谷 好通コラム

2004年05月11日(火曜日)

955話 上海の現場主義

今日は朝からKeePreの研修である。
上海地区の総代理店である車聖さん(契約が合意できた)のスタッフに対して、
KeePreの施工技術とその理論を、
集中的に教えることにしたのだ。
今日と明日、わずか2日間ですべてを教えることは出来るものではないが、
まだ先まだ長い長いお付き合いになるので、
その第一歩として今日と明日、出来だけのことを一生懸命教えることにする。

 

今回うれしかったことは、車聖の社長Andy任(レン)さんと、
あの上海のショーで友達になった陳さんも、
この研修を一緒に受けてくれていること。

 

最初の申し出では、任社長自ら一人で研修を受けて
社長がスタッフを教えるということであった。
中国では若い人が何か技術を教えられ、技術を身に付けると、
とたんに会社を辞めて、
競合の会社に行ってしまうことが普通にあって、
それを考えて、まず社長だけが技術を身に付けよう、という話であったのだ。

 

「大丈夫です。KeePreの技術は独自のものであって、
日本のようにKeePreの偽物が氾濫しているならば、いざ知らず
中国ではまだそんな事は無い訳で、
KeePreの技術を持っても、他に使いようが無いから大丈夫です。」
そう言って、
KeePreの事業に関係するスタッフ全員に、研修に出席してもらうことにした。

 

だから、社長は研修に出られないかと思っていたら、
ちゃんと研修に出てきて、
スタッフの人達に混じって、
というより先頭に立ってKeePreの施工練習をやってくれた。

 

何ともいいではないか。
初めての事に社長自らが、先頭に立って、現場に出てくるなんて、
こういう会社こそ健全なのだ。

 

「あ~、君たちに任せたから、うまくやっといてくれたまえよ」なんて
ふんぞり返って言っている社長の会社は、
先行きが危ういと考えて間違いない。

 

何についても、顔を出したがり、
手を出したがり、口を出したがり
特に、何でも知りたがる社長が、健全な会社作り得ると思っている。
“任せる”ということと、“無関心”ということでは、
雲泥の差があるのだ。
何の事にでも、特に新しい事には先頭を切って、
好奇心満々で出かけていくのが、伸びる会社の社長としては当然なのだ。

 

そういう意味で上海の“車聖”さん、誠に健全である。

 

 

最近
仕事をしていていつも悩みに思うことは、
ちょっと仕事で技術を覚えると、
とたんに“口先だけで、やらない人”になる人が多い事だ。
技術とは、自分で出来てはじめて人に伝えたり教えたりする事が出来るもので、
自分は出来もしないのに、口先だけの能書きを言うようにになったら
誰も、その人もその技術すらも信頼しない。

 

KeePreのような特殊な技術の場合は特にそうだ。
KeePreは売る前に、KeePreの技術をキチンと伝えなくてはならない。
技術の伝授とは、
自分が出来てはじめて出来るものなのだ。
能書きだけの人間は、少なくともわが社においては、一人たりとも要らない。

 

大きな企業の経営者になっても、
まず自分が出来るようにならなくては、と思う事が正常であって、
その経営者の姿勢が、部下の姿勢にも大きく影響するのだろう。
今日の任さんの姿勢を見て、
あらためて我が身を反省するのであった。

 

午前中の座学は、上海の連絡事務所を初めて使って行なった。
もうちょっと改善すれば、なかなか使いやすそうである。
午後からは頼さんの“新しい店”を貸してもらって実技である。

 

今日は撮りたい場面がいっぱいあったのだが、
連絡事務所から頼さんの店に移動する時、
デジカメを事務所に忘れてきてしまった。
非常に残念!

