谷 好通コラム

2002年11月14日(木曜日)

571話 1日3700台

今、福岡からの飛行機の中でこれを書き始めた
昨日、名古屋から福岡に飛んだ時と
同じように
上昇中、雲の中で激しく揺れている
飛行機が嫌いなグリット吉田くんと一緒だ
隣で、平気なような顔をして目をつぶっている

 

昨日から、今日にかけて
随分エキサイティングな事が続いた

 

まず、昨日の午前中の出来事

 

ファブリカの専務に
中古車のオークションに連れて行ってもらった
初めてである
行ったのは私と、Hオサム、常務の3人

 

場所は、豊田市
東名高速道路沿いに有って、豊田インターから10分ほどのところ

 

中古車のオークションとは
私の“イメージ”では
家畜の競り市とよく似たものであった

 

家畜、たとえばウシが
仲買人が周りを囲む中、引き出されて
仲買人のしゃがれた声が
場内に飛び交い
哀れなウシは、競り落とされて、見知らぬ男に買われていってしまう

 

それが中古車のオークションなら
ウシの代わりが中古車で
1台ずつ、みんなの前に引き出されて
業者の人にジロジロ、嘗め回すように見られて
競り落とされていく ・・・・

 

な~んて、思っていた

 

ところが、どっこい
実際に行って見たら、家畜の競り市なんてムードは、かけらもない
会場の周りには馬鹿でかい駐車場が
いっぱいあって
そこには、今日は3700台余の中古車が並べられている

 

3700台!
これでも、今日は少ない方だそうだ

 

と、ここで中断
飛行機の揺れが、ものすごい
飛び上がってから、ずっと激しい揺れが続いている
機長の機内アナウンス
「これから先、もっと強い揺れがありますので
客室乗務員は、着席しなさい」
こんな、強い調子の機長の指示は、初めて聞いた

 

私は飛行機にしょっちゅう乗る
もう何千回も乗っている(決してオーバーではない)
しかし、こんなアナウンスは、本当に始めてである

 

隣では、吉田が一層強く目を閉じて
今度は怒ったような顔をしている
(怖がっている)

 

自慢ではないが、私は怖くない
全く怖くない
揺れの振幅が大きくて
お尻が、椅子から浮いてしまうような感じの揺れでも
私は、パソコンを打ち続ける
平気なのだ

 

度胸があるわけではない
「慣れ」である
ただ単なる「慣れ」である
そして、元々私はあまり乗り物酔いをしないので
「見ているほうが気持ち悪くなってくる」
というぐらい
揺れのひどい時にも、パソコンを打つことが
異常に平気なのである

 


話を中古車オークションに戻す

 

この日、オークションに出品されたのは3700台
このCCA豊田では
水曜日と、金曜日がオークションの開催日である
オークションは、朝9時半から

 

みんな、朝早く会場に来て、お目当ての車を下見する
(夜のうちも下見OKなので、熱心な人は、夜から来ているそうだ
私たちも、朝7時ぐらいに家を出て、一生懸命下見をした)

 

 

全部、カギは付けっぱなし

 

業者の人達は
駐車場に並べてある中古車を
自由にエンジンをかけたり、トランクを調べたり
好きなだけ見ることが出来る

 

各駐車場にガードマンが張り付いていることと
ここへ出入りできる人は
古物商の免許を持っていて
しかも、保証金を会に預けている「会員」だけなのだ

 

下調べをして
どの車を取りに行くか、それぞれの業者が目安をつけた上で
オークションが始まる

 

その様子は
家畜の競りのようなものでは全くなかった

 

実物は、駐車場の方に提示してあるので
オークションは
パソコン上でやっていく
(以前は、実車をベルトコンベアに乗せて、実写を見ながら競りをしていた)

 

びっくりしたのは、そのスピード
2台ずつ競りを進めていって
その1回2台の競りが、わずか15秒ほど
すさまじいスピードで、競りの値段が上がっていって
[売り切り]の表示が出る
そこから、本当に欲しい人が
微妙な勝負をかけて
あっという間に、値段が決まって売れていく

 

これは相当な慣れが必要であろう

 

 

この日私たちは、板金のための代車を2台買いに来た
ぜひ自分で競りに参加して
買うつもりであったが
これはとても出来そうにない、と思って
連れて行ってくれたファブリカの専務に、競りのボタンを押してもらって
やっとのことで2台買った

 

平成6年式「トゥデイ」程度・上 139,000円
平成5年式「マーク?」程度・上 195,000円

 

両方とも、H.オサムが実車をよく見て
これならお客様の代車として、喜んでいただけると判断したきれいな車

 

まぁまぁの買い物か

 

いずれにしても
このオークションでは、色々なことを考えさせられた
それにしても3700台はすごい
※こんな感じの駐車場が、あちらこちらにいくつもあるのだ

 

 

オークションについて考えたことは、またいずれ

 

午前中
大変新鮮な経験をしたあと、昼の飛行機で熊本に行った
熊本では、例の馬場さんが待っている

 

