谷 好通コラム

2003年08月30日(土曜日)

786話 10億分の1m

キーパータイムスで2ヶ月ほど前から
イメージだけ出しているアクアキーパー

 

昨日、そのアクアキーパーの心臓ともなる部分の製造工場に行った

 

アクアキーパーとは、“親水”のコーティングで
キーパーとは対極にあるコーティング

 

撥水と艶、塗装保護がキーパーのメリットならば
アクアキーパーは、水はまったく弾かないが
汚れが非常に付きにくいとか
帯電防止になるとか
独特の艶があって、それが長持ちするとか
“親水”によるいくつかのメリットと、この商品独特のメリットを持っている

 

キーパーがお好きなお客様
アクアキーパーの特性がお好きなお客様
好みはそれぞれであり
両方の好みを満たすものが、それぞれあることによって
新たな需要層を開拓する可能性を持つことと考えている

 

詳しいことはまだ公表できないが
少なくとも、超親水のハイドロテクトの大変な作業はまったくない
水を加工して、水で施工していく
今までにない方法で、ちょっと惚れ込んでいる

 

これまで、テストは数限りなく繰り返してきたが
良い結果が出ている

 

今回は、その製品の特許を所有している伊藤先生にお会いすることと
その心臓部にあたる部分を製造している工場に行った

 

しかし、水を使うものというと
何かうさんくささを感じさせるものであり
頭の中では納得していても、気持ちの中では何か引っ掛かりがあったのも事実
そこで今回は
とにかく、自分自身を納得させるため

 

一緒に行ったのは
研究室のDr.サンコン
開発部のM部長と、新人で勉強中の増田君
そして、販促のグリット吉田君

 

工場は岐阜県の瑞浪
焼き物に非常に良い土が産出されるところで
窯業が非常に盛んな街である
このあたりで焼かれる焼き物を“美濃焼き”という

 

S陶器?さん
(今の時点では、まだ公表できない。10月に正式発表する。)
まず、ショールームと倉庫を見学
S陶器さんの社長が中国の“景徳鎮”地方の焼き物に傾倒し
素晴らしいコレクションが揃っている
ショールームに展示してあったものは、直接、一般の方に販売するもので
素人の私から見ても素晴らしいものであり
値段も立派なものであったが
それでも、直接中国に行って買い付けているものなので
普通のところで買う値段の何分の1であるという

 

仕事で行っているのでなかったら、本当に欲しいと思った

 

あまりもの薄さで、裏から表の模様がはっきりと透けて見える
特別な景徳鎮の????(聞いた名前を忘れてしまった)

 

 

それから、今日の主目的“特殊なニューセラミックス”群
ここで研究開発、製造されている膨大な種類のニューセラミックのサンプル群
ニューセラミックスの中でも
“機能セラミック”というカテゴリーのものであるそうだ

 

 

工場に行く前に、座談会が開かれた
主役は伊藤先生
ニューセラミックス研究のプロ中のプロ
世界特許の発明者である

 

セラミックスは“無機物”である
それに対して私達は“有機物”を相手にしている
Dr.サンコンも有機物である界面活性剤とか、ポリマーとか
そういうものには精通しているが、“無機物”には全くといっていいほど無縁であった

 

正直言って
伊藤先生の話は、最初のうちチンプンカンプンであった
無機物の化学反応とは
有機物の化学反応とはまったく違った概念が必要なようだ

 

伊藤先生いわく
「有機物の化学反応は、現代医学にたとえられます。
あるものを添加すれば、キッチリ反応して、決まった結果が出てくる。
無機物の化学反応とは“漢方医学”のようなもので
間違いなく効果があっても
その効果が緩やかで、1+1=2のようには行かず
普通の計測器では計測不能の場合が多いのです。」

 

 

「たとえば、Si=シリカ=珪素の結晶と言っても、6種類の形態があって
SiO2が、キチンと六角形の形で結晶したものが“水晶”
それの電気位置を水晶とは逆の左向きに、人工的に結晶されたものが
“クォーツ”時計に使われているもので、非常に正確に振動しています。
・・・・・・・・・
そして・・・
シリカが、溶けているような分子結合状態で固まったものを
“固溶体”といって、いわゆる“ガラス”です。
・・・・
・・・・・・・・
シリカの結晶が
マグマの奥底、ものすごい高温の熱水鉱床での中で溶けて
シリカの結晶の中に
700~800゜Cもの熱水蒸気が突き刺さって出来たものが・・・・です。」

 

わからん!
正直いって、わからん!

