谷 好通コラム

2004年10月12日(火曜日)

1037.問題解決/消去法

何事かをなして行こうと思ったら、
とにかくやり始めなくてはならない。
何もしないまま、やった時の懸念を並び立てていても何も始まらない。
これを仮に“懸念派”と言っておこう。

 

ということで、崖から飛び降りたつもりで何をやり始めると、
当然のことながら、
いっぱいの問題が起きてくる。
“懸念派”は、「それ見たか」と、端からそしる。

 

ここで、懸念派のそしりに負けて、
「やらなきゃ良かった」と、早々に後悔してしまったのでは、
何のためにやり始めたのか分らない。

 

懸念派の言うことなど最初から分っていたのだ。
そんな懸念は懸念で、きちんと自分の小脇に抱えての行動だったはず。
懸念が実際に起きてくることも承知のうえなのだ。

 

かといって、起きた問題を放置しておくわけにはいかない。
問題点は問題としてきちんと解決していかないと、目的を達していくことが出来ない。

 

問題はそのつど解決していくこと。

 

問題点を解決するのにいい方法があった。
起きた問題の原因を、すべて順番に上げていって、
一つずつ消去していく方法だ。

 

何か問題が起きたとき、
その原因について漠然と話し始めると、
きまって安易な「誰のせい」という責任転嫁の方向に行きがちなのだ。
特に、悪い意味でのサラリーマン的発想によると、
「私の責任ではない」を先に言いたくて、自己弁護の意味で、誰のせいなのかを
すぐに言いたくなってしまう。

 

このモードで話が進むと
誰もがそういうモードになってしまいがちになる。これは伝染するのだ。
「そうだ、そうだ、あいつのせいだ。」と、集団被害妄想的になり、
本来の目的とは方向違いの無駄な戦いが始まってしまうことにもなる。
あるいは、
力を合わせるべき仲間たちが、お互いを責め合い
仲間割れという最悪のシナリオに行きつく場合もある。
安易に人のせいにし始めると、
目的のために起こした行動そのものが台無しになってしまう。

 

問題は解決するべきであって、
そのために、冷静に問題点の分析をするべきである。

 

そのために重要なのがデータ。
どういう時期に、どういう傾向で発生しているのか、
データによって、その傾向をまず摑んでおく。

 

その上で、「問題が発生した原因として考えられる限りの“すべての要素”」を、
みんなで書き出して見る。

 

要素を系列別に分類して、
細かく、考えられる限りのすべての要素を書き出して見る。

 

そして、その一つ一つの要素について、
みんなで話し合う。
一つの要素について、お互いが知っていることをすべて出し合って話し合う。
ここが重要で、
集まっているすべての人間が知っている情報を、
一つの要素に対して出し合って、話し合う。

 

この時に、お互いの利害が入ってはならない。
お互いに客観的に要素を検討してつぶしていく。

 

すべての要素に対して、客観的に一つ一つ潰して行く。
多少の疑問が残って、潰しきれない場合もあるが、
場合は、その疑問を解消する具体的な検証の行動をとることを決めて、
次の要素に行く。

 

そうやって一つ一つ潰して行くと、
問題点を発生させた原因が、具体的に浮かび上がってくるのだ。

 

不思議とお互いのコンセンサスを持った上での一つの要素が浮かび上がってくる。

 

そうなったら、その絞り込まれた要素を集中的に検討して、
その場ですぐに、具体的な実験などの検証を実行して、
その要素が見当違いであるかないかを、みんなで確認して、

 

その要素が原因であることを確認できたら、
その対策を集中的に話し合う。

 

この方法で、実際に昨日は非常にうまく行った。
間違いなく、根本的な解決に向かうことになったと感じた。

 

問題が漠然としている場合、
漠然と話し合って、漠然と対策をして行って、
たとえ、その結果、問題点がある程度改善されたとしても、
その原因がはっきりしていないので
どの対策が有効であったのか特定することが出来ず、
また、同様の問題が発生しても、また漠然とした対策をすることしか出来ず、
今度はそれが有効な結果を出すかどうかわからない。
つまり、根本的な解決にはならないのだ。

 

行動には、問題の発生は付き物であって、
肝心なことはその問題点を、その都度、確実に解決して、
行動を前に進めるかどうか、
それが、行動によって、その行動の目的を実現できるかどうかの
具体的な大切な要素と言える。

 

問題解決のためには、
客観的な視点による消去法は、意外と有効であった。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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