谷 好通コラム

2005年03月20日(日曜日)

1139.私は猫のピラピラ?

一昨日が誕生日で、私は53歳になりました。
それがどうだと言うことではないけど、
私は日本人の平均寿命の3分の二を越したわけだ。

 

 

この会社には今
今までには考えられないような大きな話が立て続けに入ってきている。
何かが変わったのであろう。
こちらが変わったつもりは無いのに、
今までやってきたことの積み重ねが、周りを変えたのかもしれない。
あるいは。知らず知らずのうちに、こちら側が変わってきているのかもしれない。

 

いずれにしても、
こんな時、今の自分達を守ってそれらに対応していくのか。

 

しかし、こんな時にこそ、
新しい自分達をまた探したくなる。
せっかくもらった今までの評価を惜しげもなく捨てる危険を犯しながらも、
やっぱり新しい自分達を作る冒険に挑みたくなる。

 

チャンスを成果として育ててその報酬を享受するのか、
また新たなるチャンスを育てるための新しい次元を作り出す先行投資とするか、
我々が何を求めて今を活動しているのかで、どちらに出るか決まる。
いずれにしても、
私の思考パターンからすると、
前者であることはなかなか無さそうである。

 

どんな大きな話がやってきても、それにビビって体を堅くしてしまうものではない。
何でもかんでもドンと来いである。

 

さぁ、これから大仕事だと構えながらも
かまわず新しいアイデアが湧き出てきて、
それを放っておいて大仕事に没頭するだけにはなりそうにないのだ。
もっともっと前に進みたい。
新しいものを造って行きたい。
どうしてもそう思ってしまう。

 

しかし、平均寿命の3分の2を越した自分自身のことも冷静に考えれば、
いつまでも、「何でもドンと来い」と、
アグレッシブにばかり構えていても、
現実の物理的な限界を無視しての無邪気な心意気は、
周りにいらぬ不幸を撒き散らすことにもなる可能性もある。

 

自重せねばとも思うのだが、
いかんせん、静かにしていることが大の苦手。
闘争心が人一倍強いのか、どうしても体と心が前のめりになってしまう。

 

たとえば、
いつもの名古屋高速を走っていて、
ふと、気がつくことがあった。
私は前を走っている車を、なんの理由もなく一台残らず抜くことに専心しているのだ。
とりあえず前の車を抜く。
そのことに夢中になっている。
特に“追い越し車線”を“トロトロ”走って、
後ろに車の行列を作っている車なんかがいると、
間違った正義感のようなものを感じて、ムキなって抜きたくなる。
気がつくと、制限速度オーバーどころか、
倍以上のスピードが出ていることすらある。
(といっても、名古屋高速の制限速度60キロ/hは誰も守ってはいないが。)

 

そんな時、私は思う。
こんなに飛ばしても、何の役にも立たないのに、
何故、私は前の車を無条件に抜かしたくなるのだろう。

 

そういえば、
“猫”が何かプラプラ動くものを見つけると、
かき立てられる様に、獲物に襲い掛かるがごとく飛び掛っていく。
プラプラを見つけた時の猫の様子は、神経が集中して、まるで野生の猛獣のようだ。
猫の脳に刻み込まれている生き物としての本能なのだろう。

 

ならば、私が、私の前を走る車を無条件に抜かしたくなるのも
猫のプラプラと同じようなもので、何か本能的なものだろうか?
車を抜かし続ける私は、
プラプラを見るとどうしても我慢出来ずに襲い掛かる“猫”と同じレベルか?

 

 

ひょっとして私が、
覆面パトカーなどに
スピード違反で捕まった時、
「いやいや、私にはもって生まれた一つの変な本能があって、
前を走っている車を見ると、なぜか無意識に抜かしてしまうんですよ。
スピードが出てしまったのは、そのせいです。
決して私のせいではありません。
ホラッ、猫がプラプラするものを見つけたら、夢中で襲っていくでしょう。
あれと同じことです。
ホントっに私のせいではありません。」

 

そう言い訳したら、
許してくれるであろうか?

 

 

いい加減に、
会社を落ち着かせればいいのに、
いつまでも、突っ走っていないと気が済まないのは、
私のこんな不幸な本能のせいなのかもしれない。

 

こんなことを書くと、
わがグループの社員さん達、アルバイトさん達、そして役員さん達は、
「この会社が休むことなく、どんどんと色々なことを始めていって
自分たちも必死になって働いているのは、
社長の本能で、それは、猫のプラプラと同じことなのか。」
そう勘違いして怒られてしまうかもしれない。
しかし、
決してそんなことはないのです。

 

その証拠に、私を捕まえた覆面パトカーに、
「本能のせいです。」と言っても、決して許してくれるわけがないのですから。

 

Do you understand?

 

突っ走ってばかりの今年、
初めての休暇らしい休暇をとることにした。
ただ今、グァムへの飛行機の中。

 

10カ月ぶりのグァムである。

 

飛行機の時間までにかなり時間が余ったので、
床屋に行って、
また髪の毛をうんと短くしてしまった。
また、大工の棟梁みたいな頭。芝生のような頭になってしまった。
去年の十勝24時間耐久レースの前のように。
・・・・
だからと言って、またレースに出ようと言うわけではありません。
ただ、ただなんとなくです。
ホントです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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