谷 好通コラム

2003年07月07日(月曜日)

746話 カラーデザイン

我々は、色々な製品を開発するが
開発の主役は、我が研究室のDr.サンコン
そしてもう一つの主役が快洗隊
開発部はそのコーディネーター

 

しかし、その本当の主役はユーザーの皆さんと、そのお客様たち
つまりエンドユーザー

 

お客様の欲求が、新しい製品を作り出す原動力である
私たちは、その製品の原動力である“お客様の欲求”が、どこにあるか
一生懸命アンテナを張り巡らし
察知しようとする

 

その欲求は
お客様と一番身近にある洗車の最前線である“全国のSSさん”
あるいは“快洗隊”からの情報によって
もたらされる場合もあれば
直接私たちが感じたものを、逆に提案する場合もある
また、他の国で使われていて、その国のエンドユーザーに支持されているものを
日本のニーズに合わせて、提案する場合もある

 

あるいは、現在使われているものを改善、改良するものもある
水垢取りの「爆白!」もそんな部類で
この製品の開発の発端は
観光バスの水垢取り剤開発の依頼があった時だ
白い色が多用されている観光バスの水垢は、実はものすごくしつこいもので
(その理由を書き始めると長くなるので、割愛する)
界面活性剤とかコンパウンドなどだけでは
とても歯が立たないものであった
従来の発想ではとても解決できそうになかったので
思い切った配合に挑戦し始めた
その思い切った発想から「爆白!」が生まれたのだ
“必要は発明の母”というが、まったくその通り

 

 

何を作るべきかが見つかったら
製品開発の実務が始まる

 

私とDr.サンコンが、ケミカル的な設計を話し合って
Dr.サンコンが実験室でいくつかもサンプルを作る
出来上がったものを開発部がテストして
ダメなら、また作り直して
何度か何度かそれを繰り返して
行けそうだとなったら
快洗隊でまた何人かの手でテストする
(“何人かの手で”というところが肝心である)

 

と同時にさまざまな安全テストが繰り返された上で
両方ともからOKが出れば
ケミカル的にはこの段階でほぼ出来上がり
開発部がその使用方法を提示して
その上で、実際に快洗隊で使い始める
そこで実戦的な使用方法にまで発展させて、マニュアルが出来上がる
最適な作業マニュアルの作成段階で
ケミカル的な修正も加えられる
(ここで、その両方を成立させることが難しく、袋小路に入り込んでしまう場合もある)

 

そのころには、製品のパッケージングの検討も進み
1缶の容量、容器の形状、デザインが決まる
ここまで来て、やっと原価計算が出来て
販売価格が決定できる

 

さぁ、今度は、それを実際の店舗で販売するための販売促進ツール作り
ここまできて、つっかえてしまう事もしばしば

 

やっと、一つの製品となって世に出るまでに
かなりの時間が使われてしまう
この複雑な作業を、いかに短時間にこなすか
そして、一番肝心なことは
間違いのない製品として、世に出せるかということ
これを総称して開発能力というのだろう

 

実際に、ある条件で、ある人間が、ある方法でやったら非常にうまく行ったものが
そのどれかの条件が違うと、まったくうまく行かないケースもある
これは、ある意味でダメな商品であって
どんな条件下でも、誰がやっても、少々違う方法でやっても
ほとんどうまく出来上がるのが
いい商品なのだ

 

これは本当に難しいことで
だから、担当の人間が自分の感性と“手で”作ってしまったものは
その間違いを起こしがちとなる

 

だから
“何人もの手で”の部分が肝心となるのだ

 

「ケミカル工場の研究員が、実験室の中で造り
駐車所の車でチョコチョコっと実験をして
良さそうな物を作って
ケミカルメーカーを自称する“販売会社”のラベルを貼って売り出す」
そんな開発とはまるっきり違う
実に労力をかけたことをやっている

 

そんな、実に手間のかかる開発の中で
いつも悩むのが「カラーデザイン」
ケミカルの色である

 

“色”は、その製品のイメージに大きな影響を与える
ケミカル製品は
その原料に純度の高いものを使うので
ほとんどの場合、“透明”か“白”である

 

それに色をつけるわけだが
着色剤には、食物にも使われている安全なものを使う
たとえば、“赤”ならば“食紅”を本当に使うのだ

 

赤・青・黄・緑、
大体その4色の配合と、そして元々の白で
色が出来上がるのだ

 

その色の具合で製品のイメージが大きく変わる

 

しかし
私は、色付けが苦手である
自分でもイヤになるぐらいセンスがない
たいていの場合、開発部のスタッフに任せてしまうし
会社の女の子とかの意見が決め手となっている場合もある

 

ケミカル製品もカラーデザインが大切なら
店舗のカラーデザインも大切
カラーデザインで、店舗の印象がガラっと変わってしまう

 

快洗隊安城店のカラーデザインが
2点出来上がってきた
今度の店は新しいカラーデザインにも挑戦してみることにしたのだ

 

さぁ、どうしたものか
見れば見るほど分からなくなってしまう

 

 

ここは、H.オサム達に任せてしまうことにしたが
あいつの色のセンスって良かったっけ?
どうだっけ?

 

皆さんに決めてもらった方がいいかな?

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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