谷 好通コラム

2003年08月28日(木曜日)

785話 時代変化の実感

本日、やっと携帯電話が戻ってきた

 

私の携帯は、普段、めったに鳴らない
メールでの連絡が中心になっていることも確かだが
専務とか部長たちとかが営業関係の仕事をほとんどやってくれていて
私が直接お客様と連絡をするような仕事からは解放されてしまっている
だから、本当に私の携帯電話はほとんど鳴らないのだ
日にせいぜい2・3本

 

海外旅行に出かけたときでも
4日ほど留守にして日本の空港に戻り
空港でいそいそと留守電を聞くが
「お預かりしているメッセージはありません」となると
さすがに寂しく感じることさえある

 

今回は、出張の一日目
それも一件目の訪問先
東京の大きな会社で仕事をさせてもらい
有頂天で帰る時に、うっかりその会社に携帯電話を忘れてしまった
また、携帯電話を紛失してしまったのだ

 

携帯電話が無いのに気が付いたのは
それから2件目の訪問先でだ
いつもほとんど電話が鳴らないので失くしたことに気が付かなかったのである
こちらから自分の会社に電話をしようと思ったときに気が付いた

 

さぁ、どこへ忘れたか
多分1件目の会社であろうことは見当が付いたが
それを確認するにも、携帯が無いので
なかなか電話をすることが出来なかった
いずれにしても、私の携帯はめったに鳴らないし
そのあとも予定をかなり隙間なく詰めていたので
携帯を持たないまま3日間の出張を過ごすことにした

 

このとき気が付いたのだが
今、街の中から公衆電話がなくなっている
携帯電話がとことん普及したので
公衆電話を掛ける人がいなくなったのであろう
駅のホームとか
コンビニの店先、それも駐車場のあるコンビニの店先に
薄汚れて存在しているだけで
「電話BOX」なんかは街の中からすっかりなくなっている

 

いつも携帯を使っているので
そんなことにも気が付かなかったのだ

 

携帯電話が無くて不自由を感じたのは
用件を思いといたときに、相手にすぐ電話を出来なかったこと
これは、ものすごく不便である
いくつもたまった用件を、どこかの駅の公衆電話で
あちらこちらに、まとめて何本も掛け続けるのは、実につらい
だいいち、暑いのだ
惨めにすら感じてくる

 

考えてみれば、私の最近の出張は
いつも誰かが一緒にいた
私自身は営業活動をほとんどしていないので
その仕事を担当しているスタッフであることが多く
私が、あちらこちらで携帯電話を忘れてきてしまったときでも
そのスタッフの携帯を借りて電話を掛ければよく
不自由はしなかった

 

私に掛かってくる電話はほとんど無くても
私の方から電話を掛けることは多く
たまたま、この時は私一人であったので
携帯がないことによる不自由さを、しみじみと味わったわけだ

 

ちょっと昔
携帯を、自分の意志で持たない人がかなりいた
「外出先まで束縛されるのはイヤだから」と
しかし、今では
出先で電話をしたくなっても、公衆電話が極端に少なくなって
ものすごく不便な環境になってしまっている

 

携帯が普及する前に比べたら
携帯を持たずにいると
ものすごく不便な社会に変わってしまっているのだ
誰もが携帯を持たざるを得ない
そんな社会環境に変わっている

 

「時代というものは、こうやって変わっていくのだなぁ」
新しいものを拒否しても
新しいものを利用する便利さがない以上に、もっと不便になっていくのだ

 

時代の変化は、それを拒否しても
いつまでも拒否し続けることが、大きな不便を強要されることに繋がってしまう
ひょっとしたら、そのことが自らの存続までを脅かされることになる
時代の変化とは
そういうことなのだと、実感させられた

 

出張の3日目の朝
北海道・札幌のワンデースクール会場に行くとき
レンタカーを借りるのにちょっと手間取って
余裕を持って出たその時間が、かなり少なくなってきて
しかも、道路が思ったより混んでいて
ひょっとして遅刻しそうだと思ったとき
札幌担当の高所長に
車の中から連絡が出来ない。

 

手も足も出ないとはこのことで
コンビニの公衆電話を見つけても、わざわざ入って行って
車から降りて、電話を掛けたのでは
確実に5分はかかる
そんなことをしているぐらいなら、とにかく会場に一刻も早く行こう

 

そんなことを色々考えながら
会場に着いたのは、キッチリ5分前
高所長は、心配そうに会場の門の前で待っていた
「ジャスト オン タイム!」
すまして会場に入った私は、内心、ものすごくホッとしていたのでした。

 

3日ぶりに手元に戻ってきた
我が携帯

 

 

しかしそれにしても、この携帯、また!出てきた
皆さんのおかげで
もう、2年?近く使っていて、すっかり旧式になった
それでも、iモードも何も携帯でやらず、ひたすら“電話”として使っている私には
これで十分なのです
ありがたいことです。

 

留守番電話には、6本の留守電が珍しく入っていた
もちろん急用は一つも無かった

 

時代が変わることとは、どういうことなのか
よ~~く分かった
今回の携帯電話紛失事件でした

 

わざわざ宅配便で、私の携帯を送ってくださったS社の方
大変、大変ご迷惑をおかけしました。
ありがとうございました。
おかげさまで、わたくし、今回は大変良い勉強させていただきました。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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