 

普通の化学、つまり有機の化学は
ある程度理解できているつもりであるが
無機の世界の話は
イメージとして湧いてこないのだ

 

しかし、今回は自分自身を納得させるために来たのだ
遠慮せず、とにかく質問をする
大変失礼な質問もあったかもしれないが、遠慮なく質問をする
Dr.サンコンも「ウ~~ン」と唸りながら質問を繰り返す

 

それに対して
伊藤先生、独特の言い回しで、一生懸命答えてくれる
S陶器のニューセラミック部小倉部長、S常務も一生懸命説明を助ける
何時間話したのであろう
なんとなくイメージがつかめてきた

 

無機の世界とは、物質と物質とがパッパッパと反応するのでなく
ジワーッと来るものなのだ
物質と物質がパッとくっついて、まったく違う性質を持った物質に変わる物ではなくて
物質が物質に影響を与えて
もともとの性質とは違った性質を引き出したり
あるいは熱とか圧力によって
結晶の状態など変わって、そのもの自体の性質がガラっと変わることもある
しかも、それが常温で固定してしまうのだ

 

有機の世界とはまったく違うイメージで
物を考えなければならない
実に新鮮な驚きであった

 

アクアキーパー
10月には発売を開始しなければならないのだが
私の頭は、やっと無機の世界のイメージを少し理解できたところ
もっと必死に勉強をしなければならない

 

アクアキーパー
塗装上に“数ナノ”の強固な被膜を作る

 

“ナノ”とは、どのような世界ナノか
(シャレてる場合ではないが)

 

1メートルの千分の一が1ミリメートル
1ミリメートルの千分の一が1ミクロン
1ミクロンの千分の一が1ナノ

 

1メートルの10のマイナス9乗の長さ
1000,000,000分の1m

 

もっと分かりやすく言えば
厚さ100ミクロン、つまり0.1ミリの塗装の膜に
たとえば、3ナノのアクアキーパーの膜とは
0.1ミリ×(1/1000)×(1/1000)×3=3ナノ
たとえば
高さ333m東京タワーを、0.1ミリの塗装の厚さとすると
333m×(1/1000)=33.3センチ×(1/1000)=0.3ミリ×3=約1ミリメートル
つまり
高さ333mの東京タワーのてっぺんに!
わずか1ミリメートル!のコーティングをするという事になる

 

これがナノの世界ナノだ
普通の走査電子顕微鏡では写すことさえ出来ない
日本にたった2台だけの
「原子間電子顕微鏡」で、やっとその姿を見ることが出来る

 

 

私達のキーパーの被膜とは
0.1ミリの塗装の上に
0.01ミリの有機物である高分子共重合体の被膜を作る技術

 

まったく違う技術であって
理解することも大変であり
技術的なテクニックも相当に違う

 

しかし、今までのコーティングとは、まったく違った効果が得られることも事実
この効果は、自分の目で確認して、納得している

 

しかし、これをどうやって説明しよう

 

丸半日
しつこい私たちに一生懸命説明してくださった
S陶器のS常務、伊藤先生、小倉部長

 

 

キーになる部分の原料

 

 

工場を案内された
この日は稼動していなかったので
ゆっくりと見ることが出来た
1250゜Cで、何時間も焼結をするトンネル炉

 

 

稼動時には絶対近寄れない炉の横を
みんなで歩いた

 

 

大きな大きな工場の機械は
みな粉塵が積もっており、作業者のご苦労を想像させられた

 

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    谷 好通

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