谷 好通コラム

2004年05月22日(土曜日)

960話 つい出来心で・・

昨日、H・オサムこと畠中修とMINEサーキットに行ってきた。
別に練習というわけではないが、
ストレスが溜まってきていて、
イライラが募ってきて
畠中の誘いに、ツイ、乗って、MINEで走ってきたのだ。

 

畠中の奥さん(エリさん)は、
ゴールデンウィーク前から子供を連れて九州の実家に帰っていた。
エリさんは、
2歳の楓(かえで)君と8カ月の光(ひかる)君の子育てと、
経営者の妻としての仕事との両立に、
チョッとだけ、くたびれてしまったらしい。

 

「畠中が女房に逃げられた」と、
面白おかしく吹聴していた輩は、私を中心として・・・私だけであった。(^。^)

 

畠中はそのエリさんを迎えに来たのだが、
そのついでに、って感じで、MINEで走ったのだ。
私はその前日に九州の仕事があったので、
つい、MINEに行く畠中に同行してしまったのだ。

 

長期休暇を貰ったエリさんは元気そうであった。
(良かったね、奥さんと子供が帰ってきてくれて。)

 

 

話は変わって

私はMINEに行くつもりはなかったのに、
畠中が行くと言ったので、私もつい出来心で、レースカーで走ってしまった。
私は悪くない。
悪いとしたら、それは畠中だ。
奥さんを迎えに行くからって、MINEになんか私を誘わなくてもいいのに
私だって、嫌いなわけではないので
つい、出来心だって起きてくる。

 

・・・・・
なんて書き方をすると、読んでいるあなた、腹が立って来ませんか?
私の人間性を疑いませんか?
この文の中の“私”は、自分だって走りたかったくせに
畠中のセイにして、
自分は、誘ってくれた畠中の被害者であるかのように書いている。
こんな書き方は最低である。

 

正しく書こう。
私は、普段、畠中がほとんど一日も休まず働いていることを知っている。
そして、
「あ~走りたいですね~、
今、女房たちを実家に帰していて、今度、迎えに行くんですよ。
子供が2人いるんで、やっぱり迎えに行ってやらないと大変なんです。
それで、久し振りにMINEに寄って、スカッと走ってこようと思うんですけど、
社長、向こうの方に行くことありません?」
と、畠中が言うのを聞いて、

 

「MINEに行くか?ちょうど、九州にどうしても行きたい用件がたまってきていて、
出来るだけ早く行かなくっちゃ行けないんだ。
そのついでに、いっちょスカッとするか。
スケジュールを何とかして
付き合う、付き合う」

 

こんな感じ。
(結果は、車の調子が出ず少々消化不良ながら、一応スカッとした。(^_^))

 

実際の話をそのまま書けば、どっちもどっちで
どちらが原因であって、どちらがそれに引きずられたって訳ではない。
お互い、休日とは関係ナシで仕事をしてきて
ちょっとした隙間を見つけて、スカッとして
また仕事に精を出そうということ。
何の後ろめたい事があるわけではない。

 

しかし、たとえば
誰かがこんなようなことがあって、誰か上司などに叱責を受けたとしたら、
ひょっとして、最初のような書き方
つまり自分は責任逃れをして、
人のセイにするようなこともあるだろう。

 

私は、この「人のセイにする」ということが大嫌いだ。

 

会社でも、誰かに、何かのことを、「どうして?」と聞いた時、
「●×△が、■※だったので・・・・」とか

 

たとえば、約束に遅刻した者が
「道が渋滞していたものですから、」とか
「女房が起こしてくれなかったものですから」とか

 

実績が上がらない者が
「誰々が客を取っていったものですから・・」とか

 

また、悪い事をした時に
「あいつが誘うものだから、つい、出来心で・・・」とか

 

自分の責任逃れをするようなことを言うと
真剣になって怒る。

 

人のセイにするということは、
起きたその事は自分には原因と責任は無い。
自分以外の人、あるいは出来事に原因と責任があって、
早い話が、自分は悪くない。
むしろ自分は被害者であるということになる。

 

特に自分の起した事に、あるいは自分が作った状況に対して
自己責任を持たず、他人のセイにする人は
それが不幸なことであったり、不本意なことであったとしても、
それは自分のセイではないので、
自分はなんら変わる必要もなければ、改善することもないので、
つまり、自分はこれからも同じなので
また同じような状況におかれた時には、
また同じように不幸であり不本意なことになる。
そしてそれは、ずっと同じように、たぶん永久に繰り返されることになる。

