであったし
ミュンヘンでも同じであった

 

 

日本とドイツでは、単純な数値的人口密度では同じぐらいなのだが
決定的に違うのは
人が“住める土地”の広さ

 

その人が住める土地の広さならば
ドイツは日本の10倍以上であろう
見た実感として思う
ドイツ全体が北海道のようなものだ

 

実質的な人口密度は圧倒的にドイツのほうが低い

 

街は、昔ながらの家の造りである
少なくとも外観は、昔からの伝統的な家ばかりである
家の外観を、法律で厳しく決められていると聞いた

 

建物は古式豊かな情緒的なものであるが
それぞれに、それなりの繁華街もあって
そこを走っているのは
ほとんどがドイツ車
オペル、ワーゲン、アウディ、BMW、ベンツなどなど
その姿がかっこいい

 

 

そして、その集落
というよりも“街”には、必ず立派な教会がある

 

その一つ一つの教会が
日本にあれば、必ず観光名所になるぐらい立派な
歴史ある建物である

 

見た実感として
民家100軒について、1つの教会
それも文化財指定を受けているような
立派な教会が必ず1軒

 

それはまるでメルヘンの世界で
田舎の方なら
どこを走っても、延々とメルヘンの世界が続いている
これは、本当にびっくりすることである

 

 

フランクフルトのような立派な大都市でも
住宅、アパートはみな伝統的な建物様式で出来ており
その街並みは
すばらしいものである

 

その話はこのまた次に

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2002年09月20日(金曜日)

523話 英語での食事会

2日目午後に、SONAX輸出部長・Mr.クリーガーとのミーティングがあった
その時に
「ホテルで、皆で夕食を食べるので、
よろしかったら一緒にどうぞ」
と、夕食を誘われたのだ

 

迷った・・・

 

実は、1日前も誘われていたのだが
521話にあったように
日本でのお客さんと食事をしようと思っていたので
辞退をしていた

 

また、誘ってくれたわけで
この日の夕食は、別に予定があるわけではない
断る理由は何もないのだが・・・
だが・・
日本語が喋れない人、約30人の中で
夕食を一緒にして
私は一体、何を話せばよいのだろう
(吉村さんは他の用事があって、この夕食会には参加していない)
そう思うと、気が引けたのだ

 

しかし
積極的に!
と、昨日反省したばかり
ここは一発、踏ん張って
「はい、喜んで」と言ってしまった

 

言ってしまってから
「どーしよう・・・」
しかし
「まーいいか、何とかなるさ」

 

食事の時間は午後7時半
この日は、午後5時半くらいにホテルに帰って来たので
チョッと一服して
昨日のコラム522話を書いて、HPに上げて
そろそろ約束の時間10分前ぐらいになった時

 

また後悔が始まった
「行く、って言わなきゃ良かった」

 

みんな、いたって社交的であり
おしゃべりが好きだ
そんな人たちの食事会
特に、2年に一度のショーでみんな気分が高揚している

 

しかも私達は、彼からすれば客
一応、客
誰かがついて、話し相手をしてくれるのだろう
放って置いてくれるなんて、絶対有り得ない

 

2時間ぐらいの食事をしている間は
ずっと
何らかの話を、英語で聞き
英語で話さなくては居られないのだろう

 

ヨーロッパでは、国が変わって、言語が変わっても
英語が喋れれば、何とかなる
しかし、日本人は・・・
特に、私は・・・

 

きっと、中学校の英語の試験を受けても
赤点をもらうに決まっている
とにかく
でたらめに喋っているだけ

 

刻々と時間が迫ってきて
とうとう約束の時刻
行かなくてはならない
ドアを開けるとき
馬鹿みたいに「よっし~」なんて、アホな気合を入れて
でも、憂鬱な気分で
食堂に出かけていった

 

ちょっと間をおいて、食事会が始まった
総勢、20名ぐらいか
営業関係の人は
各国から来ている代理店さんなどを接待か

 

