谷 好通コラム

2003年07月13日(日曜日)

752話 アセモがかゆい

「人の悪口、蜜より甘い」という
世には、有名人のゴシップが書きたてられている週刊誌とか
事件を面白おかしく書いたり
特定の人とか団体を執拗に攻撃する
そんな週刊誌とかが
数え切れないほど出回っている
それだけ売れていて
そして、売れる分だけ多くの人が読んでいるということなのだろう

 

どの記事も
書いている記者が正義の味方であり
血祭りに上げられている対象が悪者である

 

何の責任も持たない人が
何の責任も持たない人から取材した複数の話を
無責任に一つの話にまとめ上げ
一つ一つの事柄は、完全に間違ってはいないが
話のつなぎ方に悪意を込め
話の全体としては真実とは縁遠い話になっていき
そして最後には
興味本位の下卑た話に仕立て上げてしまう
一言で言えば
「悪口」

 

私は、この手の週刊誌が大っ嫌いで、まったく買ったことが無い
しかし、その週刊誌の宣伝が電車の吊り下げ広告などにあると
刺激的な見出しの言葉に目が行ってしまう
そして「ホ~ッ」と思ってしまう
一瞬であったとしても、読んでみたいとも思ってしまう

 

人は如何に人の悪口が好きなのであろうか

 

人は、人の悪口を読み
あるいは人の悪口を言うことによって
自分の満たされていない部分を埋めるのであろうか
自分が、自分自身の足りないと気がついている部分を、埋めるのであろう

 

人のことを、故意に、悪く取れるように言うことによって
つまり悪口を言うことによって
自分の足らない部分を埋める

 

人を悪く言うことによって
自分自身で、実は気がついている自分の正しくない部分を補完する

 

人のことを悪く言うことによって
実は不安な自分が安定する
つまり安心する

 

悪口って弱い者のためにあるものであって
弱い部分を埋め、補完し、安心するためのもの
自分だけの為のもの
だから「人の悪口、蜜より甘い」

 

それによって悪口の対象の人が如何に傷つこうとも、関係ない
悪口に頼る弱い人は、人の心の傷など気にならないものであって
悪口が好きな弱い人は
人から奪うことだけしか出来ない心の貧しい人
だから残酷にもなることが出来る

 

商売はgive and takeであって
まず与えることgiveが先に来るもの
それから、その報酬としてtake、得ることが出来る
だから
より大きなgiveを作り出すことが出来るかどうか
それが商売の成功の素
これは鉄則なのだ
これは人生にとっても同じことかもしれない

 

だから、悪口をよく言う人、つまり、奪うことしか出来ない人で
商売に成功した人を、私は見たことが無い
それどころか幸せそうな人すら見たことが無い

 

人は、自分の足で立つことが不安であることの方が、むしろ普通で
自分自身に確固たる自信を持っている人など
なかなかいるものではない
それは私だって同様だ
でも、人のことを悪く言って自分の正当性を主張したり
自分の存在を確認しようとしたって
それが、空しいことを、実は知っている

 

自分自身を振り返ったとき
自分が誰かのことを悪く思ったり、言ったりする時とは
自分が自分に対して不安になっている時であることに気がつく

 

人のことをとやかく悪く言うヒマがあったら
自分のことをしっかりさせることに頑張ったほうが良いに決まっている

 

人から誰かの悪口を聞かされた時
あ~この人は、私の悪口も、誰かに言うのだろうなと思う

 

言うまい、聞くまい、人の悪口、悪口のための悪口
そんなヒマあるなら、わが身を正せ

 

人の悪口気にするヒマがあったら、一生懸命仕事した方がいい

 

ウンナことを思った今日この頃でした

 

両方の肩に出来たアセモがかゆい!
石垣島でびっしょりかいた汗が、アセモになった

 

おととい石垣島から帰ってきて
明々後日から、今度は上海に行く
いよいよ「快洗Taoる」が出荷されるのだ
第一回目の出荷、きっちり間違いの無いように
しっかり検品に行く
プラス「上海快洗隊」の実現に向けて、新しい店舗になるかもしれない場所を見に行く
それまでに、何とかアセモを直さなくてはならない

 

 

「快洗Taoる」のパッケージのために
陶(Tao)さんにいい写真を送って下さいと言ったら
奥さんと一緒の熱々の写真を送ってくれた
なんともいい写真でホッとした

 

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2003年07月13日(日曜日)

751話 南の島・商売の心

石垣島への4日の出張
飛行機に乗っていた時間は片道たった3時間足らず
たとえば、札幌への飛行時間が片道1時間半
そう考えてみれば、しょっちゅう行っている札幌に比べてたった1時間半弱遠いだけ
しかし、飛行機の便数が少なく
名古屋からならば1本/日しかなく
中途半端な時間の移動になるので、実質的には往復で半日は余分にかかる
日帰りは出来ないが
何日間か行けば、相対的に大したハンディではなくなる

 

飛行運賃もかなり高いが
35%レスの早割りを使うことが出来
普通運賃しか使えない時期が長い札幌便に比べて、格別高いわけでもない

 

石垣島は意外と“近かった”
これが実感である

 

