谷 好通コラム

2003年01月15日(水曜日)

617話 公開の場に立つ

2日目の撮影が昨日終わって、一息と思ったが
またちょっと、考え込んでしまった

 

実際の放映は
8分30秒の特集の中で、3つの企業が取り上げられる
その中でも快洗隊の話題が
一番時間が多くなるとおっしゃっていたのだが
それでも、「快洗隊」紹介としては、せいぜい3分ぐらいのものだろう
それに対して
今回の撮影は、2日間に渡り合計8時間を要したのだ

 

去年、「快洗Boss」のプロモーションビデオを作った時に
14分のテープに対して10時間以上の撮影時間を要したことを経験していたので
相変わらずテレビ屋さんは根気のいい
こだわりの仕事をする人たちだと、感心していたのだが

 

今回の場合は
もう少し違うことを思って考え込んでしまったのだ

 

つまり
今回の取材撮影には台本がないわけだから
作業とか、店の風景をとランダムに撮影されるだけでなく
とにかく、撮影隊はインタビューをしまくるのだ

 

責任者である私はもちろん、店のスタッフのほぼ全員
来店したお客様にも何人かカメラとマイクを向けられていた
研修風景の撮影時には
研修生一人残らずインタビューに応えた
全部で何人のインタビューを収録したであろう、20人以上は確実である

 

今回の番組「ワールドビジネスサテライト」は
ニュース番組であって
プロモーションビデオの撮影ではないのだから
真実の姿を追うという姿勢は、当たり前といえば当たり前なのだが
その熱心さにはつくづく感心した
この番組の真摯な姿勢の表れなのだろう

 

これでは取材される会社が、宣伝のために表面だけ繕おうと思っても無理だ
「さすがだなぁ」と
その姿勢に大変好感を持った

 

取材される企業の言うことだけを聞いて
企業の都合のいい事だけを映像にして、放送したのでは
ニュース番組ではなくなってしまう
中には、取材を自社の宣伝ぐらいにしか考えず
虚像を造り出そうとする企業もあったのであろう

 

インタビューは
その店のお客様
研修会なら、その研修生
主催者側と反対側の人たちの話を、執拗に一生懸命聞く
きちんと両者の話をたくさん聞いて
正確な情報を伝えなくてはと考えているのだ

 

自分たちが作ったものが、マスメディアの電波に乗って
多くの人に伝えられることによって
大きな影響力を持っていることをよく知っているからだろう

 

自分たちが公の場に立った仕事をしていることを、強く自覚しているのだ
それだけ、テレビとは大きな力を持っている
それは他の媒体をまったく寄せ付けない圧倒的なものと言える

 

逆にこれが、企業がお金を出して流しているCMになると
別の一面がある
公共の意味がある電波に乗って
自分の企業の商品の長所・利点・魅力を一方的に流す
当然のことながら、欠点・デメリット・悪影響などは流さない

 

それは当たり前のことだが
しかし業種によっては問題があると思うのだ

 

この現代、最も高い利益を上げている業種
高利貸し、サラ金、消費者金融もそう

 

これらの企業の宣伝は
かつては、テレビCMで決して流れることはなかった
それがバブルの崩壊によって極端にCM収入が落ちたテレビ局は
彼ら高利貸しの宣伝を、公共の電波に乗せることを許してしまった
「ほのぼの▲▽○」
「はっじめての×◆◎」
「一番!一番!」
私はこの手のCMが流れると、必ずチャンネルを変えてしまう
サラ金の甘い誘いに引っかかって
泥沼から這い出せなくなっているたくさんの人を知っているので
サラ金のCMだけはどうしても見る気にならない

 

確かにウソは言わないが
本当のことを全部言うこともない

 

高利貸しは、サラ金は
人が不幸になる場合が非常に高いことを前提にしている商売であることは
普通の人ならば誰でも知っている
それを“ソフトな笑顔と、言葉と、イメージ”で
それを覆い隠してしまう効果を“宣伝”が作り出している

 

商品CMが悪いといっているわけではない
決してそういう意味ではなく

 

しかし、その使い方によっては
実態と違う“イメージ”を作り出してしまうことが出来る
そんな力をも持っているということだ

 

そんなことを考えると
今度のワールドビジネスサテライトでの快洗隊の取材
そんな虚像ではなく、きちんと実像を捉えてくれようとするものすごく真剣な姿勢は
感動的ですらあったのだ
たかが3分ぐらいであろう放送だが
どんな影響、効果が出るのか非常に楽しみである

 

しかしその反面、恐怖でもある
あの8時間に及ぶ取材
20人以上にも及ぶ膨大なインタビューの中で語られた何万語もの言葉
ほんの一カット、一言ごろが切り刻まれて編集されるのだ
どんな言葉が、どんな場面と組み合わされて
どんなストーリーにまとめ上げられるのか
ストーリーの作り方次第では
短い言葉のつながりで、微妙に違った意味を持ってしまうかもしれない
そして、誰かを傷つけてしまう可能性もゼロではない

 

それに対して何のチェックもすることも出来ず
そのストーリーが圧倒的な力を持つ電波に乗ってしまうのだ
ひょっとして、と考えるとぞっとする

 

快洗隊の意味について、取材スタッフに一生懸命説明したが
通じているだろうか
彼らの熱心な姿勢を信頼するしかない
公開の場に立つということは、すごいことであり、怖いことでもあるということ
チョッとしばらく、ドキドキである

 

今回初めてテレビという大きな公開の場に出るのだが
逆に、その公開の場に
私たちも毎日立っていることを思い知らされたことがあった

 

掲示板の投稿で、一見一般の読者からの投稿の感じなのだが
文章をきっちりと読んでいくと
明らかに、ネガティブな意図を持って書かれた物であることと
読み取れたものがあり
商売的に対抗関係にある人が
自らの利益のために、利用者の名を騙って
この会社の商品を、ウソで誹謗しようとしているもの
そう判断して不本意ながら削除したが

 

デマというものが
公開の場で、しかも匿名で
自分がみんなの代表であるような顔をして
ウソを実像にしようとした時、恐ろしいものがあり
自らが、小規模ながらすでに毎日、公開の場に立っていることを実感した
そして
これを書いている瞬間も
自らの尊厳をかけて、絶対嘘はつかない、書いてはいけないと
しみじみと思ったでした

 

※彼は30分ぐらい話をしていた現・酒部マネージャー
彼も前任者に負けず劣らず・・・・か

 

 

※彼女も30分は話した。大満足~~

 

 

※こいつは、ますます金○日の体型に似てきた。やせなきゃ

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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