谷 好通コラム

2003年06月26日(木曜日)

739話 正面からが早道

高い理想とは、それをより多くの人と共有することが出来
それによってより多く人の幸せが、より大きく実現されるための目標

 

高き理想とは、多くの人の幸せを実現するもの
逆に言えば
多くの人を幸せにすることが、高い理想であるとも言える
だから、その高い理想を実現するための手段としての行動が
人を不幸にするものであってはならない
人の不幸の上に築かれた理想などありえないからだ

 

政治で言えば
たとえばそれが共産主義であれ、社会主義であれ、全体主義であれ
民衆を貧窮と抑圧から解放し
全人類を幸福にするための大きな理想のであったはずだった

 

それが、政治的・思想的指導者という名の元に独裁者が
独占的にその権力を持ったときに
その高い志、高い理想とは
まったく逆に
その独裁政治を維持するためのみの権力構造なるものが出来上がり
今度は、その権力構造の防衛のために
政治的理想の実現のためという名目で、民衆に対する弾圧が始まる
そして、毎度の拷問と虐殺
独裁政治の元では、政治犯が一番の悪であって
必ず殺される運命にある

 

民衆という圧倒的多数の人々のために出来た政治的理想
それは高い志であった
それが、少数の権力者の権力的満足・保身のための“根拠”に成り下がったとき
多くの人の幸せを作り上げるものとは正反対のものとなり
高い志とは無縁のものに成り下がってしまう

 

多くの独裁政治の体制が民衆によって倒されるのは
すでに民主の敵になっていたからであろう

 

独裁政治による政治的虐殺は
その規模が悲劇的に大きく、人類最大の汚点である
ソビエトのスターリンは数百万人
カンボジア、ポル・ポトはその人口を激減させるほどの大虐殺を行った
ルーマニアの悪名高きチァウチェスク
中国では過去において数千万人を・・という説すらある
北朝鮮は金正日の元、すでに300万人以上の餓死者を出し
今でも毎日、何百何千もの人が死んでいるのだろう

 

彼らが言うところの正義とは、到底、理想とか志と呼べるものではない

 

一部の宗教が神の教えのためとして、多くの人を殺してしまったことも同様だ
十字軍の遠征は、侵略以外の何物でもなかったし
イスラム教の正義の名の下に
ニューヨーク同時多発テロでは、数千人もの人が殺された
オーム真理教の連続大量殺人もそうだ

 

仏様も、キリストも、モハメッドも
自分の教えを主張するために、人を殺して良いとは絶対に言っていない
人をいつくしみ、愛せよといっている

 

人間の理想的な幸せを実現する為に出来た宗教が
今でもそのほとんどの宗教が高い志に上に生きているのに対して
中には独善の中に陥るものもあり
その高い志とは正反対の、狂気の集団の成り下がっている場合もある
真の意味で高い志とは、その理想のために、人を不幸にするものではないのだ
決して人を殺すものではないのだ

 

どんなにすばらしく高い理想も
他の者を排する独善的なもの
つまり、自分のため、自分だけの利益のために
他を排する方向を持ったとき
高い理想とは正反対の方向へ、つっ走り始める

 

平和な日本の中でも
たとえば
経営という次元において
その理想として掲げているものが、どんなに高尚なものであっても
とりあえず、自らの儲けばかりに目を取られるようなことがあっては
多分、その会社は長続きしない

 

お客様に対して不利益になること
他者に対する妨害行為など
あるいは、社会的に不道徳なることなどが発覚すれば
たちまちのうちに、世の中から排除されてしまうこともたびたびである

 

あの日本の酪農を支えていた“雪印”が
不当な、しかも些細な、自分勝手な利益を得たために
厳しい社会的制裁を受け
天下のブランド「雪印」は、ボロボロとなって
その代表的製品“雪印牛乳”までが、その伝統あるブランドを捨てて
“メグミルク”なる、みょうちくりんなブランドを一から作り上げる羽目になった

 

他者の不幸の上に築かれる理想など有りはしないし
恨みとか、悪口、うそ、ごまかし、などの上に築かれる繁栄なども有りはしない

 

真正面から正々堂々と理想に取り組み、作ることが一番の早道であり
唯一の方法である

 

正々堂々
正面突破
もう、何も迷わず、惑わず行く

 

今日、そんなことを考えた

 

 

先日、東北地方で地震があった時刻より1時間ほど前
福岡上空で見た不思議な雲 ・・・地震雲か?な~んちゃって

 

Posted   パーマリンク

ページのトップへ ページのトップへ

  • 最近の記事

  • プロフィール

    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

  • カレンダー

    2003年6月
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930  
  • リンク集

  • 過去の記事

  • RSS1.0

    [Login]

    (C) KeePer Giken. All rights reserved.