いずれにしても、食事会が始まった
英語とドイツ語が渦巻く
私の前には
製品開発のDr.ピッチが、来てくれた
彼とは、もう何度も会っているし
私は彼のことが大好きであるので
うれしかった

 

しかし、当然、放って置かれる訳がない
色々と喋りかけてきてくれる

 

もう一人
デンマークのSONAX代理店責任者の“FINN JENSEN氏”がやって来て
話に加わった

 

 

彼は、面白い!
実に面白い
好奇心満々が、体中から溢れている

 

きついデンマーク訛りの英語で
色々聞いてくる

 

日本のガソリンスタンドは何件あるのか
洗車機は、その何十%の店が設置しているのか
日本の洗車機メーカーの総販売台数は、どれくらいなのか

 

いっぱい聞いてくる
発音に訛りがあるので
聞き取るのが、ものすごく大変で
(訛りがなくたって分からんくせに(^.^))
普段の仕事の何倍かの集中力を持って
必死に聞いて
必死に英語を探し、何とか応える

 

Dr.ピッチが助け舟を出してくれるが
彼の英語は
チョッと聞いただけではドイツ語に聞こえるほど
すごいドイツ訛り

 

耳の神経が充血してくるぐらいの集中力で聞く
必死で話す
何を食べたか、さっぱり覚えていない

 

しかも、ドイツのビールは抜群にうまい
必死になっている時って、ビールが余計にうまい

 

5杯目のビールを飲んでいる頃
「酔って・き・た・・・」

 

頭が豆腐になってきて
だんだんFINNさんと、ピッチさんの言葉が分からなくなってきた

 

そうすると
FINNさんは、もっと一生懸命話して、何とか分からせようとしてくれる
彼はワインを飲んでいる

 

つまり
デンマーク語で訛った英語のデンマーク人と
中学生レベルの英会話能力の日本人が
両方とも“酔っ払って”
必死コイテ、英語喋っている

 

これは半端な場面ではない
おまけに、我が同士“M”と“Dr,サンコン”も
隣の席で
トンチンカンな英語を喚いている

 

メチャクチャ疲れた
1時間半の英会話教室を3回分ぶっ続けでやったような疲れだ
しかも酔っている

 

写真を1枚撮ったら、俺にも撮らせろと、撮り返された

 

 

さすがに途中で会話が成立しなくなってきた
FINNさんの話を一生懸命聞いても
ピッチさんの助け舟を聞いても
理解できなくなってきて

 

隣の2人の話が
自分の英語が幼稚であることを、自分でおかしがる話になってきたので
ここまでと思って
おいとまをすることにした

 

悔しかった
あれほどFINNさん達が、一生懸命話をしてくれるのに
だんだん理解できなくなってきて

 

必死で話すFINNさんの話が、終わったのに
必死で聞いていた私は、終わったことに気がつかず
気持ちにズレが出て
「アイム ソーリー」としか言えない

 

でも、FINNさんの
「小さなツナの手作り燻製」の話は
よ~く分かった

 

「デンマークの海岸では
これくらいのツナ(20cmぐらい手を広げて見せて)
つまりマグロが取れる

 

その小さなツナを、家族でビーチに行って燻製にするんだ
まず、ナイフで適当な大きさの身に切って
鍋の中に入れる
それを焚き木の火で、燻すのだ
ガスの火ではダメなんだ
焚き木の火でゆっくりと、ゆっくりと燻す
40~50゜Cぐらいの低温でイイんだ

 

セットしたら
のんびりと、ビーチをワイフと一緒に散歩したり
ゲームしたり
たっぷり楽しんで帰ってきたら
燻製の出来上がり

 

レアもいいし、ミディアムもいい
とにかく、うまいんだ

 

その味は、ウ~~↑~ン
最高なんだ!」

 

こんなFINNさんの話であった

 

英語で聞いた話で
本当に、食って見たいなぁ~、と思った
英語の話で
口の中につばが出てきた
初めての体験であった

 

ウ~~↑~ンの、FINNさん

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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