谷 好通コラム

2003年03月29日(土曜日)

675話 嘘つきは天才?

本来ならば今回の話は、676話になるはずなのであるが
一つ戻して675話とした
実は、以前書いた話をひとつの削除してしまったのだ
だから今回はあえて675話とする

 

ひとつの話とは384話
そして、それを削除した訳とは

 

昨日、びっくりするような電話があったのだ
「あなたのコラムを読んだのですが」から始まった

 

1年ほど前に、横浜のある車関係のチェーン店本部にお伺いしたのだが
そこで、レースでかつて大活躍をしていた有名な元レーサーN氏にお会いした
私もレースに少し関わっているものとして
その人とレースの話に花が咲き、大変楽しい時間を過ごした
そのことを384話に書いたのだが
突然かかってきた電話では
あの時お会いした“元有名レーサーN氏”が
なんと
“ニセモノ”であったということなのだ

 

本物のN氏は、現在岡山に住んでいて
たまたま、自分の名前でYaHoo!を検索したら
私のコラム384話が出てきて
そこに、
「『私が横浜で、N氏とお会いして楽しい時間を過ごした』と書いてあるのを見つけた」
ということ

 

本物のN氏いわく
「以前、私のニセモノがいると聞いたことがあるが
あなたはその人と会ったのではないか、私はあんなに“なで肩”でもないし
もっといい男ですよ(笑い)」と
そして、現住所と電話番号、仕事先とその住所電話番号を教えてくれた
その後、レースでの表彰式の写真までFAXで送っていただいた

 

確かに、岡山から電話をいただいた人が本物なのだろう
レースに直接関係ある写真まであり
そこに写っているN氏は、私が知っているN氏とは違う人であった

 

では、横浜でのあれは何だったのか
あの時
新幹線「新横浜」から車で15分ほどのところにある事務所に行って
チェーンのプロモーションを受けた
そして、そのチェーンは元レーサーN氏がオーナーで
○○部長にチェーンの事業はすべて任せているということであった

 

まだまだ世間に広く認知されているチェーンではなかったが
信頼すべき方がそのチェーン店に参加しているとのことで
頭から信用していた

 

その事務所には
レースカーの部品であるとか、レーシングカートや
トロフィーなどがいっぱいあって
なるほどと思ったものだ

 

しかし、今考えてみると
N氏に関わるものは何もなかったし
昔のレーサー時代の頃の写真も何もなかった
しかし、レースの話は実に詳しくて
しかも、その体験談においては珍しいウキウキするような話を
いっぱい聞き
実に楽しい時間であった
その時の私には
まさしく本物の元有名レーサーN氏そのものであった

 

私は、微塵もの疑いの気持ちを持つことはなかった

 

おまけに、同席されたモータージャーナリストを名乗るF氏は
一般的な自動車雑誌に写真入で載っており
その雑誌を実際に見せてくれた

 

何度も言うが、私は何の疑いも持たなかった

 

しかし、考えてみれば
N氏に関わることは、状況証拠のようなものだけであったことは確かだ

 

しかし、あれが手の込んだ詐欺であったにしても
私にとっては何の実害もなかった
何の取引も、投資も、お金に関わることは何もなかったのだった

 

ひょっとすると、岡山のN氏からの電話が・・・?
今の時点では無責任に断定的なことは言えないが
だとするなら、あの電話は何のためにしてきたのか
「私が本物だから・・」と言って、何かを請求されたわけでも何でもない
そして、送られてきた写真がねつ造の物だったとしても
そんな手の込んだことをする理由が一体あるものであろうか

 

それに、岡山のN氏がニセモノであったとしたら
ニセモノであると言われている「横浜のN氏」に私が電話をすれば
すぐにバレてしまう

 

考えれば考えるほど、横浜のN氏の方がニセモノであったのだろう
そう思えてくる

 

あれから横浜のチェーン本部の営業の人からは
2.3回、チェーン店参加の勧誘の電話があっただけで
ぷっつりと連絡がない
私も忙しさにかまけていて、そのことすらすっかり忘れていた

 

岡山のN氏からのお電話をもらって
とりあえず、384話は削除してしまったが
何とも後味の悪い話である

 

いままで
テレビ・新聞での詐欺事件についてのニュースを見ながら
「そりゃ、だまされる方も、軽率だよ」
などと思っていたが
いざ、自分がそのようなことに関わったことで(被害はなかったが)
逆に
「あんな感じでやられてしまったら、そりゃあ~信用しちゃうよ」と
思うようになった

 

どんな話でも、実体の無い物を実態が有るように見せるのは
それほど難しいものではないようだ
恐ろしいことである
考えようによっては“いい勉強になった”と、しみじみ思っている

 

しかし、「ウソは天才でないとツキ通せないもの」とも言う
一つ嘘をつけば
他の事についても、つじつま合わせが必要になってきて
嘘が、嘘を呼んで
やがてボロが出て
嘘がすべてばれてしまう、それが普通で

 

どの部分に対して、どんなウソをついたのか
これからは、つじつまを合わせるための嘘をつかなければならないのか
よほどの記憶力と、すばやい機転の持ち主でないと
ばれない嘘つきにはなれない

 

だから、「本物の嘘つきとは天才である」というのであろう

 

少なくとも、私には無理である
いつも、思いついたそのままに喋ってしまうし
以前に何をどう話したのか
忘れてしまう方なのだ
(それで迷惑をこうむっている人がどれほどいるか。スイマセン(^_^)v)

 

私たちはいつも、資料には生のデータ
つまり、そのままの数字を使っている
つ自分たちに都合よく数字をいじくって嘘をつくより
何の修飾もせず、そのままの姿をさらけ出すことが
情報として一番効果的であると考えているからだ

 

というより
嘘をつき通すだけの才能が
まるっきり無いことを、自分たちが一番知っているからだろうか

 

でも、嘘の天才になるより
そのままを語れる人間の方が絶対幸せになれる
そうに決まっている、とも思っている

 

あの横浜のにせものN氏?は、幸せであったのであろうか

 

 

話は変わって

 

今週は、“土日とも”気持ちのいい“晴れ”のようだ
こんな週末は今月に入って初めてで最後である

 

快洗隊・刈谷店には
3月前半の鬱憤を晴らすように
道路にまで、洗車待ちの車の列が並んでいた
一時は、洗車売り上げで前年同月割れ確実と思われたが
終盤の追い上げが急で
どうも、「追いつき追い越せ」の勢いになってきた
粗利ベースでは、今年は板金・車検が加わっているので軽くオーバー確実
さすが、刈谷店の底力

 

知立店も凄い
昨日は、ウィークデーなのにかなりの忙しさであったが
土曜日の今日は輪をかけて混雑していた
知立店は特に単価が高いのが特徴で
午後4時ごろデータを見た時には25台、6,100円/1台もあった
刈谷店の半分強の広さしかない店だが
恐ろしい店に成長するかもしれない

 

本日の生データ
刈谷店
洗車25万円ぐらい+板金

 

今日の知立店
洗車18万円(新記録)+板金
忙しいと機嫌がいい半田マネージャー(車の中)

 

 

知立店のすぐ裏の公園
暖かさに、桜が3分咲きぐらいになっていた
さあ~っ春本番である

 

Posted   パーマリンク

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2003年3月
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    3031  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.