と、ここまで書いて
飛行機は着陸態勢に
随分早い到着だ
強いジェット気流、偏西風に乗って
ドタンバタンと激しく揺れながら、いつもより10分近く早く飛んだようだ

 

今日はここまで

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2002年11月14日(木曜日)

570話 われ思うがまま

3日ぶりに
平井君の話の続きである

 

彼は紆余曲折しながらも、ようやく東京営業所に赴任した
彼の住む東大和市から、東京営業所の錦糸町まで
毎日2時間以上の通勤時間だったそうだ

 

「だったそうだ」は、過去形である
彼は、この通勤時間の長いのはたまらんとばかりに
自分の家の近く
あるいは通勤途中に
新規の顧客を“たんまり”と、作ってしまったのだ

 

当然、直行が多くなる
その方が、営業所に出てきてから出かけるより
はるかに効率が良く
仕事がはかどり、実績も出るような形にしてしまった

 

獲得してきた新規顧客も、一流の顧客がズラッと揃っている
さすがである

 

東京にはすでに2人のスタッフがいて
3人目の新人の彼には
今までとは全く違ったスタンスの領域の開発を、期待し、指示していた
だから、訪問先も今までの業界とはかなり違っている

 

彼の新規飛び込みのパワーはすごいものがある
一時期、どんどん新しい顧客が増えていった
しかし、ここで問題が

 

私たちは、これまでガソリンスタンドの方々を
もっぱら顧客としてきたので
ガソリンスタンドで使うと具合の良い商品ばかりになっていたようだ
私たちが用意している商品が
SSとは全く違う業界のビジネスにはなかなか合わず
思ったように商品は売れない
しかし
彼の、顧客からの信頼は厚く
頻繁に同行販売を組んでくれて、積極的に行動してくれるのだが
思ったように売り上げが、上がっていかない

 

今、彼はちょっとスランプ状態
私たちも、彼が開発した新しい販売店さんに合った商品を開発し
彼の努力に、成果を伴わせたいと
一生懸命やっているが
なかなか難しいものだ

 

 

彼、平井は実に不思議な男である
また、実に魅力的な男でもある

 

彼の話している言葉は
彼が思っていることそのもの
気持ちがストレートに言葉になって出てくる

 

嘘を言わず、ベンチャラを言わず
思っていることをストレートに喋る
だから
何を言おうとしているのか、かえって解かりにくいこともある
しかし、正直に喋っていることだけは間違いない

 

行動においても、そうだ
自分でこうしたい、こうすべきだと思ったことを
それが、しんどいことであろうと
たとえ損になることであろうと
平然としてやってしまう

 

ほとんどの人は
年に重ねるに従って
色々な経験の中で、ひどい目にあったりして
“懲りて”
自分が思っていることを
ストレートに話さなくなったり
やるべき行動を
起こす前に、起こさないという形で
挫折してみたり

 

自分を萎縮していく

 

その意味において
彼は、自分の考え方、思ったことを
そのまま行動したり、言葉にしたりすることが出来る
“強さ”を持っていると言ってもいい

 

そして、その強さが
自分の持ち続けている“夢”を実現する原動力にも通じる

 

そのことを
彼は、彼独特の表現で“ツッパリ”と、言う
そして
私のことまで自分と一緒にして“社長はツッパリ”だ、と言う

 

自分の思うがままを、臆せず発言し、行動する
そういう意味で“ツッパリ”と言われるのは
ありがたい話だと思うが

 

単に
「うちの社長はツッパリだ」
と言ってしまって
彼が言おうとしている意味で受け止めてくれる人が
どれだけいるかと思うと、心配になって
私は、彼に
私「俺は、ツッパリなんかじゃない」と
言わざるを得ないのだ

 

しかし私が、いくら、そう一生懸命言っても
平井「いや~~~っ、社長はやっぱりツッパリですよ」と
嬉しそうに言われると
まっいいか
とも思う

 


自分がそうすべきだと思ったら
損得勘定抜きで、実行するその姿勢は、私は大好きである

 

「世の中、小ずるく生きた方が得だ」
そんな生き方が蔓延っているこの世の中
彼の考え方、生き方は
知らず知らずのうちに、多くのファンを作り
その証拠に
新しい顧客が、彼の周りにはいっぱい出来上がっている

 

その証拠に
彼のツッパッタ生き方によって、平坦な生活でないことも、あるかもしれないが
彼の奥さんも、娘も
彼のことを、大好きであることは
よ~く解かる

 

 

前の話で
2年前の交通事故のことを書いた
この話を書くかどうか、私は随分迷ったのだが
怪我をしたのは自分自身だけであったし
十分に反省もしているし

 

あのことで
彼の中で、いい意味で何かが起こったのかもしれない

 

こういうことがあった上で
彼の生き方、信じている生き方を
どう表現できるのかを、一生懸命考えたかったので
あえて、あのことを書いた

 

昨日今日と2回コラムを休んだのは
何度も書いたり、消したり
珍しく、一つの文章を書くのに時間がかかってしまった、から

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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