谷 好通コラム

2005年03月12日(土曜日)

1135.幸運を運ぶ人たち

前話において、
通訳とは単に言葉を他国語に言い換えるだけでは十分ではなく、
話されている仕事の内容について、
きちんとした知識と理解をもって話されている内容を理解した上で
その話の“意味”を伝えるものだ。
すなわち、通訳とは、
言葉を伝えるのではなく、話の要件と意味を伝える仕事である。
そんなことを書いた。

 

だから、
通訳を雇う時には、
言葉の流暢さだけに惑わされてはいけない。

 

日常会話においての言葉の流暢さは
たとえば、その人が日本にどれだけ長い間いて、
たくさんの日本人と話をする機会のある仕事についていたか、
つまり、どれだけたくさんの日本語を喋ったかなどによって決まってしまうとも言える。
日常会話がうまい事と、
通訳としての“仕事”が出来るかどうかとは
別の事なのである。

 

「通訳とは、言葉を伝えるのではなく、話の要件と意味を伝える仕事である。」
通訳の力量とは「語学力」よりも「伝達力」であるとも言える。

 

という意味では、
優れた通訳さんとは、すなわち、優れた営業マンでもあるとも言える。
伝えるべき事を正しく相手に伝えるためには、
たとえば物販ならば商品に対する知識であったり、
サービス業ならばそれを支える技術を身に付けることは大変有効なことであるし、
これは営業の仕事においては欠かすことの出来ない条件でもある。
そして、それを伝える“伝達力”あるいは“表現力”
自分の知識とか、考えとか、ノウハウを、相手に伝える能力。
そして、それに伴う交渉力。
この能力が、営業マンとしての能力の優劣を決めると言ってもいい。
もちろん他にも、目的意識とか自己管理能力とか、
色々な要件が必要ではあるが、営業に一番必要なのはやはり“伝える力”となる。
通訳という仕事の重要な能力と重なる部分である。

 

だからか、優秀な通訳の方には優秀な営業マンが多い。
あるいはもっと進んで、
仕事全体をマネージメントする能力、つまり高い経営力までも備えている人がいる。

 

優秀な通訳の人たちの能力とは、
言葉と文化の違う民族と民族との間を持って、
その優れた「語学力」と「伝達力」と、「営業力」と「マネージメント能力」で、
お互いの幸運を運ぶ人たちなのだ。

 

アメリカにおいて、カルピスの現地法人の実質的な社長を務めていた
“トニー谷川さん”が、そうであろう。
あるいは、ドイツSONAXの日本代表吉村さんもそうであろう。

 

 

(この写真再使用です。)

 

そして、
上海の車聖社長任さんの通訳を務めて見える“工藤さん”も、間違いなくそうである。
工藤さんと上海で打ち合わせをした時、
私たちが当初考えていたプランを、
たった一回の工藤さんのアドバイスで、すっかり考え方を変えてしまった。
今回の合弁会社のスタートは、この事によるところが大きい。
彼は単なる通訳ではなく、すばらしいビジネスのコーディネーターとも言える。
上海の廣瀬所長が、
「いや~、工藤さんはすごいですよ。
彼は、自分の考えをしっかり持っていて、
通訳しながら、会談の方向を正しい方向にコントロールまでしている。」と言っていた。

 

車聖は工藤さんという名通訳と縁を持ったことで、
対日本とのビジネスに大きなプラスを得ていることは間違いない。
車聖・任さんの人を見る目があったと言う事であろう。
工藤さんも幸運を運ぶ人の一人であると言うことだ。

 

 

上海事務所の廣瀬所長も、間違いなくそういう種類の能力を持った人である。
アイ・タック上海の通訳兼営業の沙君も、
絶え間ない営業努力と、身を惜しまず学ぶ姿勢と、キャリアを積むことによって、
そんな優れた通訳、幸運を運ぶ人になることが出来るのだろう。
これ以上はないお手本が上司である幸運を、ぜひ生かして欲しいと思う。

 

 

二回の上海ワンデーを終えて、
任さんに一流のレストランで私たちはご馳走していただき、
52度の中国の白酒(バイチュウ・強い焼酎のような酒)で、
しこたま酔っ払ったのでした。

 

 

酒を飲みながら、ご馳走を食べながら、話に盛り上がりながら、
子供のように器用に寝る石川課長。
(そろそろ南昌から上海に帰ってきたころである。)
ご苦労様でした。

 

 

中国での合弁会社を一緒に作り、かけがいのないパートナーとなる車聖・任さん。

 

 

昨日、日本に帰ってきて、
今日は、また東京に出張に行った。
相手は大企業の方で、土曜日に会っていただくことは大変失礼であったのだが、
どうしても今日しか私の予定が立たなかったので、
ご無理を申し上げて、お会いいただいたのだ。

 

今日の仕事は大ハッピー。
考えていた以上に大ハッピーであった。

 

 

予感はあった!
朝、名古屋から出てくる時に、
私の幸運の女神「富士山」が見事に見えたから。
富士山のラッキーは、すごい効果があるのだ。

 

 

しかし、
今回の上海で、とうとう、めがねを失ってしまった。
何十回も失くして、でもそのたびに出てきた不思議なめがねであったが、
今回は、あまりにも酔っ払ってしまったので、
どこで失くしたのか、全く憶えていない。
代わりの臨時のメガネは、私には似合わない。・・・と思う・・・

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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