 

明日また必ず報告する。

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2004年05月11日(火曜日)

954話 お互い頑固者で

今日は上海
朝一番の飛行機に乗ってやってきた。
ちょうど日本上空には2本の前線があって、かなりひどく揺れた。

 

上海はもう12度目
(本当を言うと11度目か12度目かよく分からなくなってきた。)
上海に着いても、異国にやって来たという感じはすっかり無くなって来ていて、
いつもの仕事場に来たって感じで、違和感がまったくない。
今にも自分が中国語を喋りだしそうな錯覚すら覚えるのだ。

 

まず、真っ直ぐ縫製の張さんの工場に行く。
洗車専用の作業着を作るため、多分もう5回くらいこの工場には来ているが、
なかなか仕様が決まらない。
あ~しようか、こ~しようか、色々迷ってばかりいるのだ。
しかし、今日、やっとピタッと来た感じがした。
今回は快洗隊の鬼教官“中根” (ハンドルネーム「ダイモス」)を連れてきていて、
実際にサンプルを何度か着てもらっていての感想を、
直接、張さんに言ってもらい、
張さんも、すごく納得できたようなのだ。

 

1年近く色々迷っていたユニフォームが、
“直接”が出来た今回、やっと出来上がりそうである。
“中根”を連れてきて大正解であった。

 

やっぱ、直接が一番早くて、正確で、最高である。

 

午後4時からは、上海でのKeePreの販売活動の契約書についての会議。
上海の総代理店をお任せしようとしている“車聖”の任社長との直接会談だ。
直接会談といっても、
私は日本語しか分からないし、任社長は中国語と英語。
お互いに通訳と介しての会談となり、
お互いが検討する契約書も、
私は日本語で書かれたもの、車聖さんは中国語で書かれたものだ。
しばらく話はすれ違いが続く。

 

契約書に書いてある「必須」という言葉とか、「産品」という文字が、
お互いの言語の契約書に書いてあったり無かったり、
また、その言語のニュアンスnuanceによって、
両方とも同じことを言っているのに、
いつまでも噛み合わない議論が繰り返されたりする。

 

日本語と中国語が解かる人が、工藤さん、頼さん、李さんと3人もいてだ。

 

お互いが共通の言語で議論すれば、
4時間かかった議論は、多分、30分もあれば良かったのであろう。

 

お互いに相手の言っている事が
言語として直接解からないので、100%理解できない歯がゆさを感じながら、
納得できるまで話し合った。
お互いに疑問に感じたことは、
それが言語的な因に由縁しているのであろう事は解かっていても、
納得できないと、決して引くことはしない。

 

その議論が何時間続こうと、決して引かない。
これは事業の話なので「まぁ、いいか」は無いのである。

 

お互いに、お互いの性格は分かっていて、多少の文言がおかしくても、
その活動の中では問題の無いことは分かっていても、
疑問を疑問のままで残すことはしないのだ。
それがビジネスというものだ。

 

お互いがお互いに尊重し、認めているので、
お互い相手のためにも中途半端な妥協はしない。

 

そういう意味では、お互い「頑固」である。
しかもそこに、言語のニュアンスの違いがどうしても入ってくるので、
必然的に話は長くなる。
それでも、話を続ける中で
お互いが主張している事が、同じ方向を向いていることが解かってくると、
私も早く合意をしたくなるのだが
先に引いてくれる形で合意してくるのは、車聖さんであった。

 

私よりも10歳以上若いのに、
この懐の深いところは、やはり大器の証か?

 

それにしても、彼とは直接同じ言語で話すことが出来たら、
もっとスムーズに分かり合えて簡単であるのにと、いつも思う。
お互い、ちょっとしたニュアンスの違いを埋めるのに長い長い話し合いが必要なのは、本当に疲れるのだ。(^o^)/

 

工藤さん、頼さん、李さん三人の
多分最高の通訳を介してでも、やっぱり“直接”には適わないのである。

 

さぁ、明日はいよいよ本格的な研修である。
車聖の任社長もスタッフと一緒に研修を受けてくれるという。
こういうことは、中国においても異例中の異例である。
一生懸命やらなくてはならない。

 

今回は、“快洗隊現役”“直接”の“中根”を連れてきているのが、何より心強い。

 

“快洗隊現役”“直接”の“中根”

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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