 

人のセイにし、責任転嫁をするということは、
その場は、その時だけは、痛みも無く、ラクチンなことだが
実は、深刻な不幸の選択をしていることになるのだ。

 

すべての啓発の本に共通の事が書いてある。
「すべての事について、特に自分の起した事に、あるいは自分が作った状況に対して
その因が自分にあるということを受け入れることだ。
そうすれば、学ぶことが出来る。自分を変革することが出来る。
その学びや自己変革からこそ、成功が生まれるものだ。」と

 

人のセイにすることは、本人にとって、実に不幸なことになる。

 

しかし、例外もある。

 

たとえば、明確な犯罪においては、
自分になんら因が無いところで突発的に振りかかってくる不幸もある。
「通り魔」による被害者。
そして、「拉致事件」による被害者などはその典型であろう。

 

今日小泉首相が北朝鮮に行って、
拉致被害者の一部の家族が帰ってくることになった。
色々意見はあろうが、本当に良かったと思う。

 

以前、北朝鮮当局が訳の分からないことを言っていた。
「拉致被害者を一時帰国させたが、
日本政府はすぐにまた帰すと約束をしていたのに、帰さなかった。
とんでもない嘘つきだ。すぐに帰せ!」と

 

これは言い換えると、こういうことだろう。

 

[ある犯罪者が、人の子供を誘拐して
その子の親が「ちょっとだけ返してくれ。ひと目会ったら、またすぐ戻すから」
と言ったので、
犯人は、誘拐された子供を一時的に親の元に返すことにしたが、
親は、子供と会ったら、もう子供を犯人に返すことはしなかった。]

 

当たり前のことだ。

 

これを自分の子供のことに置き換えて考えて見れば、
誘拐犯の手から返ってきた自分の子供を、犯人とどんな約束をしていたって
また、犯人の手に戻す親などいるはずがない。

 

その親を嘘つき呼ばわりする犯人は、人間ではない。

 

今日また、その誘拐された人達の子供が一部帰って来た。
身代金を取られての帰還だ。
この拉致事件とは、単純に誘拐事件といえる。
そう考えると、これは実に理不尽な出来事で、悲しいことだ。

 

そう割り切って考えた場合、今回の小泉首相の屈辱の訪朝は、
非難されるべきではないと思う。

 

しかし、誘拐犯であるはずの北朝鮮は
自らのことを犯罪者であるとは考えてはいない。
「日本は自民族に対して侵略者として膨大な犯罪を犯している。
犯罪者は元々日本であって、北朝鮮は本来的に被害者なのだ。
拉致事件は、被害者が加害者に対して行なった正当な行為なのだ」

 

相手のセイにして、自らは何をやっても、悪いことではないという
刹那的かつ根源的な犯罪が輪廻のように果てしなく続くのか。

 

 

先週、上海に行って
今週一週間いろいろな事があった。
人のセイにする者が悪ッ気を噴出していることも知った。
これはとても辛いことであった。

 

しかし、そんなものとは縁のない、前を向いて闘っている人達、
がんばっている人達ともたくさん会った。
楽しい時間がほとんどであった。

 

日曜日
北海道帯広・帯広石油さんから、
わざわざ4名の方が総合洗車スクールに来てくれた。
部長(右から3人目)まで訓練の実践に参加だ。
こんな積極的な人達と話をしていると、体の中から元気が出てくる。

 

 

その食事会に、鈴鹿戦を見に来た姪っ子たちが便乗のご馳走様である。
若い子はホントに元気である。

 

 

一昨日久し振りに熊本に行った。
馬場さんとは、時間を忘れて話が長くなる。そして、元気になる。

 

 

昨日のMINEでは、走り終わった頃
畠中の奥さんたちと、ご両親が孫を抱いてやってきた。
畠中のご両親は、彼が若く、真剣にレースをやっていた頃
いつもレースを応援に来てくれていたそうだ。
何ともうらやましいこと。

 

 

走り終わった時の私の顔は、自分で見ても元気になっている。

 

 

約4年間、長く乗った愛車KeePreレビン?25は、
畠中が乗っていた時代も含めると、もう7年にもなる。

 

そろそろ引退させようかと思っている。
ひょっとすると今回が最後の走行かもしれない。
私はこの車が、本当に大好きであった。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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