谷 好通コラム

2003年05月02日(金曜日)

701話 “決断“するとき

経営者の重要な仕事のひとつが「決断」である
決断というと
重要な岐路に立たされた時に
経営者として、右か左か、どちらに行くか
そういうことを決めること
と思われるが

 

私の今までの経営者体験から言うと

 

右か左かではなく
行くか帰るか
進むか、引き返すか
続けるか、やめるか
やめるとは、何かを断ち切ること
実際には
決断とは「何かを断ち切ること」だと感じている

 

「断つことを決める」
それが「決断」
正に字のごとくなのだと

 

会社を経営してくると
さまざまな局面に行き当たる
自分の思ったように事が運ばず
“つもり”とは違った結果になってしまう時がたびたびあるものだ

 

むしろ
思ったとおりに事が進み
自分の“つもり”と同じ結果になることなど、極めて稀で
思いもよらぬ結果になることの方が、圧倒的に多い

 

問題は、自分の“つもり”のどこが間違っていたのか
望むべき結果の設定が間違っていたのか
“つもり”であったその結果に行き着くはずの手段が間違っていたのか
あるいは
出た結果の出方が、つもりと違っていただけで
実は、結果自体は自分が期待したとおりのものが出ているのに
それに気がつかないのか

 

何がどうであって
“つもり”と違っているのか
そこが判断できるかどうか
正確に判断できるかどうか

 

そして、一番肝心なことは
その判断の中に、自分のそれまでの思いに対する未練を持ち込まないこと
判断は、冷静かつ客観的な判断でないと
間違った判断になる
当たり前のことのようだが、これがなかなか出来ない
「こうであって欲しい」「ああであって欲しい」という
期待の気持ちを込めての判断になってしまうからだ

 

Aという方法で、うまく行かず
それまでの過程を冷静に考えてみれば
Bの手段ならば、うまく行くだろうと分かっていても

 

Aの方法でうまく行きたかったという未練が
もう少しAの方法でやってみれば、うまくいくかもしれない
そうあって欲しい、という期待によって
Bの方法に転換すべきであるという判断が
Aでもう少しがんばってみたいという気持ちに負けてしまう

 

結局、その時にこそBに転換していれば成功していたはずのものが
Aへの未練を断ち切れずに
ダラダラとAの方法を引きずって
Bへの転換の時機を逸してしまい
最終的に失敗してしまう

 

そんなことがあまりにも多い

 

経営者として、すべき決断とは
Bへの転換が必要である時に
Aへの未練によって、Bへの転換の判断を狂わせないこと
つまり、Aへの未練をいかに断ち切ることが出来るかどうか

 

これは、よく登山に例えられる
登山の途中で天候が急変して
引き返すべきか、そのまま登山を続けるべきか迷った時
その判断は
登山を続けることによって、危険であるかどうか
引き返す“べき”であるかどうかだけで、判断されなければならない
「登りたい」という心情を
その判断の中に決して入れてはいけない

 

登りたいので、引き返すべきとは考えたくない
だから「大丈夫だろう」と考えたい
引き返すべきターニングポイント付近で迷った時
冷静な判断による引き返すべき限界点に
「登りたい」という気持ちの分を、かさあげしてしまう
遭難する典型的なパターンである

 

経営も同じ事が言える
その条件下では、明らかに好転する見込みがない事業と
あらゆる指数が示しているのに
「このままで事業を成功させたい」
という気持ちが勝ってしまい
あるいは
引き返すことによる目先の損
あるいは
ひょっとすると、成功するかもしれないという期待、甘さ
そんなものが勝ってしまい
引き返すだけの体力を使い果たしてしまっても
そのまま目をつむって突き進み
判断することすら嫌い
当然のように破綻する

 

こんな場合があまりにも多い

 

経営をするにあたって
多少の能力不足、運営力不足は
失敗を通じての学習により力が向上することによって
経営の失敗につながることは、あまりない
むしろ
断つべきことを、断つと決める力
やめることを、やめると決める力
そんな決断力があるかどうかが
破綻する経営者であるかどうかの大きな要素である
そう思うことが、多い

 

断つべきことを、断つことが出来てこそ
新たな事を始めることが出来る

 

絶つべきものを引きずりながら
新たなことをはじめようとしても、うまく行くことは少ない

 

そんなことを強く感じさせられることがあった
他人事ではあるが
ズシンとつらいことがあった
・・

 

・・・

さぁ、そんなことはとりあえず忘れて
今日の快洗隊知立店が面白かった

 

4月
刈谷店は前半の絶不調を終盤にぶっ飛ばし、軽く予算オーバー(粗利428万)
それに対して、知立店は終盤の追い上げならず、予算未達成(粗利170万)
(これに対しての分析は、?快洗隊よりそのうちあるでしょう)

 

知立店は、開店してからまだ1ヵ月半
とても認知度が高い状態ではなく、稼動26日中11日雨の悪条件を
はね返す力まではなかった
雨が降っても、それなりの売り上げがある刈谷店に対して
以前の刈谷店がそうであったように
知立店は、晴れと雨の日の、その落差が激しかった
当たり前である
雨に降っているのに洗車の売り上げがある刈谷店の方が、異常なのだ

 

当然である
しかし、知立店にリピート客が
すごく増えてきたところに大きな期待を持っている

 

そのせいかどうか
今日は
刈谷店が24万の粗利(内、洗車22万)に対して
知立店、20万(内、洗車18万)
あれ~~?って感じである

 

晴れさえすれば
知立店は、刈谷店に肉薄するだけの実績を上げ始めたのか
たまたまなのか?
しかも、知立店は板金の予約が5月半ば過ぎまでびっしりで、現在12台
刈谷店もウカウカしていられなくなってきている
伸びる時ってこんなものか

 

 

半田mg、藤川君、遅い昼食中の鈴木君、ヘルプの池本氏(ご苦労様でした)

 

 

 

 

上機嫌のH.オサム

 

 

今日、会社を訪問してくれたかわいい姪っ子。パソコンのお勉強中

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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