ただし、石垣島はマーケットとして札幌と比べれば1/50にしか過ぎず
たびたび行くわけにはいかないが
スケジュールの中に、目的を持って入れていくことに抵抗は無い
沖縄を中継として、沖縄での仕事を絡ませていけば
もっと意味が出てくるだろう

 

石垣島での活動に伴うハンディはこんな程度のもの
その逆に
大きなプラス面がある

 

ここは本土からすれば離島
来てしまえば、こちらも集中できるし
力を入れた分、そしてノウハウを提供させていただいた分
先方にも、きっちりと集中していただけること

 

中途半端に近いところだと
また来ればいいと、ダラダラとした進行になりがちである
しかし、ここはそうはいかない
集中してことを進めなければロスが大きい
だから、集中して計画的に物事を進めていく必要がある
お互いに緊張感を持つことが、かえって良い結果を出すような気がするのだ

 

そして、もうひとつ
経営陣の方たちが現場のことを良く分かっていらっしゃるので
余計な手続きなしで、つまり、スピーディーにことを進められる

 

そして、大きな要素
マーケットに対して主体的な発想が出来ていること

 

大都会での商売は
圧倒的に大きなマーケットに対して、その消費の意向(ニーズ)を受動的に受け止め
その意向に沿った商売を組み立てていく発想が有効である
その消費の意向が顕在的なものだけでなく
潜在的であるものに対してでも
そのいずれにしても、すでにある消費の意向を探るところから商売が始まる

 

新たなニーズを作り出すという発想を持つことは
なかなか難しい

 

しかし石垣島のマーケットは小さい
だから、すでにある消費の意向を探っているだけでは
ビジネスは成長しない
だから、主体的に消費の意向を“作り出して”行く姿勢を持つ
そんな発想を持っているように感じられた

 

主体的な発想を持たなければならないし
小さなマーケットゆえに、逆にそれが出来るということ

 

日本国中のローカルと言われるところに
自分の商売のことだけでなく
自分の住んでいる地域を何とか活性化しようと
頑張っている経営者がいっぱいいる

 

受動的である発想
「地域の中の、すでにあるマーケットの中から、如何に利益を吸い上げようか」
そういう考え方ではなく

 

「地域の活性化によってこそ、自らのビジネスの発展が実現できる」
そんな主体的な発想
平たく言うと
「みんなが発展しなければ、自分も発展できない」
そんなところか

 

それを、石垣島の経済のリーダーとして
今回訪問した会社に、強く感じた

 

洗車は、「車のきれい」という人の感性に関わるものを提供していく商売
燃料の販売のように
お客様が必要としている物を、必要なとき
買いにくるのを“受けて”提供していく商売ではない
より良い「車のきれい」を提案して、お客様に“欲しい”と思ってもらうところから
初めて始まる商売なのである
主体的な商売であるといえる

 

会社として、主体性の姿勢を持っていることが
洗車の販売には必要であると感じている
そういう意味で、この石垣島の会社に大きな可能性を感じたのだ

 

暑い。
晴れていても突然、一時的に雨(スコール)が降る南の島独特の天気。
台風がたくさん来襲してくる事。
潮風によって、慢性的に塩害を被っている事。

 

そんな一見悪い条件を
すべてプラスの発想の中で、主体的にお客様に提供することによって
洗車・コーティングなど「車のきれい」を販売するビジネスに
大きな可能性が実現される

 

そして
若く優秀なスタッフが多い事が、何よりも力強い要素である

 

 

加えて
トップが小売の現場をよく知っていること
大浜社長は、東京で、沖縄で、長い現場の経験を持っている
実際の小売りを身に染み込ませている
その弟さんも同じだ
これは、小売りを商売としていくビジネスには大変重要な要素

 

小売業の成功は
実際のお客様との接触の中から作り上げられる物で
あらゆるノウハウも、そこから生み出される物
小売りには
評論家はまったく通用しない
実際のお客様との真剣なやり取りである「買っていただくこと」
その積み重ねからしか何も生み出されない

 

大きな会社の社長になると、その辺を忘れてしまうことが多い

 

今回短い時間であったが
洗車について色々お話しをさせていただいたが
大浜社長に
「あ~、商売を分かっていらっしゃるなぁ」と何度か感じた

 

 

商売の心、見習わなくてはならない

 

 

今回の出張
仕事の意味でも、プライベートな意味でも
自分に新鮮さを補給できた意味のあるものであった
そんな気がする

 

今回のチャンスを作っていただいた田さんに感謝します。

 

 

一番大変であった平井君ご苦労様
しかし、君はすっかり石垣島に溶け込んでいた
スタッフの人たちに「地元の人みたいです」と言われたのは、最高です、

 

 

帰りの石垣島空港
ANAの定期便、比較的小型のB-737-500が大きく思えた

 

 

B-737シリーズでも新しいタイプの機体の
高効率ターボファンジェットの特徴的な“おにぎり型”の空気取り入れ口

 

 

離陸後、急角度で上昇
地面が傾いているのではなく、撮っている本人が傾いているのです
(あたりまえか)

 

 

10000mの上空から見た島、どこの島か?
何回か通えばきっとみんな覚えてしまうだろう

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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