谷 好通コラム

2006年03月06日(月曜日)

1355.佐藤Spl.ノズル 今度こそ本当に写真が入りました。

トリノ冬季オリンピックでは、なんともイライラすることが多かった。
私は国粋主義者でもなければ、民族主義者でもない。
メダルを一個しか取れなかったのは、
負けたその選手の
肉体的、テクニック的、精神的のいずれにも力が無かっただけのことであり、
そのことによって日本及び日本人の価値が下がることはないし、
メダルの数を国力の表れとも思わない。

 

しかし、負けた競技のあと、
インタビューに答える一部の選手の言葉が癇に障った。
「口惜しいです。でも、たくさんの応援をもらったんで嬉しかったし、
楽しく競技が出来たんで満足です。」
「口惜しいんで、また四年後、今度は勝ちます。」
「くっそ~~、でも次は絶対に金メダルを取ってリべンジするんで、楽しみにしてて。」

 

今回は運が悪かっただけのような強がった言葉が、
「・・やるんで」、「・・するんで」「・・んで」というスレタ日本語まじりで続く。
応援してもらったのに申し訳ないとか、
日本の代表として恥ずかしいとか、そんな言葉はほとんどない。
さすがにマスコミも、たった一人の金メダリスト荒川選手に集中し、
一部の人気選手の他の大選手団には目もくれない。

 

一人の選手を選出し、オリンピックに出すのに数千万円かかるという。
オリンピックは「参加する事に意義がある」とはいうものの、
大借金地獄真っ只中の日本としては、
「参加するだけ」の選手がほとんどであるのかもしれないあの大選手団を組むのは、
もうやめた方がいいのかなと思ってしまう。

 

 

この一週間、
膝にたまった水が芳しくなく、歩きにくい。
それでも予定していたスケジュールはどんどんやってきて、
死ぬほど痛いと言われた膝の水抜きをするかどうか、真剣に悩んでいる。
しかしまぁ、悩んでも、膝の水抜きをやりに病院に行く時間の隙間が全くないので、
多分結果的に、やらないまま様子を見る事になるのだろう。

 

 

三月中に量産開始予定であった“快洗Wing”が遅れている。
不具合があって遅れているわけではなく、
もっと良くしたい、という快洗Wing開発技術陣の熱意が、
考えうる限りの改善の手を休めようとしないからだ。
先週、また札幌に出かけ、その技術の人たちと検討会を開いた。

 

課題は「泡」。
「いい泡ですね~。」とよく言われる快洗Jr.?のその泡のようにしたい。

 

その泡は、固過ぎず、水っぽさ過ぎず、
ラ・モップの軟らかさで容易に破ることが出来、
しかも、車のボディから簡単にはすべり落ちない。
なおかつ、泡切れが良くなくて、その上、泡で手荒れがないようにして、
撥水コーティング剤との相性も良くなくてはならない。
ここは特許にもなっている大切な要素だ。
しかも今回は、
風で泡が飛び散らないように「重い泡で」というやっかいな注文もつけている。

 

ただ単に白い泡がボディを覆えばいいというものではなく、
実に微妙なバランスが必要なのだ。
一つの吐出口しかない快洗Jr.?と、
長いパイプに四つの吐出ノズルのある快洗Wingでは、まるで条件が違い、
技術の人たちも大変苦労したようだ。

 

前回見た時でも、充分に水準に達している泡であると判断していたのだが、
開発技術陣の人たちは、「もっといい泡を」と欲を出して開発を続けてくれた。
そり結果がこれだ。

 

文句のない状態であった。

 

 

ラ・モッブでのタッチアップで容易に泡が潰れていく。洗い易い。

 

 

泡切れも良く、水のスプレーで完全に泡が無くなっていく。

 

 

この泡は、「佐藤Spl.(スペシャル)泡」という。
技術陣の中に佐藤さんという人がいて、この方が快洗Jr.?の泡を作った人。
今回は当初「快洗Wing」の開発担当には入っていなかったのだが、
どうしても100%満足のいく泡を作ることが出来なかったので、
急遽呼ばれて、佐藤さんが、佐藤Spl.の泡を造る事になったのだそうだ。

 

ドンピシャである。
さすが、泡造りのスペシャリスト。
見事に100%満足の快洗WingのSpl.泡を造ってくれた。

 

私たちの開発のスペシャリスト森君と「泡」のノズルを見上げる佐藤さん。

 

 

佐藤さん手作りのスペシャルノズル。
今の時点ではっきりとした形をお見せすることは出来ない。

 

 

今回の快洗Wingについては、
技術開発陣の人たちの頑張りとこだわりは並大抵ではなかった。
この日の前日から徹夜で準備をしていただいた方もいたそうで、
大変、完成度の高い快洗Wingが出来上がったと信じている。

 

ここに写っていない方もたくさんいる。
すべての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいであった。

 

 

ポルシェのデザインには、たくさんのデザイナーからのコンペティションとした。
結局、最終デザインは「波」になったが、
不採用のデザインも、いずれも捨てがたい良いデザイン揃いであった。
すべてのデザイナーの皆さん、ありがとうございました。

 

 

昨日の全国の所長を集めての会議の前、
部長連中の一部の人たちといっぱい飲んだ。
その時の駐車場での1ショット。
説明はイラナイだろう。
会社を支えてくれるすべての皆さんに、感謝である。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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